三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 22 三尊像の完成
三尊像を製作し始めたのが4月30日になります。
あれから半年弱ほどの製作になりましたが、来月そうそうには旅立ちます。
それまでもう少し彫り足りないところなどをもう少し詰めていこうと思いますが、概ね完成しました。
三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 21 三尊像の組み立て
今回は蝶番の貼り付けをして扉の開け閉めをできるようにしていきます。
まずは仮組みをします。
前々回、漆とマコモをつかって蝶番の古色作業をしたのが固まった状態が上の画像です。
固まったとはいえ表面をこすると取れてしまうので丁寧に貼り付けます。
まずはテープで固定して所定の位置を確認して、接着剤でとめます。
備え付けの細い釘を使う前に細いドリルの刃先を手でゆっくりと回しながら穴をあけます。
備え付けの細い釘は長すぎるので長さを3分の1ほどの長さにしました。
次に扉の真ん中に取り付ける細い板を作ります。
向かって右側の扉の角に取り付けるのですが、まずは毛引きをつかって二箇所切り込みを入れます。
真ん中を残して平刀で削り落とします。
毘沙門天側の扉の角に取り付けます。
細い釘もゆっくりと差し込んで完成です。
三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 20 中尊の仕上げ
今回は中尊の仕上げと厨子の台と屋根を取り付けて行きます。
まずは千手観音像の頭の上に一体の化仏と十の面を刻みます。
しかし実際には真後ろに大笑面があるので、その面は見えません。
お面の表情は真ん中の一番上の面が如来形です。
その前に立っている像は化仏です。
化仏の正面の両隣に菩薩面。
それ以外の向って右側の面は忿怒相です。
その反対の向って左側は狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)です。
面の彫刻ですが今回は髪型を菩薩の頭と、如来の頭というおおまかな違いだけで差別化しました。
次に持物をしっかりと刻みました。
右手で持つのは錫杖。
左手で持っているのは三叉戟です。
光背の幅が大きいのでその真ん中を刻んで日本の線が放射状に広がっているのを表現してみました。
額の真ん中にある白毫もあまり目立たないように刻みました。
そして細かい彫り残しを小さく彫り刻んで仕上げていきます。
三尊並べてみました。
次に厨子の屋根を台を取り付けていきます。
あともう少しです。
三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 19 毘沙門天像の仕上げと宝塔の制作
今回は毘沙門天像の左手に宝塔を彫刻して持たせていきます。
その前に右手に持たせた三叉戟、光背の向って左側の火炎の彫刻をしてスッキリとさせます。
三叉戟は細くて折れやすいので壁に接して彫りだしています。
顔の表情も細かくなりすぎずに徐々に彫りだしています。
宝塔の木も前回の飯綱権現像の宝剣の作り方と同じで、細い木の先に彫りだして完成してから切り離します。
完成しました。
丸い穴を左手にあけているのでその穴に合わせて少し眺めに切り取っています。
宝塔を差し込んでみました。
それと全体的にささくれたったところや奥まったところを仕上げて完成とします。
また三尊並べた時に雰囲気を見ながらもう少し仕上げるところが出てくると思います。
三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 18 飯綱権現の仕上げと宝刀の彫刻
三尊像の仕上げをしているのですが、仕上げの段階になると荒彫りの時のような大きな違いがでてこないので、撮影の間隔も仕上げに近づくにつれ長くなってきます。
今回は飯綱権現像の宝剣を彫刻と仕上げにとりかかります。
現状の写真です。
宝剣は、上の写真のように、小さな彫刻なので長めの木の先に宝剣を彫刻して行きます。
宝剣の形が整ったら、この段階で初めて彫刻刀で切り込みを入れて宝剣を切り離すのですが、宝剣を持たす右手に丸い穴をあけて、差し込むので差し込む分の木を余分めに計算に入れて少し長めにしておきます。
右手に宝剣を持たせます。
この段階で違和感が出てくることがあれば微調整をして彫りながら大きさを決めます。
そして顔の表情の調整や木のささくれを削り取って、仕上げとします。
あとは三尊並べた時にもう一度仕上げ削りをしていきます。