衣のラインや衣紋線を描き加えます。
線が見える事によって全体のバランスも見やすくなります。
お地蔵さんと同様に慣れないうちは何度でも描いては消して描いては消してと繰り返します。
あまり慎重にラインを描くと、いざ彫刻するときに慎重になりすぎることもありますが、一度決めたら失敗覚悟で彫刻するぐらいの気持ちが必要です。
上の写真では、描いた衣紋線が消えていますが、これは、腕の膨らみを表現するために、境目をへこませています。
そこ部分が衣紋線の場所です。
衣紋線がある事によってへこませる位置関係が見えてくるので、衣紋線も描いていました。
足先は、幅を決めてから真ん中を分けます。
足先は思っている以上に薄くなりますが、最初のうちは厚く残しがちです。
足首に近づくにつれて太くしていきますが隠れているので、そのように頭の中で想像しながら彫刻します。
この段階では両手の膨らみを意識して彫っています。
膨らみを意識する事により、削る場所が見えてきます。
人の指先程の大きさのお顔なので、面相を削るのは慣れないうちは難しいです。
参考までにお顔の彫刻をご覧ください。
如来像は頭が一段盛り上がっていますが、目鼻口耳の位置関係はほぼ同じです。
その位置関係を動かさないようにします。
次回は背面の彫刻です。
目次
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 2 彫刻を開始して全体的に丸める
彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 如来形 3 下線を描いて全体のバランスを見る