わらじの制作 3

前回かかとを仕上げる直前まで仕上げてましたので、今回はかかとの部分の仕上げと、鼻緒作りの箇所を紹介いたします。

私は、ここのかかとの仕上げからが、わらじ作りで一番面白い箇所だと思います。
かかとまでは、まったく同じではありませんが似たような編み方の繰り返し作業でしたが、かかとの仕上げから鼻緒をつけると、とてもわらじの雰囲気が出てきて、わらじを編んでいる実感もわくと思います。

そして、ここからの形の調整が腕の見せ所にもなりますが、履物としての一番重要な、壊れない、ほどけないの耐久性はすでにかかとの仕上げまでの編む力加減で決まってきていて、後で修正は効きません。
緩んだ箇所がないか、編み方にばらつきがないか、もう一度チェックして、気になったらそこまで解いてやり直します。

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↑これで大丈夫そうだと決心したらかかとを仕上げます。
かかとの部分は、かなりの力が加わりますので、丈夫に仕上げます。
歩き方にもよりますが実際履いていて、一番先に擦り切れてだめになってくるのはかかとがほとんどです。

かかとの部分には、耐久性を持たせるため私は意識して、同じロールのわら束の中から少しでも径の太い箇所を選んで使っています。
今まで編んだ箇所をこの写真のように、ぐるぐるっと、幅の半分ほどまで、巻いていき、今まで足の親指にかけていたわらの下を通してつまさきで拳骨結びにしていた、ひげをほどき引っ張るのですが、とても力が要ります。
最初に蝋をぬったのは引っ張るのを少しでも補助するためです。

蝋を塗らずに引っ張ろうとしても編む力にもよりますが、アバカで編むと摩擦が強すぎまず引っ張れません。
また、引っ張るときに、ある程度ひげの部分に長さが残っていないと、非常に引っ張るのが難しいです。
女性の方や、お子様や、握力に自信のない方が引っ張るときは、木の短い棒や、吊り輪のようなものなどをひげの部分にまきつけたり縛ったりして引っ張ると、力が入りやすくなり引っ張りやすくなります。

またひげの部分は交差してあるので、左のかかとの部分を引っ張りたければ右側のひげ、右のかかとであれば左側のひげとなります

引っ張るときに重要なのは、絶対につま先とかかとの部分から目を離さず形が崩れないようにすることつま先の部分の形が崩れないよう足の親指でしっかり押さえ込むことです。

 

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バランスよく引っ張ると、わらじらしい形になります。
また引っ張ると思っているより小さくなりますので、この引っ張った後のサイズを考えて、少し大きめに編んだほうがいいです。
わらじ作りで難しいのは左足と右足のサイズや形を同じにすることですが、その原因はここにあります。

 

 

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裏返して、継ぎ足した部分の余りや、つま先の部分の余りを切り取ります。
このとき継ぎ足した部分の余りは2本そろえて切ったほうが、あとで履いたときにお互いにかみ合って、より強固なわらじになってくれます

 

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自分の足をのせて、鼻緒の位置を確認してみます。
履くひとのサイズとはもちろん違いますが、鼻緒の位置が大きく変わることはありませんので自分の足の隙間を基準に考えても大丈夫です。

 

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鼻緒の位置がきまったら、鼻緒を通す位置に、はさみを差込み鼻緒をさしこむ隙間をつくります

 

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左足用なら、左側のひげ、右足ようなら右側のひげを鼻緒にするため裏から通し、網目一つ分のところで表から裏に戻し輪を作ります

 

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作ったわっかの部分に指をとおして、輪の大きさを調整します。
足を乗っけてみて、履く人の足の甲の高さを想像したりしながら調整をします。
輪の大きさが決まったら、余ったもう片一方のひげを裏にそのままもっていき、げんこつ結びで二重に縛ります。
この部分もとても大きな力が加わる箇所なので、二度と解けないようきつく縛りあげます。

このとき片手は常に、鼻緒の輪に指を突っ込んでいなければいけないので、口をつかって強く縛り上げますが、
私の父いわく、歯が抜けることもあるようで、歯が弱い人にはあまりお勧めできないそうです。
私は、人生で一度も虫歯になったことがない丈夫な歯の持ち主ですので、歯で縛りますがそれでも確かに抜けそうな気がします(笑)
(実際私の父は何年もこれをした結果入れ歯になりました)

では、入れ歯になった父はどうしているかというと、ひざを使って上から押さえつけ、片手で片方ずつ縛り上げていますが、やはり歯でしたほうが、きつくしまるそうです。

 

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きつく縛れたら、鼻緒の輪が少し小さくなると思います。
その分上に引っ張り上げ輪を大きくします。

 

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あまったひげの部分をはみ出さない程度に切ります。

 

 

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ここから、仕上げ作業に入っていきますが、まず、はさみなどのとがったものの先端を使って、ゆがんだ箇所や、飛び出ているわらを中に押し込んで、わらじの足の形に調整していきます。
私のはさみは、最初から、角を落としてあったのでそのまま使っていますが、余り尖りすぎているものを使ってすると、ワラを痛めますので、先を砥石やグランダーにかけて少し丸めておくことをお勧めします。

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わらじの制作 2

前回からかなりお時間が空いてしまいました。

実は、あの記事を書いてから、嬉しいことに義父ではなく私にわらじの注文が5足ほどいただき、わらじ作りと仏像彫刻だけに専念しておりました。
注文のわらじを作る前に、久しぶりに義父を訪ね、注文を受けた報告をすると家の奥からアバカのわらを取り出して、「一足編んでみろ」と言われました。
義父のきびしいまなざしの中、わらじを編むのはとても緊張しましたが、編んだわらじをみて、一言「いいんじゃねぇか」との言葉を賜りました。

その言葉は職人の世界に少しでも身をおいたことのある人なら、どれほどの深い想いと意味がこめられた一言であるかは想像がつくと思います。

その後義父より「お前は自分の編んだものを最後まで責任もってやれ」と訓示をいただきました。

実は義父のわらじは、永久無料修理をしています「free repair forever ] 義父の口癖です。
どんなに痛んでいても、必ず直す。

義父のわらじは日本人の金銭感覚では、高い金額で売っているものではないけれど、フィリピン人にはとても高価な買い物になります
私は義父の家で12年履きこんでくれたわらじを見たことがあります。

アバカがまるで別の材料のようにやわらかくなじんでいて、履いてみましたが、持ち主の足以外決して受け付けないワラジになってました。

私のワラジがここまではきこんでもらえるものになるかは私の腕次第。
私のワラジは残念ながら今はお代金を受け取れるクオリティのものは作れないので、はいていただける方に、正直に感想をいってもらうことを条件に差し上げております。

そして、修理を続け改善を続けることで、美しく、手放したくないワラジを作れるようになります。

前置きが長くなりましたが、早速続きを始めさせていただきます。

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継ぎ足した藁を使って同じように編みこんでいきますが、継ぎ足した藁が抜けないように、しっかりと手前に引き込みながら、編んでいきます。

 

 

 

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↑この写真に写っているように、左手の指を使ってしっかりとつま先方向に力を加えます。
そしてこのくらい編めるとつま先の形が決まってくるので、右足用にするか左足用にするかを
決めますが、この段階ではあまり意識しすぎて、形を作らないようにします。

 

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↑写真でも伝わるかと思いますが、相当足を前に出し、手を手前に引き締め上げるので、
慣れていても足の指はかなり痛みます。もし初めてチャレンジされるのであれば日本の藁や、布などの
やわらかい素材で始めたほうがいいと思います。

 

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↑手前だけでなく、両端の藁を片一方ずつ引っ張って、左右のバランスを整えます。

 

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この段階で大事なことは出来るだけ、両端の藁がまっすぐに整い、骨組みとなる藁が見えないように
しっかりと編みこむことを意識します。ここをおろそかにしてしまうと、後でやり直しになります。
ただ、多少は後で調整できます。

 

 

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↑引っ張るときの手の形です。私は両手を使って全体重をかけて引っ張ります。

 

 

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↑一列編んではあらゆる方向からつま先の形を崩さないように良く見て
引っ張るを繰り返していきます

 

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↑私がワラジを編んでいると我が家のネコ達が必ず藁束の中で遊びだします。
アバカにはマタタビのような効果があるのかも知れません。
余談ですが、わらじを履いていると、野良猫がたくさん寄ってきます。
そのおかげかどうかわかりませんが気づけば我が家には三匹のネコが住み着きました

 

 

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↑この写真は悪い例です。引っ張るときに足の左右がそろってません。
足の間が痛いとどうしても、左右均等の力が出せなくなってしまいます。

 

 

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↑このあたりまで編めてくると徐々に足を開いて、わらじの幅を出す動きを小さくしていきます。

 

 

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↑先ほどのネコとは別のネコがやってきました。
藁で遊んでいたのですが、眠くなったようで、とても邪魔なところで
眠りだしましたが、起こすのも忍びないので、場所を少し移動します。

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あとはかかとの仕上げをすれば、わらじの基本部分が完成です。

 

 

 

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わらじの制作 1 

 

いつもブログ造佛記をご拝見いただき誠にありがとうございます。
造佛記の英訳を担当させていただいております征太郎(セイタロウ)と申します。

今回は、海外のものづくりのご紹介をさせていただく、第一弾として、わらじ作りをご紹介させていただきます。

海外なのになぜ、わらじと不思議に思う方もいらっしゃると思いますが、実はこの記事で紹介しているわらじは実際にフィリピン国で日系アメリカ人の私の義父の手作りのワラジで、フィリピン国で実際に販売しているものです。

私の義父はわらじ作りをはじめて30年のベテランですので、今回の記事にする提案をさせていただいたのですが、恥ずかしいのか、「セイタロウ、お前がやれ」とのことですので、誠に恐れながらまだわらじ作りを始めて一ヶ月目の未熟な私がご紹介させていただく運びとなりました。

所先輩の皆様方から見るととてもお粗末な内容になっているかも知れませんが、暖かく見守っていただけましたら幸いでございます。

それでは、早速始めさせていただきます。

 

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上記の画像は、わらじ作りに使う道具一式です。
左から順に紹介させていただきますと、左端のものがたたき台代わりに使う木の切り株です。
これは、実は昨年度、とても大規模な台風が私の住んでいるフィリピンの町を襲ったのですがそのときに
倒れてしまった木を使っております。

年輪を数えましたら数えれる範囲だけでも80年の風雪に耐えた、私より大先輩の木でしたので、捨てるのは忍びなく、何かに使えるのではと、もらってきたものです。
もちろんたたき台は木の切り株である必要はまったくありませんので、丈夫で床を傷めないものならなんでも代用できます。

その隣はハンマーですが、実はフィリピンでは日本のような頭だけで売っている玄翁を見かけたことがない上、柄のすげ方もぜんぜん違うので、柄を自分で取り替えることも出来ません。

さらにその柄もプラスティック製や金属にゴムを張ったものばかりで
柄が木だけで出来ているものを探すのに苦労しました。

私のこのハンマーは金工用ですが、写真では黒く写っている柄の下部が別の材料のように見えますが、黒く色を塗っているだけで、一本の木から削りだした樫の柄がついています

ハンマーの右上にある、小さな丸いビンに入っているものは、蜂蜜のビンにろうそくを溶かして固めたもので、ワラのすべりをよくするために使います。
これは、我が家で仏壇に供えるろうそくの台が無かったので、その場しのぎで代用しているうちに自然と燃えカスが固まってこのように出来上がりました。

ビンの下に写っているハサミのようなものは、本来は何に使う道具なのかわかりませんが、丈夫そうなのでハサミ代わりに使ってます。

日本だとよい鋼を使った裁ちばさみが簡単に入手できると思うのですが、この国では残念ながら見かけませんのでこうしたものを代用します。

この写真に撮影するのを忘れてしまいましたが、之とは別に日本の100円ショップのような店で買ったはさみも使います。
ただ、理由があって使い分けているのではなく、実はこの写真に写っているハサミのような道具は先が太すぎ、わらの微調整で
先を隙間に突っ込むのが使いにくいから使っているだけです。
最後に右端に移っているのが、肝心のワラで、アバカというマニラ麻です
実はこのアバカ、フィリピンの特産品として輸出され、さまざまな場所で見かけることがあります。

最大の特徴は、丈夫であることです。
日光や水分にとてもつ強く、ちょっとやそっとでは痛まない上、水によく浮き熱を加えると柔かくなり、水分を吸い込んだ後、乾燥するとぎゅっと固くなる性質を持っています。

こうした性質が、船舶の係留用のロープに最適なようで、昔の帆船の碇をしばる縄にも使われていたそうです。
そして、なんと丈夫な性質から今の日本の紙幣にも使われています。

わらじの材料としてこれ以上最適なものはないのではないかと思えるほど素晴らしい素材です。

アバカで編んだワラジを私は日常生活で、荒れ果てたフィリピンのアスファルトの上で毎日はいていますが、破れたり、千切れたりしたことが一度もありません。

一年に一度、鼻緒を交換すれば、数年は持ちます
ちなみに底に引いているシートのようなものもアバカ製です
とても座り心地がよく、しかも滑らないので、作業中はこの上で座って作業します。

 

 

 

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↑20年前はグラムあたりの値段がが鶏肉と同じ値段だったそうですが、今では需要が増えたため豚肉と同じ値段になっています。

また、太さも種類があり、この写真の束は4ミリのものです。
基本この4ミリのものを使いますが、私の義父は編む量がとても多いので、別途3ミリの束を用意して、
その3ミリのワラをつま先に使うことで、つま先に上品な雰囲気を持たせています。

私は、4ミリのこのロールのなかでも、太さが相当ばらつきがあるので、3ミリの細さの箇所をあらかじめ切り出しておいてそれをつま先に使ってます。

それでは編み始めていきます。

 

 

 

 

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↑まずこのように足の親指と人差し指の間にワラを通してはさみます。
職人さんによっては、専用のワラを引っ掛ける木の棒がついた型をつかってワラを固定する人も
いらっしゃいますが、私たち親子は手と、足だけで編むことにこだわっています。
理由は、自分の手と足を時間をかけて道具に仕立てておけば、微妙な手先や足の指の感覚で
力加減が出来るようになり、また、ワラを引っ張って締め上げるときに足の指をつかって、ワラをしっかり固定でき万力のような力を自在に出せるようになるからです。

 

 

 

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↑ここで、先ほどのロウが登場します。
あとで、鼻緒になる部分を引っ張るのですが、相当力をこめて編みこんでいるので、
これがないと、全力でひっぱってもびくともしなくなってしまいます。

 

 

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↑足ではさんだワラとは別に、自分の腕いっぱいぐらいの長さのワラを切り出します。
この長さが編む上での基準となります。

 

 

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↑写真ではわかりにくいですが、一度手前で交差させ、左手でしっかりと固定し上から先ほど腕でいっぱいの長さに切り出したワラを使って編み始めていきます。

ちなみに、わらじ作りで一番難しいのはここです。
この部分はつま先になるのですが、ここをいかに美しく雰囲気のあるものにできるかで、仕上がりの雰囲気が大きく変わります。端的に言えば細かく編み込めば上品になり、太く荒めに編めば、男らしい雰囲気になります。

ただ、注意しなければいけないのは、どの編み方をしても、しっかりとワラをひっぱり、隙間から側面の骨組みとなる部分のワラが見えないようにしないと、とてももろいつま先になります。
そして、つま先が不完全だと歩くさいにも転倒などの危険があるので、ここは、人の命を預かる部分として
なんどもなんどもやり直しながら注意して編みます。↓

 

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↑ここで、足を横に広げて編んでいますが、こうして足を開いたり、閉じたりしながらつま先の横幅を調整
して編みます。余談ですが、なれないうちはとても、足の指の間が痛く、すぐ足がしびれてしまいますので
初めて挑戦するときは、やわらかい素材を使うか、休み休み、無理のないように挑戦してみてください。

 

 

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だいたい最初に切り出したワラが、四往復ぐらいすると、残り短くなってきて、片手だけで押さえ込むのが難しくなってきます。
そこで、ここまでにつま先の形をしっかりと作り、調整してから、抜けないように、鼻緒の部分になる、ひげ二本をきつく縛っておきます。

 

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↑編み方のコツですが、編むときは力をいれず、ふわっと重ねるように編み、一列編むたびに、しっかりと
手前だけに力をこめて、手を手前に、足を奥に突き出すイメージで体全体をつかって引っ張ります。
イメージとしては柔道の腕ひしぎ逆十字固めをかけるときのようなイメージです。

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その後、左右均等になるよう、側面のワラをしっかり手前に引き寄せ調整します

 

 

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↑ワラが足りなくなったら、また腕いっぱいの広さにわらを切り出します。
編み終わりの箇所は、最後まで編まず一つ手前の下面にワラを出して終わるようにします。
継ぎ足すときに縛ることはしません。

 

 

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↑継ぎ足したら、同じように編み続けます。

続く。

わらじ造りとビノンド教会の動画をYouTubeにアップしました。

わらじ作り

ブログ造佛記の記事を英訳してくださっている征太郎さんの好意により、わらじをプレゼントしていただきました。

わらじを作っている所も同時に撮影していただき、ブログに使ってくださいとの好意に甘えて早速ブログと動画にしてみました。

本当にありがとうございます。

 

ビノンド教会

詳細はスカルプチャーに記載しています。

スカルプチャー ビノンド教会

 

 

仏像の横顔と耳の彫り方 2

まずは動画から

耳の輪郭線が出てきましたので耳の内側を彫り進めます。

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まずは耳の穴が彫りの深い部分で、基準にもなります。

耳の穴から彫刻を開始して、彫る場所を広げて行きます。

 

 

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耳のアウトラインが耳の穴へ入り込んでいくようなイメージです。

最初は薄らと彫り込んだ方が良いです。

常に修正を前提に、描いた線にこだわりすぎず薄らと彫り進めます。

 

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仕上げていきます。

 

 

 

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お地蔵さんの横顔の完成

 

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仏像の横顔と耳の彫り方 1

まずは動画から

今回は仏像の横顔、特に耳を中心に写真を使って彫刻の進め方をご紹介していいければと思います。

 

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いつも書いていますが、仏像の耳は前面から奥に耳の中心を走る線までの長さが一つになります。

一つというのは顔の幅の3分の2になります。

いつもは、細かい耳の穴周辺などの複雑な部分まで絵を描かず輪郭線だけなのですが、今回は細かく描いてみます。

 

 

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しばらく耳には彫刻を施していませんが、今顔が四角い状態だと耳を彫ってもレリーフのようになってしまいます。

顔が丸くなるにともない耳を少しずつ彫ります。

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ここで初めて耳たぶの後ろの首筋を薄らと彫っています。

 

 

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それからさらに顔の周辺が彫り進むとともに耳たぶを大きく残しながら彫りだします。

 

 

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耳たぶを大きく残すのも、顔の形状は最初から決まっているとはいえ、顔の表情を修正する事もあります。

顔の表情を修正すると耳の角度も若干変わります。

顔が下を向くと耳たぶは斜め上に傾きます。

修正を想定して、表情が徐々に見えてきたら同時に耳も彫り進めます。

 

 

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しばらくは顔の表情を彫り進めます。

 

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このぐらいからようやく耳の高さを決めます。

上の画像のように耳の上の輪郭線に切り込みを入れています。

 

 

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切り込みを入れると後頭部の彫刻が進みます。

 

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前から見て耳タブが内側に流れます。

あまりへこませすぎないように注意します。

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前から見ると耳たぶの幅を若干内側に寄せています。

 

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お地蔵さんの後頭部の彫刻

仏像の後頭部の彫刻の行程の写真はかなり少ないように思います。

そんな私もかなり仏像の制作行程の写真をアップしている方だと思いますが、それでも仏さんの後ろ姿は少なくなります。

今回、初めて後ろをメインにお地蔵さんの後ろ姿の彫刻を取り上げてみたいと思います。

後ろ姿を確認していると、こぶが二つついています。

今回はつけた彫刻をしてみますが、つけなくても良いです。

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ざっくりと彫刻を進めたところからスタートします。

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後頭部では耳との境目と首と二つのこぶのへこみの位置を決めて彫り込むと、少し後頭部としての雰囲気が出てきます。

そしてこの辺りから二つのこぶの段差をわずかに彫ります。

 

 

 

 

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大まかに、全体的に荒彫りが出来ましたので今度はこぶをしっかりとつけていきます。

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浅い丸刀を使ってサイドから徐々に内側に向けてこぶを削りだしています。

 

 

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大まかに彫ることができたら、ならしていきます。

 

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このあたりから、あまり分けすぎないようにして真ん中に刻みを入れて二つに分けます。

 

 

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徐々に細かい彫刻のタッチにしていき、彫り面を細かくしながら仕上げていきます。

 

 

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完成

彫刻前のお地蔵さんのお顔の作図

まずはYouTubeより

今回はお地蔵さんの作図をします。

彫刻でも作図でもお地蔵さんを選ぶ理由は、表情に集中できるからです。

そして髪がないのでシンプルでごまかしが効きません。

よく装飾が多く細部にまで徹底してこだわった方が良いように思われがちですが、たとえシンプルでも仏さんらしいフォルムをとらえて気品のある柔和な表情をとらえる事のほうが非常に難しいように思います。

これから描くお地蔵さんの仏頭ですが試しに描かれると、その経験が彫刻にも生かされると思います。

 

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まず上図の絵は何年も前から少しずつ描いては消してと繰り返して現在に至っています。

こういう修正と加筆が大変ためになります。

そして今から描くのは上の絵を参考に描いていたいと思います。

 

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まずは、スケッチブックに鉛筆にシャープペン(0.3㍉)を中心にそろえてみました。

 

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まずは真ん中に線を引きます。

 

 

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次に額口を決めてそこから上に半の長さが頭頂です。

一つが9センチにしました。

半が4.5センチになります。

幅は一つ半なので13.5センチになります。

額口から下に一つのところが口の部分です。

縦の総高が2つ半になります。

 

 

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まずはアウトラインの耳からうっすらと修正がきくように描きます。

次に頭頂のラインを描きます。

 

 

 

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そして目もうっすらと描きます。

目は少しのラインの変化で見た目が変わりますので消しゴムで簡単に消せる程度にします。

 

 

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目を描いてから口の位置を意識しながら鼻を描きます。

 

 

 

 

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鼻のすぐ下にラインが重なるように口を描きます。

微妙なところですが、鼻と口は離れすぎないように注意します。

鼻と目の位置関係は、鼻から目がとおざかるほど大人の顔になります。

鼻と目が近づくと童子のような表情に近づきます。

お地蔵様なので、その微妙なさじ加減で子供のような表情でも大人の凛々しい顔にしてもどちらでも良いと思います。

 

 

 

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薄らと目鼻口全体の線を決めずに描き込みます。

 

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鼻を消して少し少し上げます。

これは彫刻の癖で、最初に鼻の位置を下に描いていました。

 

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鼻を彫刻するように少し上にしました。

 

 

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目を描きます。

目が入る事で全体のバランスが見えてきます。

 

 

 

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定朝さんのお地蔵さんを確認していました。

私は定朝さんのお地蔵さんが一番、現存するお地蔵さんのなかで優雅だと思います。

 

 

 

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次に快慶作の地蔵菩薩像をかくにんしました。

快慶さんの仏像は大変繊細です。

 

 

 

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仏画も大変貴重な資料です。

 

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線はすべて同じ太さで同じ濃さにすると面白みがないので目頭と眉毛と輪郭線は特に濃く描きます。

 

 

 

 

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細かな修正をしていきます。

 

 

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最後に消しゴムで余分な線を消して描き残しがないかチェックして薄いところなどを見つけたらさらに描きこみます。

 

 

 

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完成