昨日、鳩居堂で手に入れた金泥を試してみました。
金の色がとても上品で筆に水で薄めた膠を含ませて金を溶かしながら彩色しています。
一番細い筆で描きます。
本来ならば金粉を膠を含んだ水と一緒に時間をかけて指で練り合わせます。
この練り合わせるのにとても時間がかかります。
時間をかける事で金色が筆で描きやすくなり描いた後がなめらかになります。
最後にもういちど削り屑を確認して彫刻刀で整えたら完成です。
合掌
昨日、鳩居堂で手に入れた金泥を試してみました。
金の色がとても上品で筆に水で薄めた膠を含ませて金を溶かしながら彩色しています。
一番細い筆で描きます。
本来ならば金粉を膠を含んだ水と一緒に時間をかけて指で練り合わせます。
この練り合わせるのにとても時間がかかります。
時間をかける事で金色が筆で描きやすくなり描いた後がなめらかになります。
最後にもういちど削り屑を確認して彫刻刀で整えたら完成です。
合掌
上の画像は割り箸です。
割り箸を使って仏像の口元の練習方法をご紹介いたします。
まずは、仏像の顔で一番難しいところは目であることは言うまでもないのですが、顔の表情を構成する目鼻口の中で、口の表情の役割は非常に大きく、どんなに素晴らしい仏さんの目が彫れても、口元で台無しになります。
口元は私もかなり苦労しました。
彫刻の上達は、最も難しいところを集中して彫り、回数を重ねる事です。
一体の仏像を光背台座すべて練習するよりも、仏像を各部位に分解し難しい順番に頭、手、足、衣と分解して難しいところを集中したほうが圧倒的に習得が早くなります。
そして一番難しい顔を沢山彫る事が上達の近道ですが、さらに顔の表情を決定づける目、鼻、口、耳(耳はこの場合後にまわします。)と分解します。
この中で一番難しいと思われる箇所をそれぞれに練習します。
目が上手く彫れるようになったら鼻、口に続きます。
それで目鼻口だけを一緒にして小さな枠の中で練習します。
次に頭全体を練習します。
すると、最初は上手くまとめる事は出来ないと思いますが、目鼻口を練習しているので、あとは関係性のバランス取るだけです。
頭全体を沢山彫るよりも、各部位に分けて練習する方が早い段階で顔の表情の作り方を自分のものにする事が出来ます。
仏像本体、光背、台座一式揃えて練習すると、技術の習得時間に時間がかかります。
台座や光背は実は彫り慣れると、結構見栄えよく上手く彫る事が出来ます。
そのために難しい顔の表情を避けてしまい、難しいところを彫る回数が極端に少なくなります。
私が顔を徹底的に練習するのが良いという大きな理由は、顔が彫れでば、仏像全体を彫るのは楽に彫れるようになります。
台座光背も楽に彫る事が出来るようになります。
そして仏像以外でも、動物、植物、乗り物の彫刻だって彫ることはできます。
今、顔の彫刻で、彫り方が難しく苦労なさっていたら、顔さえ彫れでば何でも彫れるという心の余裕を持って、チャレンジしてみてください。
これから彫る彫刻は割り箸を使って口を練習します。
一本の割り箸の中にたくさん口を練習して、的確な彫刻が彫れるように色々と試してみてはいかがでしょうか。
まずは、鼻の下をV字に彫ります。
少し見えにくいですが、しばらく下がると手写っていない画像でご紹介しています。
彫っていた荒彫りの口の雰囲気です
次は私の手が写っていない画像を見てみます。
(1)
上の画像は鼻と薄ら口を作っています。
口元は正面は彫っていません、下唇の端が一番深く彫っているだけです。
口の正面を少し彫りだしますが彫りすぎないようにします。
下唇を出します。
完成です。
この上に(1)の画像がありますが、(1)からこの上の画像まで4枚の画像の彫刻を、徹底的に沢山彫ってみてください。
口の彫り方はかなり上達します。
上の画像はまた別に作りました。
上の画像は口元の練習を2つ連続で練習しています。
以上
自身のブログを読み返していると、チャレンジ3の仏頭の仕上がった写真がなかったことに気がつきました。
私はブログを書きっぱなしで、後で読み返したりした方が良いと思っているのですが、なかなか書く事で手一杯の状態です。
しかし、お顔の仕上がった彫刻をこのままのブログの更新頻度でいけば、来月末頃になり、ちょっとそれでは遅すぎると思いまずは途中段階を飛ばして仕上げた状態を掲載したいと思います。
仏像のお顔は横から見ると額から鼻口顎首の輪郭線だけをとってみても仏像らしく見えたり見えなかったりします。
私は平安時代の仏像の横顔がとても美しいと思っていて、その輪郭線だけ取り出してもとても美しいという事に気がつきました。
もし仏頭を上手に彫りたいという方がいらっしゃいましたら、それぞれ大好きな仏像の横顔の輪郭線を型紙で取って、型紙を当てがいながら、横顔の輪郭線を彫りだすと、それだけでかなり勉強になります。
耳の彫刻は最初に耳の穴を決めると次の彫刻に進みやすいです。
完成
私の友人から頼まれた香合佛が完成しました。
指二本分ぐらいの仏様とお子さん二人が一緒になっている仏様のご依頼です。
実は彼とは小学校5年生以来なんと26年ぶりにFacebookで再会しました。
依頼された友人も私が仏像を彫っているとは夢にも思っていなかったようでした。
その友人とは同じ京都で、しかも歩いて15分程のところに住んでいます。
この数年の間もしかしたらどこかですれ違っていた事もあったかもしれません。
私は争い事が好きではないのですが、そんな私とは真逆で、どうも腕っぷしの強い男となぜか意気投合することがよくあり彼もそういうタイプでした。
そんな真逆の二人ですので共通点を探すのが難しいところですが一つあげるとしたらお互い孤独がだったのかもしれません。
その後、お互い別々の土地へ引っ越しをしました。
そして25年間の空白があったにもかかわらず、再会したときは昨日まで一緒に遊んでいたかのように、徹夜をして当時の思い出話をしゃべり込んでいました。
私は覚えていなかったのですが、彼は私に謝らなければいけない事をしたといってそれを長年後悔していたようです。
当の私は全く覚えていないのですが、まあ一杯おごってもらったらちゃらにしましょう、という事で一件落着となりました。
仏頭の制作行程 地蔵菩薩像
このブログを書き始めてから1年半以上になります。
その間さまざまな事を試してきましたが、このお地蔵さんの木彫の仏頭と途中段階の紙粘土の仏頭を制作していますが、私がやりたかった事の輪郭線が見えてきました。
仏像を彫ってみたい方がどのレベルでも取り組めるようにしたいと思い4段階のレベルをもうけました。
1、カッターナイフを使った仏像彫刻を試します。
2、一本の印刀を使った仏像彫刻を試します。
3、5本の彫刻刀を使った仏像彫刻を試します。
4、寄木造りの制作行程(釈迦如来坐像と吉祥天)や香合佛の彫り方などを見て全体像を試します。
顔の彫刻は、きちっと仕上げたもので完成した仏頭はあるのですが、角材から仕上がりまでを記録したものがまだありませんでした。
一本の彫刻刀で仏頭を彫るというコーナーも設けましたが、彫刻刀一本では仕上げのクオリティーに限界がありました。
そういうこともあり、最初から記録してきっちりと仕上げた仏頭を作りたいと以前より考えていましたが、それがようやく完成したのでこれからは、ようやく家の用事ができます。
寝る→仕事で彫る→私生活で彫る→食事→私生活で彫る→ブログを更新→寝る、と全く私生活を顧みず全てほったらかしでそんな事ばかり繰り返していました。
しかし、周りの人に迷惑をかけているにもかかわらず、私だけ生き生きとしていました。
このブログが日本だけでなく世界中の沢山の人に見てもらい、もしかしたらこのブログを通して木彫に興味が持ってもらえる人が少しでも増えるのではないだろうか。
趣味でもいいので沢山の人が木彫りに関わってもらえたり、またクリエイティブな人が、デザイン的に面白いものを木で彫ってもらえたらと思うと、毎日が楽しいです。
一段落がついたところで、ようやく家の用事が出来るというのに次にやりたい事が実は頭の中で漠然と出来ています。
それは外国の木を使って、その国で手に入る道具でどのぐらいの彫刻ができるのかを今後、試してみたいですね。
それと、英語も勉強したい。
いつかこのブログの英語版も作ってみたい。
合掌
台座の彫刻は前回のお地蔵さんの蓮台と同じです。
蓮弁をつけた台座を蓮台と呼びますが、蓮台とその下の段の框、その二段を作ります。
上の画像では台座を二段に分けています。
上の段が蓮弁が付く蓮台になりますが、高さは一つ(1.1㎝)にします。
下の段は高さを一つの半分強(0.6〜0.8㎝)の高さにします。
二つに分けられたら蓮台の輪郭線を引きます。
蓮台の輪郭線を下図線をなぞるように削り取ります。
横から見た蓮台も前から見た蓮台と同じように輪郭線を引いて削り取ります。
上から見たときに蓮台の角を丸めるために鉛筆で線を引きます。
蓮台に丸みを持たせます。
蓮台の丸みが決まると、蓮弁を彫刻します。
蓮台の中心線を描いて、その線を基準に真ん中に一枚蓮弁を描きます。
その両隣の蓮弁は正面の蓮弁を参考に連続して描いていきます。
蓮弁の取りかかります。
まずは、蓮弁の下図線に沿って彫刻刀で切り込みを入れていきます。
切り込みを入れた蓮弁の輪郭線の斜めから刀を入れてV字の溝を作ります。
蓮弁の輪郭線に刻みを入れられたら、今度は内側の蓮弁の刻みを外側の蓮弁のやり方を参考に刻みます。
これで内側の蓮弁と外側の蓮弁が完成しました。
跡は彫り残しや削り屑がのこっていないか確認して、取り除きながら粗いタッチを残し気味に仕上げます。
最後に一段目の底の鉛筆線の’部分をカットしたら完成です。
完成
あとがきに添えて
目次
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 2 彫刻を開始して全体的に丸める
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 3 下線を描いて全体のバランスを見る
背面の彫刻に入る前に前から見た姿を決めていきたいと思います。
前から見た姿の下図線を描き加えます。
シンプルな荒削りの彫刻なので、可能な限り描き込む線を少なくします。
描き込んだ線を刻みを小さくして彫りだします。
背面は少しずつ様子を見ながら刻んでいきたいと思います。
なぜ様子を見ながらかというと、後ろ姿を荒削りの彫刻で仕上げる事はあまりないので、最初に線を描き込んでみます。
前から見た姿と後ろの姿が同じ雰囲気になるように常に全体を見ておきます。
後ろ姿で、一番へこんでいる箇所を少し削り、衣紋線などの薄いところはまだ鉛筆線を削らないようにします。
真横から見て衣紋線のバランスを見ます。
前と左右と斜めからあらゆる角度からお姿を確認して後ろの衣の線を決めて彫刻します。
後ろ姿がこのように仕上がりました。
彫りながら考えていたので、様々なパターンがあるので、もう少し違う表現にもなっていたかもしれませんが次回もまた彫る機会があれば他にも試していきたいと思います。
本体の完成
次回は台座を彫刻します。
ちなみに台座はお地蔵さんと同じ蓮台です。
目次
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 2 彫刻を開始して全体的に丸める
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 3 下線を描いて全体のバランスを見る
衣のラインや衣紋線を描き加えます。
線が見える事によって全体のバランスも見やすくなります。
お地蔵さんと同様に慣れないうちは何度でも描いては消して描いては消してと繰り返します。
あまり慎重にラインを描くと、いざ彫刻するときに慎重になりすぎることもありますが、一度決めたら失敗覚悟で彫刻するぐらいの気持ちが必要です。
上の写真では、描いた衣紋線が消えていますが、これは、腕の膨らみを表現するために、境目をへこませています。
そこ部分が衣紋線の場所です。
衣紋線がある事によってへこませる位置関係が見えてくるので、衣紋線も描いていました。
足先は、幅を決めてから真ん中を分けます。
足先は思っている以上に薄くなりますが、最初のうちは厚く残しがちです。
足首に近づくにつれて太くしていきますが隠れているので、そのように頭の中で想像しながら彫刻します。
この段階では両手の膨らみを意識して彫っています。
膨らみを意識する事により、削る場所が見えてきます。
人の指先程の大きさのお顔なので、面相を削るのは慣れないうちは難しいです。
参考までにお顔の彫刻をご覧ください。
如来像は頭が一段盛り上がっていますが、目鼻口耳の位置関係はほぼ同じです。
その位置関係を動かさないようにします。
次回は背面の彫刻です。
目次
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 2 彫刻を開始して全体的に丸める
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 3 下線を描いて全体のバランスを見る
彫刻を始めます。
まず最初に全体を丸めていきます。
体、と顔を面を残しながら丸めます。
あごを削り落として丸めます。
この段階ではまだまだ顎は下の位置になりますが今の段階ではここで止めておきます。
顔を丸めていくのと同時に、体全体も丸めます。
この段階では、まだ肩の位置が上ですが、一気に下げずに少しずつ彫りながら下げていきます。
前回のお地蔵さん同様に肘や腕の膨らみを考えながら、荒彫りします。
顎がさらに奥に彫り込みます。
顎の奥にある首をイメージして彫ります。
すると、まだまだ彫りだせる場所があるとイメージできますが、あまり意識しすぎると首が細くなります。
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 2 彫刻を開始して全体的に丸める
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 3 下線を描いて全体のバランスを見る
目次
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 2 彫刻を開始して全体的に丸める
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 3 下線を描いて全体のバランスを見る
今回は、背面の彫刻、如来の肉髻部分(頭の一段高くなっているところ)を残し、宝珠は持ちません。今回は、背面の彫刻、如来の肉髻部分(頭の一段高くなっているところ)を残し、宝珠は持ちません。
ですので、少し物足りないところもあるかもしれませんが、今回は背面まで彫ってこの一本の彫刻刀で彫る仏像彫刻シリーズの完成としたいと思います。
下図の線を引くところから始めていきたいと思いますが、前回のお地蔵さんと違うところは頭の長さが半高くなります。
この木の大きさが前回のお地蔵さんと同じサイズで作るので一つが1.1センチにします。
一つの算出方法は、木の幅の三分の一の長さになります。
上の横線は額口になります。
額口は上から一つの長さになりますので1.1センチになります。
額口を基準に高さを決めます。
高さは10つになりますので11センチになります。
次に顔の幅と肩の高さを決めます。
顔の幅は、一つ半になるので、11㎜プラス5.5㎜で16.5㎜になります。
肩の高さは下から9つ目になるので11㎜×9で9.9㎝になります。
あごの高さは肩の高さよりも半、低くなります。
練習で複数彫る場合上図のように、隣同士重ね合わせて基準線を引いておくと、連続して次の彫刻がすぐに取りかかれます。
上図のように、体のラインを描いて、彫刻刀でそのラインに沿って削り落とします。
まずは前から見たラインを落とします。
これで前から見た体のラインが削り落とせました。
次に横の線を引きます。
木取りが出来ました。
次回から彫刻に取りかかります。