私は無鄰菴の前の仁王門通りを20年近く平日はほぼ毎日通っているにもかかわらず、一度も入ったことがありませんでした。
今回、ここでお茶会をする計画もあり、その下見として、撮影も兼ねて行ってきました。
無鄰菴の向かいには、朝粥が有名な瓢亭さんがあります。
無鄰菴は日本に3軒あります。
京都、南禅寺近くの無鄰菴は第三の無鄰菴と言われ山縣有朋の別邸でした。
現在は1941年に寄贈されて京都市が管理しています。
その庭園は1951年(昭和26年)6月9日、国の名勝に指定されました。
数寄屋造りの母屋、藪内流燕庵写しの茶室、煉瓦造り二階建て洋館、および広い日本庭園からなります。
山縣有朋は明治25年ごろから準備を始め、1894年(明治27年)に造営に着手、明治29年完成いたしました。
洋館の設計は新家孝正で明治31年に竣工。
山縣が別邸無鄰菴をこの地に築いた背景には、東山山麓の南禅寺下河原一帯を別荘地として位置づけて発展させようとしていた当時の政財界の動きがあったようです。
無鄰菴は、その別荘・別邸群の先駆けともいえる存在となったようで無鄰菴に続くようにできた付近の別荘の作庭も、七代目植治がその多くを引き受けることとなりました。
広い庭園は山縣が七代目植治(小川治兵衛)に作らせたものです。
東山を借景とし明るい芝生に琵琶湖疏水を引き込み浅い流れを配した池泉廻遊式庭園で、近代的日本庭園の先駆けとも言えるお庭です。
藪内流燕庵写しの茶室
藪内流燕庵写しの茶室