今回彫刻の化仏は、辰年の普賢菩薩をイメージして制作しています。
普賢菩薩の梵字であるアーンを下書きします。
下書きがきっちりと決まれば、丁寧にたてこみを入れて、文字を彫りおこします。
文字の周りを奇麗に彫りだして整えます。
顔の幅は少し広めに残しておきます。
耳を彫りだすと顔の幅が狭くなります。
その事を踏まえて残します。
光背も見た目で左右がそろうように整えます。
まだ化仏の彫刻を残しておいて、次にカバーの木を丸く削ります。
まだ完璧に仕上げずにこのぐらいで残しておいて、化仏の彫刻に進みます。
この辺りから顔を彫りだしています。
螺髪や耳を出すと顔がやや小さく見えます。
面相まで彫りだすと、全体像が見えてきて彫るべき箇所が明確に見えてきます。
光背の後ろに穴を穴をあけています。
最終的にこの穴に組紐を通して固定します。
カバーの木も徐々に仕上げます。
衣のラインを鉛筆で引いて、雰囲気を見ます。
鉛筆の線が決まれば彫刻刀で彫りだします。
今回から化仏の荒彫りに取りかかります。
光背の高さを考えて化仏の大きさを決めます。
ラフに一度描きながらまずは全体的に見て、そして修正しながら細かく微調整して描きます。
頭頂部の所に切り込みをいれて光背と化仏の段差をつけます。
まずは顔の顎をやや少ししたの位置から切り込みを入れて後で顎を微調整しながら上に上げます。
両肩と胸の雰囲気を考えて荒彫りします。
横から見ると顔の鼻先は奥になります。
やや顔を下に傾けると雰囲気が出てきます。
両手で握り込んだ膨らみを意識しながらひじの位置を決めて荒彫りします。
そして足先はまだまだ出てきていないので、足先を彫りだします。
足先も横から見るとやや奥になります。
この辺りから衣の線を引くと、全体像が見えてきます。
鉛筆の線を確認しながら衣の線を彫刻します。
まずは動画から
今回の彫刻は鞄にとりつけられるようストラップの形をした化仏の入ったお守りを彫刻します。
まず材料ですが、黄楊(つげ)を使います。
黄楊は小さい細工物に向いている材料で今回の彫刻もサイズが小さく細かな彫刻がしやすいです。
今回はまとめて四体あらかじめ木取っておきます。
一つのストラップを作るのに必要なのは上の画像の二本の木です。
少し細めの木は丸くします。
その丸の大きさに合わせて少し大きめの材料に穴をあけます。
穴をあけるところの中央を決めておきます。
あらかじめ小さな穴を錐であけてあるのですが、その小さな穴にドリルの刃先を合わせて穴をあけます。
斜めに切れていますが、意味はありません、もともとの材料の長さがギリギリだったので揃えずに彫刻をするつもりでした。
組紐を通す穴も小さくあけておきます。
いよいよ穴に差し込むように丸く削っていきます。
徐々に入れていきます。
今回の彫刻は全体的に奇麗に整えて光背を彫刻します。
上の画像では、細かな木の粉が溜まっていますがそれらを除去し表面を滑らかにします。
上の画像では光背の外側の菊座の切り込みを入れています。
下の画像では切り込みを入れた間に小さな丸刀でへこみを作ります。
次に光背の内側に放射状の段々を作りますがその下書きをしました。
次に下書きをしたところに細い平刀や印刀を使い階段状の段々を彫りだしています。
次に面面の蓋に普賢菩薩の梵字であるキリークを描きます。
キリークを軽く刻んだ状態です。
前へ 次へ