三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天 7 飯綱権現立像の彫刻

iiduna-1

飯綱権現像は初めて彫刻をします。

それで飯綱権現の全体像は様々な御像を参考にさせていただいたのですが、顔の表情は三十三間堂の中の28部衆の中の伽楼羅像を参考にしようと考えています。

お顔の表情は大変凛々しくくちばしの表現なども大変参考になります。

彫刻をしながら迦楼羅の雰囲気を意識して細かく攻めていきたいと思います。

 

iiduna-2

まずは顔の周辺からそして肩周りそして足元を荒彫りして行きます。

足下の動物は白狐です。

飯縄権現が乗っているこの白狐、もともとは狐ではなかったようです。

「野干(やかん)」または「射干(しゃかん)」と音表記された動物で、アラブ語やペルシャ語で「シャガール」「シガル」「シャガーラ」、フランス語やロシア語では「シャカル」、つまりイヌ科食肉目の「ジャッカル」のようです。

非常に頭が良く、 日本や中国にはいないようです。

狼やコヨーテに似ていて狐より小さく、木登りが得意といわれています。

この動物が中国では狐に当てはめられ、それがそのまま日本に伝わり「野干」=「狐の異名(または狐に似た動物)」と考えられるようになりました。

 

 

iiduna-3

足下のよりも白狐の奥行きを意識して、思い切って足を奥になるように彫刻をします。

あまり奥まで行き過ぎると奥行きが足りなくなるのですが、白狐の顔の奥行きも必要なので加減を考えながら彫刻をします。

 

 

 

iiduna-4

 

iiduna-5

彫刻が進むにつれて下絵が消えていきますが、この段階では全体の姿と奥行きの関係を考えて全体的に彫り進めます。

 

 

iiduna-6 iiduna-7

本来ならば顔をこの段階では奥にするために鼻先に当たる面を削るのですが、くちばしの飛び出し具合がまだわからないので、しばらくは残し気味で彫り進めて行きます。

 

 

 

iiduna-8 iiduna-9

 

この段階でもくちばしの先は残しているのですが、おそらくもう少し奥にしても大丈夫だと思います。

前へ                                     次へ

三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天 6  千手観音の彫刻

juuitimenn-sanson-1

十一面観音像から解説して行きたいと思います。

 

 

 

juuitimenn-sanson-2

まずは印刀を使って顔の周辺から彫刻を開始しました。

 

 

 

juuitimenn-sanson-3 juuitimenn-sanson-4

そして肩を丸めていくと、後ろの手が消えて行きます。

後ろの手を彫るまでは、彫刻をしながら下図線を消して、まずは十一面観音の状態で彫りすすめます。

 

 

 

 

juuitimenn-sanson-5 juuitimenn-sanson-6 juuitimenn-sanson-7 juuitimenn-sanson-8

顔の横幅は下絵よりも幅をまずは大きめにしています。

徐々に幅を狭めるのですが、最初から所定の幅にするとかなり小さくなる可能性があるので、大きめで取っています。

下図は雰囲気を見るための絵で、彫刻をしたらすぐに消えます。

ですので、雰囲気を見るための画像です。

彫刻をしながら徐々に細かいところを彫刻し、そして立体感を意識しながら進めます。

 

 

 

 

juuitimenn-sanson-9 juuitimenn-sanson-10 juuitimenn-sanson-11

 

前へ                      次へ

 

三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天 5 彫刻の開始

sansonkeisiki-1

 

今回から彫刻を始めます。

まずは、彫刻をする面を間違えないようにこの段階できっちりと確認して彫らないところと彫るところがわかるように鉛筆で線を描いておきます。

 

 

sansonkeisiki-2 sansonkeisiki-3 sansonkeisiki-4

まず荒彫りをする前に、ランダムに描いた三尊像の絵をプリントアウトして貼付けます。

 

 

sansonkeisiki-5 sansonkeisiki-6 sansonkeisiki-7

まずは一番シンプルな飯綱権現から始めました。

 

 

sansonkeisiki-8

次に毘沙門天を荒彫りを開始しました。

 

 

 

sansonkeisiki-9

次に千手観音坐像を荒彫りしました。

三尊を同じタッチで彫刻をして全体像を見ながら彫り進めます。

 

 

 

sansonkeisiki-10

千手観音の沢山の手は今はまだ手を付けません。

基本的な千手観音の本体の姿をまずはきっちりと決めます。

 

 

sansonkeisiki-11

 

前へ                    次へ

カスタムナイフを研ぐ 3 ー研ぎの仕上げと試し彫りー

naifusiage-1

今回は木に皮を巻き付けて青棒(研磨剤)を皮に擦りその上からナイフを研いでみました

 

 

 

naifusiage-2 naifusiage-3

ナイフは手前から向こう側へ軽く刃先をなぞる感覚です。

 

 

 

 

naifusiage-4

それを何度も繰り返して、刃先を確認しながら研いでいたのですが、たまに木で試し彫りをすると、手応えがばっちりと掴めました。

それで、もう一本のナイフも一緒に研いでおきました。

 

 

 

naifusiage-5

naifusiage-6

 

 

naifusiage-7

今回使用したナイフは、向って左は、今井誠造さん、そして右側はMOKIナイフです。

 

 

naifusiage-8

今回、花菱と仏頭と握り手をそれぞれ今井誠造さんのナイフを使って最初から彫刻をしてみました。

 

 

naifusiage-9 naifusiage-10

 

かなり感触が掴めたので次回からもう少し本格的に出来ないかどうか、モチーフを考えて動画にもアップできたらと思います。

前へ               最初へ

カスタムナイフを研ぐ 2  ー 台を改良する ー

naifudai-1

 

少しずつですが、ナイフを研ぐという事が実感として徐々につかめてきたような気がします。

実は固定する台をもう少しナイフを寝かせられるようにして傾けました。

この事で無理がなく研ぎやすくなりました。

 

naifudai-2

naifudai-3

 

そして研ぐ角度をもう少し鋭利にしたいので上の画像の鉛筆の先を削りました。

この事でナイフの角度を営利に研ぎやすくなりました。

 

naifudai-4

 

砥石は日本のキングの800番の砥石が私には一番研ぎやすいように感じます。

naifudai-5

 

上下の画像で使われている砥石は天然の仕上げ砥石ですが、その前に青砥の砥石で研いでいます。

naifudai-6

naifudai-7

 

角度を鋭利にした事と、研ぎやすくなった事で木が思っているように研げるようになってきました。

実はナイフで花菱を彫ってみようと考えています。

今回の研ぎで削れるかもしれないと実感しました。

前へ                   次へ

金継ぎ ー仕上げー

 

 

kintugihukusuu-1

 

 

kintugi27-1

江戸時代の古い蕎麦猪口ですが、所々にほつれがありました。

ほつれの箇所を金で仕上げてみました。

 

 

kintugi27-2

御抹茶椀です。

上下の画像は別の抹茶椀ですが大きなほつれが一つだけありました。

このぐらいのほつれだとワンポイントとして雰囲気がでてきますね。

 

 

kintugi27-3 kintugi27-4 kintugi27-5

備前焼の花器です。

長いひびと口にも大きな破損があったのですが、木屎漆で埋めて仕上げました

 

 

 

kintugi27-6 kintugi27-7

色絵の珍しい六画の中皿です。

いくつかほつれがあったのですが、どれも小さいので金もさりげなく仕上がりました。

 

 

kintugi27-8 kintugi27-9

こちらのお皿は元々焼き継ぎがされていたので、その上から黒の漆を何度も塗り重ねて金で仕上げました。

 

 

 

kintugi27-10 kintugi27-11

 

古い江戸時代の器です。

こちらは麦漆で接着をして黒漆で何度も塗り重ねて仕上げました。

 

 

 

 

kintugi27-12

 

金継の行程はこちらにも別の抹茶椀でご紹介しています。


抹茶椀の金継

 

 

ペナントナイフ

penanto-1

この前、刃物屋の源久さんでナイフの事を色々とお尋ねしていたのですが、その時にペナントナイフをご紹介していただきました。

このナイフはとても薄く持ち運びにはかなり便利です。

店主さんは昔から愛用していてちょっとした封を切ったり、鉛筆を削ったりと、日常生活には欠かせない道具のようです。

値段もかなりお手頃です。

現在60歳以上の方はとても懐かしいナイフだと思われるようで、私はこのナイフ始めて見ました。

お店には何度も通っているので目には触れていたのかもしれませんが、その時まではカスタムナイフをちゃんと見ていなかったので、店主さんもあまり進めなかったのだと思います。

しかしとても使いやすそうなのは見た感じでも伝わってきます。

 

 

 

 

 

penanto-2 penanto-3 penanto-4

鞘の中は刃先の方が程細くなってます。

 

 

penanto-5 penanto-6

 

きっちりとナイフを差し込んだらしっかりと鞘が固定されています。

今では販売しているところも限られているようでなかなかお目にかかる事も少ないようですが、日常生活で使用するのにはかなり重宝しそうです。

黒い漆器の修復 

まずは動画から

今回は黒い漆器の補修です。

下の画像では木の地肌が所々見えています。

 

kurourusi-1 kurourusi-2 kurourusi-3 kurourusi-4 kurourusi-5 kurourusi-6 kurourusi-7 kurourusi-8 kurourusi-9 kurourusi-10

これらの下地の木が見えているところにまずは漆を染み込ませます。

 

kurourusi-12 kurourusi-13

 

 

 

kurourusi-14 kurourusi-15

 

染み込んだ漆が固まると今度は上から呂色漆という黒顔料が入った漆を薄く何度も塗り重ねます。

kurourusi-16

下地が見えている傷が大きいところは木屎漆という細かい木の粉と漆を混ぜ合わせた物で厚みをつけます。

 

 

kurourusi-17 kurourusi-18

数日経過して固まったら幅の狭い平刀で周りを傷つけないように丁寧に整えます。

 

 

kurourusi-19 kurourusi-20 kurourusi-21

整えた上から呂色漆を塗ります。

 

 

kurourusi-22

kurourusi-23

呂色漆が固まりサンドペーパーかもしくは砥石で面を整えます。

そして呂色漆をその上からもう一度塗ります。

固まったらもう一度サンドペーパーで整えてまた呂色漆を塗ります。

 

 

 

kurourusi-24 kurourusi-25

何度も塗っては整えを繰り返して上のようにフラットになるまで続けます。

 

 

kurourusi-26

補正したところに漆で薄く伸ばして拭き取って仕上げます。

それを3回ぐらい繰り返して完成とします。

 

 

 

kurourusi-27

完成

カスタムナイフの鞘作り 2

デザインは黒の油性マジックで描いています。

まだ迷っていますが、とりあえずこういう感じで進めます。
naifunosaya-14 naifunosaya-15

一方の木に小さな穴をあけていたのでその穴に電動ドリルで少し大きな穴をあけます。

この辺りから鞘作りが楽しくなってきます。

最初のナイフを鞘に入れるための溝を削るのはどちらかというと作業という感覚ですが、この段階までくると微調整の繰り返しですが、大変楽しくなります。

形が思うように削れて出てくるとモチベーションも上がります。

逆にちょっとした削り過ぎで失敗をする可能性も秘めていますが、今回はちょっと遊んでみました。

刃の部分さえ隠れていたら安全なので思い切って鞘の内側まで削り込みました。

削り込む前は自分が思い描いたように出来るのか不安もありましたが、遊びだから思い切って彫り込みました。

こういう事が自分の遊び感覚を楽しませてくれます。

あとはフォルムの美しさを気にしながら彫り進めます。

 

 

naifunosaya-16

削ってはデザインの修正をして、削ってはデザインの修正をします。

 

 

 

naifunosaya-17 naifunosaya-18 naifunosaya-19 naifunosaya-20

途中でオカメインコを想像しながら彫り進めましたが、いかがでしょうか。

 

 

naifunosaya-21 naifunosaya-22 naifunosaya-23 naifunosaya-24 naifunosaya-25

ワンポイントに丸刀で丸い溝を作っていますが、このやり方は不動明王などの光背の表現でよくつかいます。

 

 

 

naifunosaya-26

サンドペーパーで全体の表面を整えます。

 

 

naifunosaya-27 naifunosaya-28

 

全体が整えたら椿オイルを塗って仕上げます。

 

 

naifunosaya-29

 

naifunosaya-30 naifunosaya-31 naifunosaya-32 naifunosaya-33

前へ

 

カスタムナイフの鞘作り 1

まずは動画から

今回はナイフのカリンの木を使って鞘をつくってみました。

もともと皮の入れ物がついていたのですが、全体的に大きくなるのでコンパクトにしてみたいというのがありましたが、私自身がアレンジするのが好きで作りたかったのもあります。
naifunosaya-1 naifunosaya-2

まずはどういう鞘を作るのかイメージが固まっていないのですが、木を当てながら考えてみたいと思います。

適当な大きさのカリンの木を用意したらナイフに当てて、ナイフが差し込める溝を彫ります。

最初から真っ二つに分かれているのでお互いの内側に溝を入れます。

 

 

naifunosaya-3

当たるところを鉛筆でまずは描きます。

最初に黒い柄が盛り上がっているのでその箇所を彫り込みます。

 

 

naifunosaya-4 naifunosaya-5 naifunosaya-6

両方の木に彫り込めたら刃先の溝を彫ります。

 

 

 

naifunosaya-7 naifunosaya-8

ナイフを差し込んで状態を確認します。

ここまできっちりと丁寧に溝を彫りだします。

 

 

naifunosaya-9

穴の箇所は最初から決めていたので穴の場所を接着する前に一方の木だけあけます。

 

 

naifunosaya-10

しっかりと接着をします。

 

 

naifunosaya-11

固まったら最初はデザインの事を考えずに鞘の厚みを削りだします。

 

 

naifunosaya-12 naifunosaya-13

 

まだまだ厚めに残っていますが次に大雑把にデザインを考えていきます。

次へ