今回光背のついたお地蔵さんの彫刻という事で、ちょうこくの彫り進め方をご紹介したいと思います。
このお地蔵さんに使っている木は日本の木ではありません。
実はフィリピンで手に入る木を使って彫ります。
セイタロウさんが、フィリピンで仏像彫刻をの練習していて、日本の木で彫るのは難しいので現地の木を使って彫れるのか、どこまで彫れるのかその確認のために今回この木材をつかいます。
フィリピンには固い木が多いのですが、この木は比較的柔らかくて手に入れやすい木です。
将来日本の檜を使って彫るのを目標に、この木で練習しても問題なさそうです。
まず最初に何を彫ろうかと考えていました。
坐像で光背の付いた仏像は、チャレンジのコーナーではまだ制作していないので、光背付きのお地蔵さんを彫ってみたいと思います。
まず最初に正中線を引きます。
次に膝張りの長さを決めます。
膝張りとは両膝の幅の長さです。
額口も同じ長さです。
膝張りとは横の長さですが、額口は縦の長さで頭の額(髪の生え際口)です。
二つの基準線を頭に入れておきながら彫り進めて行きます。
横の状態です。
横も正面を確認しながらラフに描きます。
頭頂部の少し余裕をもたせて鋸を入れます。
深さは横の光背の線までいれます。
平刀で横の光背の位置を確認しながら平刀で削り落とします。
肩から膝にかけて鋸を入れます。
そして横のラインを確認して鋸を入れます。
そして光背の深さまで彫刻刀で削りだします。
ピラミッドの用に三角形の形ですがお地蔵さんの輪郭線に沿ってきっちりと出すと初めて彫る人にはわかりやすいです。
ただ私はこの後、頭を決めます。
まずは首の位置を浅く鋸をいれます。
そして平刀で斜めに刀を入れて頭を出します。
このままでは顔が前に出過ぎて、胸が出てこないので顔を奥に引っ込めて胸を張ります。
横から見ると顔がへこみ過ぎに見えるかもしれませんが、胸の前に両手がくるので、その分、顔を奥にしています。
両肩を彫り込むのと手の流れも同時に表現します。