彫塑 1

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今年で最後になりますが、三か月を1クールとして毎

年2回、粘土を使って人体を作るサークルに通ってい

ます。

京都市美術館の敷地内にある、アリーナという喫茶店

のすぐ隣に、静かに佇む建物があります。

その建物で彫塑をしていますが、明日の京都マラソン

でゴールが彫塑をする建物の目の前にあり、明日の8

時30分から立ち入り禁止になります。

普段の彫塑の時間帯はPM1時30分~PM4時20分まで

の間なのですが、明日は立ち入り禁止になる前に入る

ので朝の8時には入っておきます。

今のうちに、スケッチブック、IPADMINI、ウィンド

ウズRTサーフェス、デジタルカメラ、ホットコーヒー

にWi-Fi、と暇つぶしの物を整理して鞄に詰めています。

 

話は変わりますが私は、高校の頃に陸上部の長距離を走

っていました。

その当時一緒に走っていた、同級生と後輩二人が京都マ

ラソンに出場するのですが、それも上位を目指している

ようです。

ゴールの瞬間を激写しようと密かに考えていますが、参

加人数が多すぎてカメラで捕らえられるかどうか少し自

信がありませんが、とにかく明日はやることが多いです。

スケッチを仕上げブログ文章をタイピング、目標ゴール

タイムに来たら、ゴール前でスタンバイ、撮影が無事に

終われば粘土をこねる彫塑終了時間には立ち入り禁止は

解除になっているので家に帰り、フェイスブックにゴー

ル激写を投稿、そして彫塑のことをブログに掲載、と日

曜日なのに仕事よりもハードになりそうです。

それでも結構楽しんでいます。

 

最初に書きましたが、今年で彫塑が最後になると書きま

した。

今回限りで彫塑の建物が使えなくなります。

京都市の運営方針の変更みたいですが、50年以上続いて

いる彫塑のグループ、平均年齢も65歳以上になろうとし

ています、最年長の方は彫塑の先生で80代半ばになりま

す。

大きな彫塑を作るのは難しいかもしれませんがそれでも

現役で続けていらっしゃいます。

近くには美術館、近代美術館、図書館、平安神宮と、と

ても良い環境、広々とした建物のなかで 彫塑を楽しんで

いました。

今回かぎりで この場所が使えないのはとても残念です。

次回、彫塑の候補地も、代表者が探しに色々と駆け回っ

ていただいております。

しかし私は彫塑はこれで最後にしようと考えていますの

で、今回の彫塑は今まで以上に気合が入っています。

また近々彫塑のこともブログに掲載したいと思います。

 

 

 

カッターナイフで仏像彫刻 2

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前回カッターナイフで、割りばしを薄くスラ

イスする練習を試してみました.

今回も同じく割り箸を使いますが、練習内容

としては刻みをつけていきます。

同じ方向に斜めに刻みをつけていきますので

別の面にも同じように繰り返すと、螺旋状に

つながっていきます。

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三つほど刻みをあらかじめつけてありますが、

その下に同じように刻んでみます。

まずカッターナイフを直角に当てます。

手をけがしないようにカッターナイフは右手で

しっかり固定して割りばしを左手で持ちますが

右手の薬指一本を割りばしに当てます。

その状態で割りばしのほうを動かすようにして、

カッターに軽く押し込んでいきます。

押し込んでいくときにはナイフの刃の方向に割り

箸をずらすと、カッターが食い込みやすくなりま

す。

深く削ることを気にせず軽く跡がつきましたら、

5mm程下の位置からナイフの跡に向かって斜

に薄く削ります。



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繰り返し続けていくと左手で固定しているてに近づ

いていきますので、彫りにくく感じると思います。

そういう時は別の割りばしに変えるかもしくはひっ

くり返して刻んでみてください。

少し簡単な仏像を削ってみます。

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完成

 

カッターナイフで仏像彫刻 1

 

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以前かまぼこ板を使って仏像彫刻を試してみました。

今回はさらに基本に立ち返り、仏像彫刻ではありま

せんが、カッターナイフのシンプルな動きだけで削

り方を練習できればと思います。

まず用意するものは、割りばしとカッターナイフで

す。

シンプルに割り箸を薄く削っていくだけですが、初

めて挑戦する人には少し戸惑うかもしれません。

カッターナイフの刃を一定の角度に保ちつつ、微妙

な力加減で薄く削っていくのは意外と難しいです。

この練習で見につくのは、鋭利な刃物でスライスし

たきれいな 面を一発で仕上げることです。

あまり刃物を使い慣れていないと、一定の広さの面

を仕上げ出すことはできず、小刻みな小さな彫跡が

まばらに残り、あまり美しくありません。

初めて挑戦して一発でうまく削ることは難しいと思

いますが、反復して何度も何度も繰り返すことによ

り、ナイフが吸い付くようになってく日がいつか必

ず来ますので、気長に楽しんでみて下さい。

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割りばしとカッターナイフを使うのはどこの家

庭にもあって、使った割りばしは捨ててしまう

ので、気楽に彫刻の練習ができることです。

ほかに代用できる木があればそちらをお使いに

なっても構いません。

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使いさしの割りばしを使うことを前提としていますの

で今回は割って使います。

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先端の角を上図のように削ります。

削った跡が平らになるように何度も繰り返します。

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できるだけ平らな面が出せるようになりましたら

次は割りばしの面の部分を薄く削る練習をしてみます。

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このような感じで繰り返し続けてみてください。

ただ気持ちが別のところにいったり、しんどくなって

きたらすぐにやめてください。

あくまで、楽しいという気持ちが一番大切です。

もっと違うものを作りたいという気持ちが出てきまし

たら、あっちこっち色々試しても良いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

胎蔵界 189 千手千眼観自在菩薩尊像

千手千眼観自在菩薩尊像

(梵名:サハスラブジャールヤーヴァローキテーシュヴァラ)

 

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この菩薩さまは千手千眼観自在菩薩(せんじゅせ

んげんかんじざいぼさつ)です。

虚空蔵院の向かって左の大きな菩薩さまです。

お姿は二十七のお顔に千本の手を持っており、

そのうち四十二本の手を強調します。

その手にはそれぞれ眼があらわされています。

我々になじみの深い千手観音のことを指します。

千の手、そして千の眼をもって衆生をを救済し

ます。

それぞれの手持ち物には意味がありますが、ま

た後ほど加筆したいと思います。

この尊は観音さまが持つすべての誓願を備えて

おり、仏、蓮華、金剛の三部の果徳を表す虚空

蔵院に佇んでいます。

蓮華部の主尊であり蓮華王ともいわれ、また京

都三十三間堂は千手観音を千体祀っており、

式には蓮華王院といわれています。

                                                                            合掌

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平成26年 香合の制作



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毎年香合を作らせていただいておりますが、今年はど

のようなデザインにしようかまだ迷っています。

先に材料の木を手元に置いて色々と考えていましたが、

頭の中では、これでいこうとイメージがついても次の

日には、また別のイメージを思い浮かべていたりして

気持ちがあっちこっちいきます。

 

去年の香合の制作は1月から作り始めましたが今年は

まだ手付かずの状態、焦るのもよくないので、手元

に木を置いて触れながら、イメージを固めていこう

と思います。

 

香合というのはお香を入れる蓋つきの容器です。

茶のお湯を沸かす炉にお香を入れますが、かすか

に香るように、じかに炭の火に触れずに少し離して

おきます。

 

そのお香を炉に入れる前は 、あらかじめ香合に入れ

ておきます。

香合の中には3個入れて、その内2個を炭の近くに落

として入れますので、お点前の種類にもよりますが、

一個だけ香合にいれておきます。

 

風炉と炉ではつかうお香の種類が違います。

11月~4月までの炉の時期には陶磁器の香合を用い

ます。

練香という黒くて弾力のあるお香ですが、それが漆

器などの器を傷めるため、漆器には用いません。

5月~10月までのお香は角板を薄くカットした、香

木を使います。

香合の素材も、唐木、竹製などの漆器の香合をこの

時期は用います。

 また年中使える貝の香合などもあります。

このような条件から私は5月~10月までの、間に使わ

れる香合しか作ることができませんが今回作る香合は

5月の茶会につかいます。

香合を作るうえで、誰も作らないようなものを作って

いきたいのですが、あまりにも奇抜すぎるのも良くな

いので、そのあたりは難しいところですが、その分や

りがいもあります。

どの時代で使われても、いつでも新鮮な気持ちで使え

る、そういう香合を作れるように毎年色々と考えてい

ますがなかなか道のりは遠いですね。

                                                                                       続く

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胎蔵界 174 虚空蔵菩薩尊像

虚空蔵菩薩尊像   (梵名:アーカーシャガルパ)

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この菩薩さまは虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

す。

 この虚空蔵院の中尊で中央に佇んでいます。

 

左手を胸に当て、上に 宝珠を置く蓮の花を

持ちます。

右手には剣を持ち、頭に五仏の冠をかぶり

ます。
インド名のアーカーシャ・ガルバ(虚空の

母胎)といわれるように広大な宇宙のよう

な 無限の智慧と慈悲を持った菩薩といわれ

ています。

その菩薩さまを本尊として虚空蔵求聞持法

が唱えられていますが、それは記憶力増進

を祈念する修法です。

100日間で根本ダラニを100万辺唱えると

すべての教法を暗記することができるとい

われています。

古くは弘法大師空海が、室戸岬の洞窟に籠

ってその虚空蔵求聞持法を修したと伝えら

れております。

また日蓮上人も12歳の時に仏道を志すにあ

たって虚空蔵菩薩に21日間祈願を行ったと

言われています。

日本人にとっては観音さまやお地蔵さまほ

ど有名ではありませんが、馴染みのある仏

様の一尊です。

右手に持つ剣は智慧を、左手に持つ蓮の上

の宝珠は福徳を宝冠には五仏が表現されて

おります。

古代インド語に、この仏さまを指して、色

とりどりの衣をまとうものという言葉があ

り、それを象徴するため宝冠に五仏表現さ

れているようです。

                                                                   合掌

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胎蔵界 172 折諸熱菩薩尊像

折諸熱菩薩尊像  (梵名:サルヴァダーハプラシャミタ)

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この菩薩さまは折諸熱悩菩薩(せつしょねつのうぼ

さつ)です。

除蓋障院の下から二番目に佇んでいます。

左手にお経を持ち、右手は与願印を示します。

貪・瞋・痴 (とん・じん・ち)という衆生の迷いを

すべて焼き尽くし、左手のお経は新たに知恵を授

けることを指しています。

貪は むさぼり

瞋は怒り

痴は無知のことを指して、無知識のことではなく、

仏法の教えを知らずに悶々としていることです。

                                                                               合掌

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胎蔵界 36 大吉祥変菩薩尊像

大吉祥変菩薩尊像 (梵名:ラクシュミーマハーヴィドヤー)

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この尊像は、大吉祥変菩薩と呼びます。

蓮華部院の向かって左の下から二番目に佇んで

ます。

左手は腕を立てて拳を伏せて開いた蓮の花を持ち

ます。

右手は掌を仰向けて親指を屈して左に向けます。

お顔は少し左上を向きます。

様々なお姿に変化をして多くの人々を救済する

ところから大吉祥変と呼びます。

梵名のラクシュミーマハーバイドウヤーであっ

たと思われていますが、伝統的に尊名がラクシ

ュマーマハーヴァイドヤーとされ、このラクシ

ュマとは善兆を意味し祥瑞大明とも称されてい

ます。

         合掌

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仏像の持物 愛染明王の矢 1

 

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仏像の持物

愛染明王の矢 1

最近、縁あって両頭愛染(りょうずあいぜん)尊像を調

べています。

両頭愛染とは愛染明王と不動明王像を合体させたお像

で両頭明王尊像とも呼ばれています。

愛染明王の六本の腕と不動明王の二本の腕、合わせて

8本の腕を持ち、その持ち物も、 愛染明王の五鈷杵、

鈷鈴、弓、矢、蓮と、不動明王の剣、羂索を持って

います。

両頭愛染尊像の詳しいことについては別に紹介したい

と思いますが、あまり注目されない 仏像の持ち物の中

でも矢について調べていました。

例えば、平安時代として紹介されている仏像があると

ます

しかし、台座、光背、持ち物まですべて残っている事は
奇跡に近く、多くの仏像は一部修理 されていたり、また、

胴体と顔以外はすべて後補であることも珍しくありません。

 

仏像の持ち物となったら、まず最初になくなってしまった

り、折れて紛失する可能性が非常に 高く、当初の形を保っ

ていることは非常にまれなことであります。

愛染明王と両頭愛染は同じく弓と矢を持っていますが、こ

の矢の形が同じ愛染明王の中でも形が様々で迷うところで

す。

矢の先の鏃の形が画像のような先の形か、ハートマークの

とんがったところを前にしたような形か、あるいは三鈷杵

の片方の形 になっていたりします。

また、矢に使われている、羽は三枚羽もしくは4枚羽、たま

に2枚羽です。

こういった迷った時には、古い仏画を見てみます。

白描といわれる墨線だけで表現した、愛染明王の画を見ます

と、ほとんどが、画像のような形をしています。

鏃のすぐ後ろには少し膨らんだところがありますが、これは

笛の役目をしていて、音を出します。

画像のような鏃の形は刃が内側に付いています。

これは、敵の船の帆の縄を切る役割を果たしております。 画

では表現できなかったと思いますが、三枚羽だと矢が回転して

より正確な軌道を通りますが、矢が回転してしまい、船の縄

を切ることは難しいので これを4枚羽にすることで、回転を

抑え縄を切りやすくなります。

また、鏃のすぐ後ろの膨らんだ笛は、敵の馬を驚かすための

ようです。

                                                                                                      続く

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胎蔵界34 不空羂索観音菩薩尊像

  不空羂索観音菩薩尊像  (梵名:アモーガパーシャ)

 

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この菩薩さまは不空羂索観音菩薩(ふくうけんじゃ

くかんのんぼさつ)です。

蓮華部院という枠の上から四番目の向かって左側

に佇んでいます。

頭にかぶさっている宝冠には化仏という小さな仏

さまが、表現されています。

お顔は三面あり、またそれぞれに額に目がありま

す。

そして腕は四本あります。

左手の第一手(胸前)には開いた蓮の華をもち、第二

手に羂索があります。

右手の第一手(胸前)には念誦をもち、第二手に澡 瓶

(そうびょう)という水がめを持ちます。

鹿の皮の衣を着て、赤い蓮華に坐ります。

羂索とは網と釣り糸ののことで、大きな慈悲の網で

苦悩にあえぐ衆生という鳥を捕らえ、また利益をも

たらす釣り糸で苦海にさまよう魚を釣り上げる働き

をします。

そのような働きが空しくないので、不空羂索の名前

があります。

ほかには羂も索も、ともに衆生を彼岸に導く縄であ

るとする説もあります。

この尊像にはほかにも、お顔が一面、十一面、そし

二本、六本、八本、十本、十八本などと異なった像

が多いようです。

ある経典によると、孝行な息子が母親の盲目を治す

ために、鹿皮を着て鹿も乳を求めていました。

そんな中、狩人が鹿の皮を着た孝行息子を誤って射

ってしまいました。

神々は彼を哀れみ、蘇生させて母の眼も癒しました。

この孝行息子がこの尊の前世であったようです。

そういった因縁によりこの尊は鹿皮を着ともいわれ

ています。

獣の中でも鹿は特に子を思う気持ちが強いようです。

合掌

 

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