金剛塗香菩薩尊像(梵名:Vajragandha ヴァジュラガンダー)
この菩薩さまは金剛塗香菩薩(こんごうずこうぼさつ)です。
天女のお姿をして左手に塗香器を持ち、右手は香を塗る勢いを
あらわしています。
不空成就如来が大日如来を供養するために出生したものである
ようです。
金剛頂経には「毘盧遮那如来の供養に応えるために、塗香による
供養の三昧に入り、一切の塗香の供養で荘厳し、法界に行きわ
たらせ、金剛塗香天女身として現じる」
塗香は、沈香や白檀などの香木を粉末にした身体に塗る香料です。
塗香は浄の意味もあるようで、塗香やよく垢を浄にし、熱悩を除
きます。
すなわち、この尊は、身・口・意の三業を清め、煩悩を払う働き
を象徴しています。
真言行者が、行をする前に塗香を身体に塗り、それによって自ら
が五分法身(戒・定・慧・解脱・解脱智見)と成ることを祈念する
ことはそのためです。 合掌