金剛護菩薩尊像(梵名:Vajraraksa ヴァジュララクシャ)
この菩薩さまは金剛護菩薩(こんごうごぼさつ)です。
二本の手を胸前で金剛拳にして人差し指を伸ばし、端を相い対します。
不空成就如来の四親近のうちの一尊像です。
不空成就如来の西(画像では上)に位置します。
尊名の金剛護の「護」というのは、身を保護するものを意味します。
『金剛頂経』では、衆生界を救護し、また一切如来が金剛堅固な身を得ることであるとされています。
大乗仏教の菩薩行の理想では、菩薩は勇敢に衆生の救済に努めるのでありますが、そのためには菩薩の身を堅固に護らねばならない。
その場合に菩薩を護るのは菩薩行に努める精進であるとされました。
これが六波羅蜜のうちの精進波羅蜜です。
この尊像の密号を精進金剛としているのもそのためです。
武士が戦場で身を護るのに喩えて、甲冑で表しますが密教でも、この思想を取り入れ修法のはじめには身口意の三業を浄めて、菩薩の境地になって、甲冑を着る思いをして印契(いんけい)を結び、真言を唱えることを必ず行います。
甲冑を着て、制服し難いものに果敢に立ち向かうから、密号を難敵金剛とも呼ばれています。
また、この甲冑は菩薩行の基礎になる慈愛の心でもあるとされています。
合唱