金剛嬉菩薩尊像(梵名:Vajralasi ヴァジュララーシー)
この尊像は金剛嬉菩薩(こんごうきぼさつ)です。
天女の姿で両手を剛拳にして、腰の側におき、左を向いて、やや頭を下げます。
この尊像は大日如来が阿閦如来を供養するために出生したものであります。
あたかも女性が愛する男性につくすように、自然の発露としての喜びが金剛嬉菩薩という女尊として生々しく表現されるます。
『摂真実経』によれば、行者は金剛嬉菩薩を観想する場合、自らが金剛嬉菩薩になりきり、十方世界の諸仏・菩薩・衆生に喜楽を与える如くせよ、とあります。
『聖位経』には、金剛嬉菩薩から光明が流出し、遍く十方世界を照らし一切如来を供養し、凡夫の貪りに染まった世界を破し、嬉菩薩そのものである円満安楽を獲得するとあります。
合掌