彫刻を始めていきます。
まずは顔を丸めていきますが、丸めるというよりも、上から見ると八角形の面をだします。
彫刻の行程にあわせて最初は四角、それから荒彫り八角、中彫り十六角、という感じで進めていきます。
しかし実際にはそんな単純な事ではありませんが、イメージとしてはそのように持っていると良いかと思います。
前と横から見た姿のだいたいの輪郭線を削り落とします。
上の画像の時のように四角い状態でこれから荒彫りをする面でも肘の膨らみと両手で宝珠を持っている腕のラインを意識しながら荒彫りをすると大胆に削れます。
全体の雰囲気も面でを残しながらけずります。
彫刻が進むにつれ、一つ一つの削り面の大きさが小さくなります。
いきなり仕上げ彫りのように、面をもっと細かくすると荒彫りの雰囲気が出てきませんので、仕上げ彫りになりそうになったら、まだ彫れていない部分を彫るようにします。
どうしても、彫りやすい箇所の彫刻が進んでしまいます。
その場合は少し時間がかかりますが、別の木で難しい箇所ばかりを徹底的に彫り込むと早く上達します。
面相を出していきます。
鼻の位置を少し下めに刻みます。
鼻の位置は下げる事は出来ませんが上げるのは簡単です。
目も鼻と同様余裕を持たせます。
面の刻み面は広く取っていますが、この削り面の中で微妙に目を移動しながら目の位置を決めていきます。
今はまだ決めずに、全体を彫りながら決めていきます。
しかしながら、全体と言っても大きくバランスの善し悪しを決めるのが肩の高さと顔の位置関係です。
肩は少し上がった状態、顔は少し下がった状態でこの位置関係を少しずつ離しながら、ちょうど良い位置関係を徐々に決めます。
肩が下がっていると、華奢なイメージを受けますが、肩が上がっていると、鎌倉時代のように力強いイメージがでてきます。
平安時代後期のような、優美で繊細なラインが好みの方は肩を少し下げて、なで肩にして繊細なイメージにします。
顔の後ろの削り面は、耳の出っ張りを頂点として、上から見ると八角に見えるようにしますが正八角ではありません。
最後に左右の足先を分けて次回に進みたいと思います。
目次
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 木取り 1
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 彫刻開始 全体を丸める 2
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 仕上げの一歩手前まで 3