長くて短い10日間でした。
ようやく木彫りの初音ミクの着物姿をお披露目することができます。
材料は木曽檜で彫刻刀だけで仕上げていきました。
話は変わりますが、六本木ヒルズや高級スポーツカー、最先端を走っている人や物、建物などとは反対に、その真逆を仏師なり伝統工芸といわれる工芸技術者がいます。
1000年以上前から守り伝えられた伝統工芸は、どちらかというと新しさと真逆のようなところもあります。
私はフェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニなど、乗りたいと思いますが、実際には手に入れる事はないでしょう。
しかし不思議に思うのですが、仏師や伝統工芸士といわれている人がスポーツカーに乗ると決して良くは思われない。
なぜ良く思われないのかというのはみなさんも感覚的によく分かっていらっしゃると思います。
特に伝統的色の強く、研鑽をつんでいるようなイメージのある技術などは、知らず知らずのうちに遊び心をセーブしているのではないだろうか、と感じることがあります。
私の初音ミクデビューは、遊び心を解き放つ、その第一歩になればと思います。
日本には欄間があります。
日本建築の内装の木彫装飾としてふすまなどの上によく見られますが、日本建築だけでなく、六本木ヒルズの内装に合う現代的で、技巧的で、デザインセンスのある欄間が、ITベンチャー企業のワンマン社長の独断と偏見で六本木ヒルズの内装に造られたら面白いだろうなあと、勝手ながら想像していました。
予算は1億円で、一流のデザイナーに作図してもらい、贅沢な材料で、最高の技術を使って、作り上げられたらどれだけ面白いだろうか。
見るだけで、わくわくします。
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