金剛界 33 金剛塗香菩薩尊像

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金剛塗香菩薩尊像(梵名:Vajragandha ヴァジュラガンダー)

この菩薩さまは金剛塗香菩薩(こんごうずこうぼさつ)です。

天女のお姿をして左手に塗香器を持ち、右手は香を塗る勢いを

あらわしています。

不空成就如来が大日如来を供養するために出生したものである

ようです。

金剛頂経には「毘盧遮那如来の供養に応えるために、塗香による

供養の三昧に入り、一切の塗香の供養で荘厳し、法界に行きわ

たらせ、金剛塗香天女身として現じる」

塗香は、沈香や白檀などの香木を粉末にした身体に塗る香料です。

塗香は浄の意味もあるようで、塗香やよく垢を浄にし、熱悩を除

きます。

すなわち、この尊は、身・口・意の三業を清め、煩悩を払う働き

を象徴しています。

真言行者が、行をする前に塗香を身体に塗り、それによって自ら

が五分法身(戒・定・慧・解脱・解脱智見)と成ることを祈念する

ことはそのためです。              合掌

 

 

 

 

kongoukai 33-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛界 32 金剛燈菩薩尊像

 

kongoukai 32-2

 

 

 

 

 

 

 

金剛燈菩薩尊像 (梵名:Vajraloka ヴァジュラーローカー)

今回ご紹介します菩薩さまは金剛燈菩薩(こんごうとうぼさつ)です

天女の姿で両手に燈器を持ちます。

この菩薩は大日如来を供養するために出生したものです。

『金剛頂経』には「観自在王如来(阿弥陀如来)は毘盧遮那如来の供養に応えて、光明

の供養によって飾り、法界に行きわたらし、金剛光明天女として現じる」

とあります。

光明とは智慧の光で、智慧の燈明をもって無明の闇を照らし、光り輝く世界に荘厳する。

この働きをなすのが金剛燈菩薩です。

合掌

                               

 

kongoukai 32-1

 

 

 

金剛界 30 金剛焼香菩薩尊像

kongoukai 30-1

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛焼香菩薩尊像(梵名:Vajradhupa バジュラドゥーパー)

この菩薩さまは金剛焼香菩薩(こんごうしょうこうぼさつ)です。

天女のお姿で、両手には香炉を持ちます。

この尊像は阿閦如来が大日如来を供養するために出生した尊像

です。

ただし、理趣会のみで他の会とは異なり、金剛薩埵を囲んでいる

一尊像として表現されています。

持物である香炉は塗香ではなく焚香です。

「不動明王(阿閦如来)は毘盧遮那如来の供養に応えるために悦びの

三昧に入り、雲海のごとき焼香供養の厳装をなして、遍く一切の

金剛界に広げて金剛焼香天女身となす。」

とあります。

金剛焼香如来とは、智慧の喜びとその動きが一切に行きわたることを

示します。

香が自由自在にひろがるように、衆生に歓喜を与えることを象徴的に

表したものです。

合掌

 

 

 

 

kongoukai 30-2

金剛界 37 金剛鈴菩薩尊像

klongoukai 37-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛鈴菩薩(梵名:Vajravesa ヴァジュラ―ヴェーシャ)

この菩薩さまは金剛鈴菩薩(こんごうぼさつ)です。

両手に五鈷鈴を持ちます。

尊名のヴァジュラ―ヴェーシャは金剛遍入と訳します。

鈴の音が一切に行きわたる(遍入)ところからともいわれ

ておりますが、遍入とは入我我入、すなわち、本尊が

我の心中に入り、我が本尊の三昧に入ることを意味して

います。

鉤で引き寄せ、索で導入、鎖で留め、完全に曼荼羅に遍入

せしめるのであります。

三形の五鈷鈴は把手が五鈷杵である鈴で、鈴とは修法の

時にこれを振り、書損を呼び覚まし歓喜せしめることを

表します。

 

 

 

kongoukai 37-1

 

 

金剛界 20 金剛語菩薩尊像

kongoukai 20-1

 

 

 

 

 

 

 

金剛語菩薩尊像(梵名:Vajrabhasa ヴァジュラバーシャ)

この菩薩さまは金剛語菩薩(こんごうごぼさつ)です。

左手は金剛拳にして腰におきます。

右手は胸の前で如来舌(舌中に三鈷杵)を持ちます。

無量壽如来の西方(図では上)に佇んでいます。

前の金剛因菩薩が菩提道場から説法に立ち上がる仏陀の

境界を表すのに続き、この尊は説法の働きを表します。

衆生の戯論の迷妄を打ち破る仏陀の説法の言葉がこの

尊の体となっています。

仏陀の境界は、衆生の言葉にいい表すことのできない

微妙なものでありますが、その境地が衆生救済の目的を

もって語られています。

衆生は仏陀の救済の意図を充分にわかっていないので

意図が隠されたままに言葉が受け止められています。

 

この衆生の隠された意図を持つ如来の微妙な言葉を

秘密語といいます。

仏の深い境界を普通の言語の意味通りに安易に受け止め

られないように、あえて意味を隠した言葉を秘密語とい

います。

この秘密語の究極が真言であります。

この尊は、あらゆる如来の真言の境地を速疾に成就する

とされる。

この微妙な言葉の尊であるから、密号は妙語金剛とも

いわれております。

そして如来舌を持っているのは、この如来の秘密語を

象徴しています。

合掌

kongoukai 20-2

金剛界72 毘沙門天尊像

kongoukai 72-1

 

 

 

 

 

 

 

 

毘沙門天尊像(インドの古い言葉:Vaisravana ヴァイシュラヴァナ)

この尊像は毘沙門天(びしゃもんてん)です。

左手には塔、右手には宝棒を持ちます。

外金剛部二十天の一つで、西に位置し、四天王、八方天、十二天の一つで北方を守護する。

金剛頂経というお経には毘沙門天に該当する尊を倶尾羅天(くびらてん)とします。

この毘沙門天と胎蔵界曼荼羅の倶尾羅天の関係は、本尊が倶尾羅とする、あるいは眷属とするなど古来より混同されてきたが その理由はヒンドゥー教では同体異名のようであります。

倶尾羅はヴェーダ神話のクベーラを指し、クベーラは福徳を授ける神のようです。

印相については違いが多く、根本印は内縛し、二無名指を立てて先を合わせ、二頭指を屈して鉤のようにするようです。

真言のバイラバは恐怖を意味し、それはヒンドゥー教の最高神シヴァの別名で、後代に流行した尊であります。

この毘沙門天の灌頂名をサンスクリットは金剛怖畏(vajrabhairava)としている。

合掌

 

kongoukai 72-2

 

金剛界 53  月光菩薩尊像

 

kongoukai 53-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月光菩薩尊像(梵名:Candraprabhaチャンドラプラバ)

この菩薩さまは月光菩薩(がっこうぼさつ)です。

この尊像は闇を照らす煌々と輝く月の光のように無知

の暗闇を破る尊像です。

月そのものよりも月の光を尊各化したものです。

日光菩薩とともに薬師如来の脇侍となっています。

密号では清涼と呼ばれ、清涼は月光は無熱であるとこ

ろから、煩悩の炎を滅した清涼な境地を表しています。

合掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

kongoukai 53-1

 

 

 

 

金剛界 28 金剛歌菩薩尊像

kongoukai 28-1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛歌菩薩尊像(梵名:Vajragitaヴァジュラギーター)

 

この菩薩さまは金剛歌菩薩(こんごうかぼさつ)です。

天女の姿で箜篌(クゴ)を使って奏でています。

この尊像は、大日如来が無量寿如来を供養するため

に出生しました。

無量寿如来は説法の徳を司ることから、大日如来はこ

れを讃えて説法の妙なる響きを歌詠に託して表示した

ものであります。

箜篌を持ち曲を奏でる金剛歌菩薩をもって象徴します。

箜篌はインドや西域地方の楽器で、日本には百済から

伝わったとされ、和名ではク太良古止(くだらこと)

とも呼ばれています。

合掌

 

 

kongoukai 28-2

 

 

金剛界 19 金剛因菩薩尊像

kongoukai 19-1

 

 

 

 

 

 

 

 

金剛因菩薩尊像 (梵名:Vajrahetu ヴァジュラへ―トゥ)

この菩薩さまは、金剛因菩薩(こんごういんぼさつ)です。

左手は、金剛拳にして、腰におきます。

右手は法輪を胸前にかざします。

金剛因菩薩は、無量寿如来(阿弥陀如来)の北方(曼荼羅

では、向かって右)に佇んでおられます。

尊名は金剛なる菩薩の因を具えた菩薩という意味です。

仏陀の智慧である菩提は、釈尊の成道の場面に擬せられて、

菩提樹下のいわゆる菩提道場で獲得される。

菩提道場での三昧の境地が因となり、その境地で菩提を獲

得するや、即座に説法へと向かういます。

この菩提の獲得の過程が、この尊によってイメージされて

います。

右手で持っている法輪は元来、古代インドでは武器の一種

でありました。

仏陀の説法は魔を退治し、煩悩を調伏するの武器に喩えら

れました。

合掌

 

 

 

kongoukai 19-2

 

 

金剛界 44 滅悪趣菩薩尊像

kongoukai 44-1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滅悪趣菩薩尊像(梵名:Sarvapayajahaサルヴァ―パヤジャハ)

この菩薩さまは滅悪趣菩薩(めつあくしゅぼさつ)です。

左手は臍の前に手のひらを上にしておきます。

右手には蓮の華を持っていますが、蓮の上にはお経が乗せ

てあります。

三悪趣という地獄、餓鬼、畜生を滅ぼし衆生を救い取る誓

願をこの蓮の上のお経で表現されています。

合掌

 

kongoukai 44-2