ここ最近は昔の彫りかけの仏像の修正をしています。
とにかく顔ばかりひたすら修正の繰り返しですが、まえからお伝えしている通り修正しながら彫刻をするのは、とても勉強になります。
角材の状態から作ると粗彫りまで彫刻で力を使ってしまうので、肝心の顔の微妙な雰囲気作りの時には自分の彫刻しようとする力が疲れて弱くなっています。
今回3体の頭を見つけましたので、まずはお地蔵さんの頭を修正してみます。
この二体の頭は前回彫刻した大黒天同様に彫刻の順序をいくつか作る為に制作していたものの途中で止まっていたのを、自分の顔の修錬に使わせてもらいます。
まずは正中線を引きます。
次に顔の幅を測ります。
顔の幅の3分の2が一つとします。
額口(髪の生え際)を決めてそこから一つ下に線を引きます。
修正に使う彫刻刀は2本だけではないのですが、主に平刀の幅が細いのを用意します。
幅の細い平刀をまずは目をくっきりと目を出します。
次に目の膨らみを表すために眉を少し下に移動しながら刻みます。
ほほの丸みは難しいのですが、上の画像でいえば、少し上の所は彫らずにあご下とほほを繋げています。
ほほの丸みとあご下までが同じふっくらとした丸みで、あごが少し出ているという雰囲気にします。
顔の中に風船を入れて膨らませたような感じです。
上記の事を意識しながら繰り返し繰り返し彫り進めます。
わずかな差ですが顎下の境界線が若干上に上げる方が丸みがさらに増すように思えますので、もう少し上に上げてみます。
鼻の幅もそろえていきます。
そして三道という首の3つのしわが少し不自然なので消える程度に薄く彫ります。
目を切りますが、いつものように下線を描かずに細い平刀でうっすらと目を刻み少しずつ広げながら微調整をします。
今回はとりあえずここまでで終わっておきます。
続きを彫るか彫らないかは、まだ未定です。
合掌