寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

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一気に弁財天像が丸まりました。

 

 

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このまま彫り進むとどこを彫刻すれば良いのか見当がつきにくく、目安がない状態で彫刻を進めた場合、誤って本来彫るべき場所ではないところを彫ってしまいますので、中心線を引いていきます。

 

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中心線が引けたら、それを基準にして、一寸(30.3センチ)間隔でマス目を引いていきます

 

 

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今回は横からの線を引くと少しややこしくなるので前と後ろからみた姿のマス目を引きます。

 

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マス目が引き終わると、図面を見ながら仏像の細かな線を描きます。

 

 

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合掌

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

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この段階まで来てもまだ手をきっちりと決めません。

形式として決まっている仏像では早い段階で手、足などを先に彫り進むと、全体のイメージが見えやすくなるので、

どの辺りを彫刻するべきか明確になります。

今回の彫刻は琵琶を持っている彫刻なので、今の段階で手を彫りだしすぎると、後で違和感がでてきます。

そのため、常に琵琶を持って演奏しているというイメージを頭に思い浮かべながら、全体を彫り進め少しずつ手の位置を決めます。

 

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背面の彫刻は前を先に彫り進めてその流れを考えて背面を彫ります。

しばらくは正面が決まるまで残しておきます。

 

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合掌

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

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前回の目安の線を基準に彫刻をしていきます。
あくまでも目安なので、その線を最終的な線と思わずに、どこがふくらみ、へこむのか
ひじのでっぱった位置はだいたいどのあたりにくるのか、そのひじの位置を基準にし腕のラインがわかるように
彫りだしたり、と立体感の調子を出していきます。

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ぼんやりとした腕のラインがみえてきましたが、この時点ではあまり深追いせずにさらに全体を
彫刻していきます。

一か所に彫刻をのめりこんでしまうと、後で後悔することが多いです。
彫りすぎると付け足すことができないので、他の場所もバランスよく彫進めます。

彫刻をやり始めた段階では、苦手な個所と得意な個所が出てきます。
そうすると特異な個所は掘り進みすぎて苦手な個所が後回しになります。

なので深追いをしないという事を心掛けます。

 

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成 

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

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荒彫りの状態で基準となる印がないと、迷いがでてなかなか彫刻が進みません。

ちまちまと、迷いながら彫ると時間だけが無常に過ぎていきます。

 

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確実にわかっている印を描いていきます。

真ん中に一本の縦線を描き、それを基準に一寸(30.3ミリ)のマス目を引いていきます。

図面と照らし合わせて、弁財天を描いていきます。

あまり細かく描いても意味がないので、大まかな線を描いていきます。

 

 

 

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横から見た線は今回は描かず正面の線に合わせて彫り合わせたときに少しずつ横のラインを決めていきます。

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

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仏像を彫刻するときに持物である琵琶の面積が大きいので、仏像本体の形が琵琶に引っ張られる相になります。

一番肝心なのは仏像本体のバランスが取れている事で、琵琶に隠れたおなかの膨らみ、琵琶に隠れた左腕などを意識しながら進めていきます。

琵琶を後で別材で作り本体に後で取り付ける方法もありますが、そうすると、琵琶を持つ雰囲気が合わない可能性があります。

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迷いがあるのか、正面を漠然と決めながら横、後ろ、を順に進めます。

図面の上ではきちっと線が決まっているので、その線に合わせて彫り進めていけば図面通りの仏像が完成します。

しかし、図面をただ単にきっちりと計り寸法通りに彫刻をすると、固い雰囲気になりがちです。

立体にすると遠近感が違うので、図面は目安と考え、彫刻をくるくる回転させながらバランスの良い、顎や肩や肘や膝などの位置を決めていきます。

 

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まだ後頭部はへこめる事が出来ますが前の鼻の位置が決まっていない、最近ではあまり修正をする事はなくなりましたが、お顔の表情が彫り過ぎたりしても今なら多少は修正がききます。

鼻を少しへこませて、全体的に後ろにずらします。

そのため後頭部は厚みを残しています。

 

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

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この段階ではまだ膝前の琵琶と左右の腕の位置がぼんやりとして定まっていません。

今の段階で正確に手の位置を定めてしまうと、全体が仕上がっていくうちに少しずらしたいと思ってしまうことがあります。

しかし一度決めてしまうと修正がききません。

そこで、手の位置を曖昧にして、修正出来るように残しておきます。

 

 

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この段階で意識するところはポイントとなる出っ張りをどこに曖昧に定めるか

出っ張りというのは肘、膝、肩、です。

見方としては、顔を横から見たとき鼻の一番高いところから耳の中央までの長さがだいたい1つです。

1つというのは、膝の幅と額の上の髪の生え際までの高さが同じで5つあります。

その5分の1の長さです。

そういう事で鼻の高さが決まると、横から見たときの耳の位置が決まります。

そうすると今度は横から見たときの肩の位置がだいたい、耳よりも少し後ろにきますがその位置が見えてきます。

撥を持つ右手、と琵琶を支える左手の位置が決まると肘の位置が決まります。

これで、バランスを取るための基準が決まるので、そのときに始めて思い切って彫りだしていきます。

 

 

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基本的に出っ張ったところを早い段階で押さえておくと、バランスを崩さずに、スムーズに彫り進められます。

しかし、早い段階で押さえておくと書いたものの、慣れていないと彫り進めている間に微妙にずれていきます。

そういう事がないように、常に計りながら、思い切って彫刻をするのが早くて的確に彫り上がります。

 

 

 

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真後ろはお尻の位置、肩甲骨の位置、背中の凹凸を意識します。

仏像と人間では人間の体の方がリアルすぎるので、仏像を制作するときは、お尻、肩甲骨の位置、背中の凹凸の意識はしても、丸く角がないように彫ります。

 

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

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寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

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寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

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寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

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膠の接着が固まったので御顔を丸めていきます。

上から見ると最終的には頭の形が丸くなるのですが、四角に角を丸める程度に彫りすぎずに残しながら、全体的に大きく残しておきます。

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上の画像は膝前の荒彫りのの開始すぐの状態です。

マス目で言うと膝の幅が5つあります。

余分は琵琶の部分をのこしています。

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ここで膝前を合わせてみます。

まだ接着はしていませんが、もう少し彫り進んでから三千本膠(接着剤)を使って接着をします。

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合掌

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

弁財天の彫刻過程のYouTube動画です。

YouTube動画からでも造佛記と検索すればでてきます表示されると思います。

曲名】 千年の追憶
【サイト名】フリー音楽素材 H/MIX GALLERY
【管理者】 秋山裕和
【アドレス】http://www.hmix.net/

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

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今回、弁財天の原型を彫刻します。

以前、釈迦如来坐像の寄木造りをご紹介しましたが、その釈迦如来の彫刻と並行で荒彫りまで制作していました。

その弁財天の制作過程をこれからご紹介したいと思います。

上の画像は左から胴体の前後材2材、膝前(琵琶を含めて)1材、左右の肩2材、の計5材を使って制作します。

 

 

 

 

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接着前の仮組してみます。

前、から順に左斜め、左、斜め後ろという風に、順にならべてみます。

 

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上の四角い木にマス目を引いていきます。

マス目は、ひとマスの大きさが一寸(30.3ミリ)の大きさにします。

額の髪の生え際までが5つ目に当たり、その長さと膝前の横幅が同じになるように彫ります。

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膝前の幅が5つなのですが、琵琶を持つのでその分、余分を取っています。

 

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真横の画像です。

胴体の奥行きは2つ膝前は一つ半で合計3つ半が本体部分です。

膝前の裳先の分が余分にとってあります。

 

 

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最強の守り本尊 三面大黒天

日本で親しみのある大黒さまといえば、大きなお腹に大きな袋と小槌を持って米俵に立つ姿が一般的ですが、大黒さまの原型とされる発祥の地インドでは日本での大黒天のお姿からは想像がつかないような戦いに強い神様として祀られていたようです。

そのお姿はインドからチベットや唐(中国)に伝わり、残された御経や画像の中からインドで表現された大黒さまのお姿を垣間見ることができます。

唐に伝わると名前が摩詞迦羅と音写され、マカカラあるいはマハーカーラーと呼ばれていたことがわかります。

マハーとは、古代インドのサンスクリット語で大きいという意味で、カーラーとは黒という意味です。

お姿は日本で見かけるような柔和な笑顔ではなく、三つの顔に六本の手、前の左右の2手で剣を横にして持ち、次の2手は左手に牡羊の角を持ち牡羊ごと持ち上げています。
右手では人間の髪を握り人間を引っ張っているような様子です。
後ろの2手で背後に張った象皮を支えています。

このお姿は日本に伝わった初期の大黒天で、そのお姿がお経(大黒天神法:神愷記)の中に記されています。
特徴としては林に住み、飛行に長じて血肉を食う神さまとして表現されていますが、祭れば加護してもらい、さらに戦いに勝つといわれております。
これは私が制作している木彫曼荼羅の胎蔵界曼荼羅の中の一尊像として登場しています。

別のお姿として、ビシュヌ神や地天の化身としてインド寺院の厨房に祭られています。
神王形で床に左膝を立て右脚は垂れる姿がそこには示されています。

また大黒天神法には、黒色で鳥帽子をかぶり、狩衣を着て、右掌は腰に当て、左手で背負った大袋の口を肩腰に握る姿が記されそれが、北九州の観世音寺に、大黒天像の彫刻が伝わっています。

三面大黒天は、後に伝教大師最澄が感得(奥深い道徳や真理などを感じ悟ること)した御像で、日本で独自に制作されたようです。
そのお姿は、正面の顔が大黒天、右が毘沙門天、左が弁財天で、それぞれの尊像に合わせて、大黒天は、小槌と七宝が入っているとされる大袋をもち、右側の毘沙門天は右手奥の二本の腕に毘沙門天の持物である戟と宝棒を持ち、左側の弁財天はその持物である、鉤と宝珠を奥の二本の腕で持つ形となっています。
調べてみるとこの持ち方が基本的な姿として紹介されていますが、右腕奥二本は毘沙門天が持っている持物、左腕奥二本は弁財天が持つ持物でよいようです。

後に秀吉が天下を取る前から、この三面大黒天を護り本尊として大切に持ち歩いていたようです。
それは元々強い大黒天と戦いの神様として知られる毘沙門天と美と才能と学問を司る弁財天が合わさることにより、強さと美しさと聡明さを兼ね備えた最強の護り本尊として、常に携帯し祀ることにより秀吉は天下統一への意識を高めていったのではないでしょうか。
これは私が個人的に感じたことですが、魅力的なかっこ良い男とはどのような人物だろうかと考えたときに、凶暴で強いだけではなく、勉強も人並み以上にこなし、美しいものを感じ、行動すべきときに誰よりも早く行動できる人、そんな人は魅力的だなあと感じることがあります。

同級生に喧嘩っ早く怖いなあと感じていた人がいましたが、その人が美しいピアノを奏で弾いたときには、びっくりして180度、見方が変わったことがあります。

話が少しずれましたが、この三面大黒天は、江戸時代に入り秀吉と関係あるかどうかはわかりませんが、一般の民衆の間にも広がっていったようであります。

多くの人々に三面大黒天が広がることにより、制作する三面大黒天の数も増え、そのことにより若干の持物の違いが生じてくることもあるようで、実際上記にあげていたような持物ではなく別の持物に変わっている場合もあります。
また後世の修復により新しく作られることもあります。

今回、改めて三面大黒天を調べてみると、香合佛として新たに制作したいという気持ちが沸々とわいてきています。

合掌

 

 

寄木造りの制作行程 22 動画 最終回

寄木造りの制作行程は最初から動画を投稿する目的で彫刻してきました。

ビデオ撮影は、ほとんど経験がないので初音ミクの動画編集前は、ビデオの動画を使わずにデジカメの画像を使って、写真の上で動かしながら編集していました。

ビデオカメラを使って奇麗に撮影してアップしたいという気持ちもありました。

それと作品を回転台の上に乗せて回転させながら撮影したいとは以前より考えていました。

しかし、なかなか上手に撮影できませんでした。

初歩的な事だったのですが、光量が足りていなかったという単純な理由でした。

部屋の備え付けの明かりだけで撮影をしていたのが光量不足の原因でした。

それを解決するために自宅にある照明スタンドなどを使用して撮影することにしました。

すると、動画がくっきりと見えるようになりになりました。

何事にも知識って大切ですね。

こんなとき、ライティングの勉強を早い段階でしておけばよかったなあと痛感していました。

照明はクリアしたのですが、回転台はまだ慣れていないせいか、まず最初に彫る前の木を回転台に乗せて回転させながらビデオ撮影しました。

しかし初回はスムーズに回転してなくてぎこちない動きを撮影してたことを編集のときに気がつきました。

もうだいぶ彫り進んでいたので、しかたなくその動画を使いましたが、今回の撮影の反省点を次回の撮影に生かせたらと考えています。

回転台の上に乗せて順序だって彫刻→撮影→彫刻と何度も繰り返しましたが、その一方で彫刻の調子が乗ってきたときも、いったん手を止めて撮影しなければならず、それは面倒くさい作業ではありました。

しかし自分の中のイメージが徐々に出来上がっていく喜びのほうが勝っていたので最後までなんとかさつえいすることができました。

次回の彫刻は頭の中では何を作りたいのか決まっていますので、またいつか皆さんの目に触れる機会があるときには、懲りずに見に来てください。

合掌

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