ブログの道具 デジタルビデオカメラ その1

最近では仏像を造るための道具である私の七つ道具に新たなアイテムが加わりつつあります。

ブログの中に動画を挿入して日が浅いのですが、手を出す前まで全くデジタル動画には興味がありませんでした。

撮りためて後で見ることもないだろうし、画像と違い編集にものすごく時間が取られそうな気がしていました。

いろんな人のブログを見る機会が増えてきて感じていたのが、割と多くの人が動画をブログに挟んで利用していることです。

デジカメで手軽に動画を撮影したものでもきれいに撮れていて、動画の敷居が低くなっていることを感じていました。

そのようなことから自然な形で動画に挑戦してみようと思い始めました。

初めて動画に挑戦したのはコンパクトデジタルカメラの動画機能を使い撮影を試みはじめたのですが、恐る恐るパソコンに取り込んで再生してみると、思っていた以上にスムーズに動いていました。

テレビの大画面で見ることを想定していないので、その時はデジカメの動画機能で十分だと感じていました。

ただ動画撮影中はズームやズームアウトが全くできない、その機能はどうしてもほしい機能なので、それでまず最初に購入したのが中央の白のビデオカメラです。

私がビデオカメラの初心者だと実感したのが、実は17年ほど前のビデオカメラを少しいじっていたことがあるのですが、それから全く進化の工程を知らずに過ごしてきました。

デジカメではそう難しく感じませんでしたが、専用のビデオカメラは設定が複雑なので少し慣れるのに時間がかかりました。

最初に購入したデジタルビデオカメラはズームやズームアウトはできるのですが、マニュアルフォーカスでないことに少し不満が残りました。。

被写体がある手前とその背景を自由にフォーカスで遊びたかったのですが、何かないだろうかとゴールデンウィークの初日にヨドバシカメラやエディオン、中古カメラを扱っているお店などをめぐる旅に出かけていました。

今から思うとかなり楽しい旅行でした。

ヨドバシカメラでは、ビデオカメラが目的のはずだったのですが、デジカメのコーナーで2時間ぐらい寄り道をしてし楽しんでました。

一日、自由に動けるので本能のまま行動していました。

私がなぜビデオカメラを購入しなかったのかというのは、手動でダイヤルで回すマニュアルフォーカスのビデオカメラが高すぎるのと、ハイエンドのビデオカメラを求めていなかったのが理由です。

それからは中古で探そうとリサイクルショップにも回りましたが、思ったものがないので、たくさんの中古カメラを置いているお店にいくことにしました。

すると2008年式のビデオカメラを発見。

写真では一番大きな黒のタイプですが、値段も安く、ダイヤル式のフォーカスがついて、ハイエンドにもこだわっていなかったのでこれはぴったりだと感じました。

それでも購入するまではとても時間がかかりました。

デジカメ以外にもたくさんの古いフイルムカメラを置いていたのでついつい長居をしたのが原因です。

購入すると早く家に帰って性能を確かめたかったので自宅に到着してからも、私の至福の時間となったことは言うまでもありません。

 

 

 

 

漆のヘラ

 

漆のヘラ

 

漆塗りと聞いて筆などを使ったペイントをイメージされる方も多いかと思いますが、下地を作り何層も重ねて最後の段階で地の色(黒や朱色など)を筆(漆刷毛)で塗り、また上絵を筆で塗ります。

筆といっても、本職の方などは漆刷毛という人の髪の毛でできた刷毛を使います。

現在では、人毛でないものも出てきています。

話がそれましたが、漆を塗る作業の前の下地を作る作業も重要な工程の一つで、初めて塗られる方、慣れていない方などが漆を塗ると凹凸ができたり、小さな異物が混入したりしてなかなか思うように仕上がらないと思います。

それらの問題の多くは下地の面がきちんと仕上げられていないことがあります。

下地の面の凹凸や小さな穴も完全にふさぎ平らにすることにより、塗り終えた後の仕上がりは美しくなります。

本職のように完璧にはいきませんが、下地を改善することにより、見違えるような出来栄えになると思います。

そして下地にはヘラを使います。

本職で漆をされる方の塗師刀(ヌシガタナ)という直刀ですが短刀のような刃物を使って木のヘラを作られます。

私は、塗師刀を持っていませんので代用で少し小さめの鉋(かんな)と彫刻刀を併用して作ります。

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ヘラを削る前の状態です。

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今まで使っていたヘラです。

参考にしながら複数本作ります。

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鉋(かんな)で表面、裏面、両サイド面を削ります。

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本職の方は塗師刀をつかいますが、私は彫刻刀を使い角度をつけます。

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彫刻刀で角度をつけた面を鉋で仕上げます。

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完成です。

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右側3本のヘラは柔らかくて薄い金属でできています。

とても使いやすいので木のヘラと併用して使っています。

 

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金継ぎ4 錆漆(さびうるし)

 

前回の漆作業では木屎漆という粉末状の木の粉に熱を加えてたものと漆を混ぜてペースト状にしたものを、大きな隙間に埋めていきました。

その木屎漆が固まりましたので幅の狭い彫刻刀で固まった漆部分を削りととのえていきます。

 

 

 

 

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(幅の狭い彫刻刀で削る前)

 

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漆の部分をへこまさないようにして、隙間があっても深追いせずに、出っ張ったところだけ彫刻刀で削ります。

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マグカップも同じように削ります。

 

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削り終えた後です。

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抹茶椀、マグカップとも削り終えました。

次は、錆漆を作ります。

今回は鳴滝砥の粉(鳴滝砥粉という砥石の粉)を使って、漆と混ぜていきます。

非常に細かいパウダー状の粉ですが、鳴滝砥粉ではない一般的な砥の粉はもう少し荒めです。

 

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(鳴滝砥の粉)

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砥の粉と漆を混ぜていきます。

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前回、ごく小さな隙間に錆漆を押さえつけて、埋めていきます。

 

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すべて埋まりました

 

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マグカップのほうも一緒に埋めていきます。

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今回の錆漆で隙間を埋める作業は終了いたします。

錆漆が固まり次第、次の工程に進みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛界 16 無量壽如来尊像

 

無量壽如来尊像 (インドの古い言葉 Amitayus アミターユス)

この菩薩さまは無量壽如来(むりょうじゅにょらい)です。

尊名の無量寿は永遠の命を意味して、また無量壽如来はよく耳にする阿弥陀如来とも呼ばれています。

着ている袈裟の着方は偏袒右肩という右肩を露出させて袈裟を羽織っております。

手には弥陀定印という人差し指を立て両手を組んで印をを結んでいます。

中尊である毘盧遮那如来の妙観察智の徳を司るとされ、妙観察智とは、すべての衆生の苦悩や疑惑をそれぞれに見抜き、救済する智慧です。

無量壽如来が仏典に登場する起源は、おそらく釈尊の成道の伝説によると思われます。

釈尊は成道して不死を得たとされますが、その永遠の命を独立した仏の特性として、この無量寿の名称が付与されたと考えらえれています。

サンスクリット語で不死をアムリタ(amrta)と呼ばれていますが、アムリタはまた甘露とも訳されます。

そのようなことから『施餓鬼儀軌』(セガキギキ)の甘露王如来とはこの尊と同体のようです。

阿弥陀という語は、この尊のサンスクリット名のアミターユスのうちアミタに由来するとされていますが、阿弥陀の語源はアムリタにあるとする説もあります。

大乗経典の阿弥陀如来=無量寿如来と密教のこの尊は、密接な関係が窺えますが、ここではこの尊は、浄土教のように法蔵比丘が四十八願を成就して仏になったのではなく、毘盧遮那如来の内証の顕現とされています。

弥陀定印(金剛界曼荼羅)や法界定印(胎蔵曼荼羅)をこの尊が結ぶのは、もともと密教特有の印相であったものが、のちに日本の阿弥陀如来の造像では顕教でもこの印を結ぶようになりました。

 

合掌

 

 

 

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金剛界 62 帝釈天尊像

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帝釈天尊像(インドの古い言葉、Sakra シャクラ)

宝冠をかむり羯磨衣を着ています。

右手は胸前で独鈷杵を持ち、左手は拳にして腰に置きます。

真言の金剛武器とは帝釈天のことのようです。

武器の金剛杵は自然現象のいなずまを表すともいわれていることから、帝釈天はその出生が自然現象に由来し、また武器である金剛杵を持つことから、ヒンドゥ教神話では戦闘の神であったことを反映している。

後に仏教では、仏法を守護する善神となりました。

合掌

 

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金剛界 55 辨積菩薩尊像 

辨積菩薩尊像 (インドの古い言葉 Pratibganakuta プラティバーナクータ)

この菩薩さまは辨積菩薩(べんしゃくぼさつ)です。

尊名の辨積は弁舌に巧みでそれを積み上げている意味があります。

右手で持っているのは蓮の花ですがその上に雲が出ていますが、それは三形の雲で智慧を積み上げていることを表しています。

いわゆる文殊の智慧のような意味です。

そのようなことから辨積菩薩と文殊菩薩は同体とされています。

文殊菩薩の異形で五髻文殊を代表する髪を結いあげた文殊童子像がありますが、三形の雲はこの髪の形をデフォルメしたものとも考えられています。

合掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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金剛界 21 不空成就如来尊像

不空成就如来尊像 (インドの古い言葉でAmoghasiddhi アモーガシッデイ)

この如来さまは不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)です。

肌の色は緑色、左手は金剛拳にして臍(へそ)の前におき、右手は施無畏印にして中尊である大日如来の北(左)に佇んでいます。

大日如来の衆生救済の智慧である成所作智を司ります。

天鼓雷音如来や釈迦如来と同体とされますが不空成就とは、確実に仏の働きを成就する尊であるという意味です。

サンスクリットでアモーガシッデイのシッデイを音写して悉地というので密号では悉地金剛、成就金剛などといわれています。

お姿は仏の働きを象徴するために左手は衣の角を握るように描かれる尊像の例もあります。

施無畏印は、仏教実践徳目の一つである布施行のうち、もっとも重視される無畏施を表し、衆生に不安や怖れのない心を植え付けることで、仏の偉大な働きとされます。

 

合掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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金継3漆で穴埋め

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漆接着漆が固まってきました。

まだ完ぺきに固まっているわけではありませんが、作業には問題ない範囲の硬さまでになってきました。

ずれる心配がなくなりましたので、次は隙間などの穴埋めをしていきたいと思います。

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今回使うのは木屎漆(こくそうるし)というものをつかいます。

木を粉末状にしてそれを鍋を使って少し焦がしたものを焼き曳粉といいますが、木に熱を加えることにより、水分が飛んで、焼締まり粉が丈夫になります。

その焼曳き粉を漆と一緒に練りこみます。

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小さなヘラが手元にありませんでしたので、彫刻刀を使ってヘラを作ります。

 

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極々小さな穴は次回の錆漆の作業で埋めるのであくまでも大きな穴を中心に埋めていきます。

 

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金継ぎについて (天然素材の漆を使った仕上げ方)

今回、金継で使用する素材は、天然漆、金、木を細かくしてこんがり熱を加えた焼き曳き粉、砥石の粉である砥の粉、接着に使う小麦粉、です。

これらはすべて、仏像の修復などにも使いますが、それを応用して金継で挑戦しています。

金継の記事をブログに掲載しようと思ったきっかけが、自然素材の漆を使って仕上げている金継ぎの器が非常に少ないと感じていました。

器には暖かいスープを入れることもあります、口に直接触れることもあります。

その時に、科学的に作られた石油系の接着剤やパテなどを使うと、私個人的にはあまり体には良くないような気がしておりました。

ごくわずかな面積なのでそれほど心配をする必要もないとも思いますが、それに気付いたのは、量販されているお箸を、たまたま使った時でした。

温まったお湯の中にしばらくお箸が入っていました。

たまたまですがそのお箸を使おうと思っていたら、漆塗りではなく石油系の樹脂で塗られたお箸なので、温まるとその樹脂の香りがほのかに漂いました。

その時に手間を省いて作られたお箸や漆塗りと称される、石油樹脂系の塗装などを使った器を使うのは実は健康にはよくないのでなないだろうかと、感じていました。

私が金継を趣味的に始めたのは健康のためではありませんが、天然素材で修復するやり方をみなさんに公開しようと思っていたのは、漆という天然素材を一般の人にも、挑戦してみたいと思えるようになっていただけたらとおもいました。

金継を通して漆素材を肌で実感することができます。

そして、漆素材でできたものを見るときに今までとは違った見方で見ることができます。

一口に金継といっても普段使いの器や高価な器など様々ですが、非常に高価な器などはプロに任せればよくて、それこそ数多くのサイトがありますから、簡単に見つけることができると思います。

普段使いに使われる器や、処分しようと思っていた器などで挑戦すると、失敗もそんなに怖くないともいますので、まずは試してみてはいかがでしょうか。

処分しようと思っていた器で試す場合だと気持ちが入らないこともありますが失敗覚悟で自信をつけるためならよいですが、。一番良いのは普段使いの器だと思います。

別の漆作業中、リラックマのマグカップにもほつれがあることに気がつきました。

私用にそれも一緒に直しましたが、あまり気が乗らず、いまだにその器だけ途中で止まっています。

人によって様々だと思いますが、そういうこともあります。

漆は科学系樹脂比べ健康に害がないと書きましたが、作業中は体質によりかぶれること

があります。

被れないようにビニール手袋で保護しても、弱い人はかぶれますので、かぶれるのは嫌な人はやめておいてください。

外に出て山に登る習慣がある人などはかぶれにくいとも言われますが、それでもかぶれることがあります。

一度は、かぶれる覚悟を持って挑むぐらいのちょうど良いと思います。

私も被れたことはありますが、被れると徐々に痒くなります。

掻いてしまいたくなりますが、そこをぐっとこらえて掻かないようにすれば被害は最小ですみます。

そして、ゆっくりと治ります。

だいたい完治に1週間ぐらい期間は必要ですがそういったことも含め天然漆の持つメリットデメリットと上手に付き合うと、作業またも楽しいものです。

 

 

金継2 (漆接着)

 

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漆接着のはみ出した部分をきれいに取り除いていきます。

麦漆(接着剤)は、2日経過して、ある程度固まって少し柔らかいぐらいです。

このぐらいだと、はみ出した部分の麦漆が除去しやすくなります。

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接着して二日ぐらいなら各パーツのずれを修正することができます。

このぐらいの硬さだと、ずれを修正したら動かないので作業もしやすいです。

 

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他の器も同じように除去しずれを修正します。

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この状態でしばらく置いておきます