沢ノ池(沢池)でお茶と仏像彫刻を楽しんできました。その三 お地蔵さんを彫る

 

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お地蔵さんを彫刻していきますがまずは、落ちている手ごろな枝を探して、適当な大きさにのこぎりで切り取ります。

私が使っているのはカッターナイフの形をしたのこぎりです。

カッターナイフの刃がのこぎりに変わっただけなのですがこれがコンパクトでとても使いやすいです。

 

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今回は、ナイフと彫刻刀を持ってきました。

彫刻刀はさやの部分をコンパクトに改良したものを利用しています。

まずは、削る場所に応じて道具を使い分けていますが、まずはナイフで荒彫りしていきます。

 

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そして次に携帯用に小さく改良した彫刻刀を利用して頭から彫りだしていきます。

 

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頭を出したら肩を大まかに出していきます。

 

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光背の形も決めていきます。

 

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大まかに削り出せたら衣文線を削り出します。

 

 

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完成しました。

沢池の風景をバックに撮影してみました。

 

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沢池で彫刻した仏像はこのままにして見つけた人方に差し上げます。

 

 

円山公園で野外彫刻 ーMOKI KNIFEー 

 

カスタムナイフを砥ぐ (この動画は、このブログ記事を掲載した次の日に撮影しました。)
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おはようございます。

思いつきで早朝の円山公園で野外彫刻をする事にしました。

実は以前から西洋ナイフを使って彫刻をしたいなという気持ちがありました。

日本の彫刻刀を使い慣れていると非常に彫りにくいだろうなあとは思っていましたが、小学校の頃に見たアニメでナイフを使って動物を彫刻しているシーンが私の頭にこびりついていて、かっこいいなと思っていたのがずっと印象に残っています。

それで彫りにくいかもしれないけれど本気でやればどこまで削れるのかそして表現できるのか、試しに彫ってみたいと思います。

ナイフは西洋ナイフと書きながら実は日本製でMOKI ナイフです。

とても堅いステンレスでしっかりとした刃がつけられます。

購入した源久さんにアドバイスを聞いてこのナイフを選びました。

私はビクトリアノクスという多機能ナイフを持っているのですが、切れるナイフではあるのですが、しかし木を削るには、ステンレスの刃が柔らかすぎます。

刃をつけても彫刻刀のようには上手くいきませんが、しかし日常の道具としては大変重宝します。

 

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1時間半ほど閉店間際まで何本も何本も選びようやく選んだナイフが上の画像のMOKIナイフです。

刃先が短く幅の広いナイフが欲しかったのですが、何種類かMOKIナイフはあったのですが私の欲しいと思っている形の刃先のナイフがこの一本だったので、選ぶというよりもこのナイフしかなかったのですが、色々と物色をしている時間がとても楽しいのでついつい長居しました。

店主さんはわざわざ削りにくいナイフを使わなくても、もっと使いやすい道具を選んだら良いのにと思っていたと思いますが、私はできれば若い人が手に入れたいと思うような、人に自慢できるかっこ良いナイフにこだわっていました。

道具はもっていると必ず使いたくなる物です。

しかし、こういったナイフは男の子がナイフの魅力に憧れて手に入れたのは良いけれども結局、使えずに終わってしまいます。

それだったら、木でも削って彫刻をしたらどうだろうかと思っていました。

削っても思っていた以上に削れないと思います。

それは、刃先が意外となほど鋭利ではなく削り方も甘いからですが、そういった問題点が見えてきたとき、あきらめる人の方が多いと思いますが、その中でもなんとかして今あるナイフを最大限切れる状態までもっていき、そして削る技術を身につけたいと思えるような記事にしたいと思って今回このページをもうけました。

以前にもナイフを使った小さな蓮の作り方をご紹介していたのですが、その時は本当に家にあったビクトリアノクスをそのまま使いました。

元々木を削るために作られた刃先ではないので、削り跡があまり奇麗とはいえません。

中途半端になってしまったところがあるなと自分でも思っていました。

今回はさらに一歩踏み込んで、ナイフの刃にこだわりまた研ぎにもこだわって本当はどこまで精度を高める事が出来るのかという個人的な実験でもあり、私の小さかった頃にこんな人がいたら面白いだろうなあ、と思える人間を想像して挑戦してみました。

今回の野外彫刻は朝6時30分に円山公園で彫刻をすることにしました。

人が少ない時間帯でゆっくりと彫刻をする事が出来ました。

今回使用した彫刻の材料は落ちている枝を使いました。

動画を見ていただければ彫っているのが確認できると思いますが、今回まだナイフの刃先の研ぎが甘かったのと、もう少し枝が太ければ良かったなあと思います。

ですので次回は、ナイフを砥ぐ台を作ってそれに固定しアメリカのアルカンザス地方で採掘されるオイルで砥ぐ天然砥石と日本の砥石の両方を使ってどちらが良いのか比べるところから始めて、しっかりとした刃をつけてみたいと思います。

最後になりましたが、今回彫刻した、合掌した仏さんの一刀彫を掲載して次回に引き継ぎます。

 

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手板の彫刻 2

まずはYouTubeより

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今回の手板はコンパスを使いますので少し複雑になります。

 

 

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前回と同様に私は四つ描いていますが、いくつ入れるのかは手元にある板に合わせてみてください。

まずは最初にコンパスで大きく円を描きます。

そのときに内側に二つ円を描きます。

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そしてコンパスを使って三等分にして目印をつけます。

目印の所を軸にコンパスを使って半円を描きます。

 

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さらに半円の内側にも二つの丸を引きます。

 

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上の画像の用に輪郭線をまずは薄く切り込みます。

切り込みの溝はV字ではなくレの字にします。

 

 

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次に内側の半円に切り込みを入れるのですが切り込みの溝は最終的にはヘの字のように山型になるのですが、最初にレの字にします。

 

 

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先ほどのレの字の溝を今度はvの字に彫ります。

その連続で内側へ向って彫り進みます。

 

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だいたいの仕上げる前の状態まで彫ると、今度は半分飛び出しているところを同じ形になるように彫ります。

 

 

 

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完成です。

 

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手板1へ

手板の彫刻 1

まずはYouTubeより
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手板の彫刻は平安時代の仏師定朝さんが仏師達の技術を修練するために使われていると伝えられていますが、後に木彫の巨匠高村光雲が東京美術学校木彫科で木彫を指導するためにそれまでに様々なところで木彫の修練として伝わっていた手板をまとめられたようです。

まずは最初に上の画像の彫り方を順を説明していきたいと思います。

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この板に会わせる必要はありませんが、私は一枚の板に4つ描いています。

 

 

 

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2寸(60.6ミリ)幅の正方形を描き四隅からクロスさせて線を引きます。

 

 

 

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細かい幅の線は全て1分(3.03ミリ)にしています。

中央の線から平行に線を引きます。

 

 

 

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平行に線が引けたらクロスさせて同じように引いていきます。

 

 

 

 

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今度は外側から同じ幅(1分)で平行に線をひきます。

 

 

 

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線が引けて彫る前の準備が整いました。

 

 

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私は印刀(三分幅 9㎝)一本で仕上げてみたいと思います。

 

 

 

 

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まず外側の線に立て込みをいれて斜め横から薄く削ります。

 

 

 

 

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木目にあわせて上に向って印刀を運ぶのか、引くのかを木の性質を見極めながら進めていきます。

 

 

 

 

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外側の線ができたら、クロスの線を立て込み入れます。

外側の線は溝が薄いレの字になっています。

そしてクロスの線は薄いV字になっています。

 

 

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クロスの線が出来たら、内側を彫ります。

最初に切り込みをいれるのはどの線も同じなのですが、どちらに向って斜めに削るのかが違うだけです。

その彫り込みの表現はレの字、Vの字、ヘの字の3種類を組み合わせたオウトツになります。

 

 

 

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一つの三角形が仕上げる前の状態に彫り込めました。

三角の外側からレの字、そして反対のレの字、ヘの字、レの字、そして中央の三角の溝、という感じになります。

他の3つの三角も同じように彫り込んでいきます。

 

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全て彫れましたら、仕上げます。

 

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まずは一つ完成です。

 

 

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手板2へ

仏像を彫ろう チャレンジ3の紹介動画を制作

 

チャレンジシリーズ第三弾の動画を制作しました。

いよいよチャレンジ3が仏頭を残すのみとなりました。

このチャレンジシリーズの基本形があと少しで完了となります。

この全てのチャレンジを経験し、顔と手を何度も何度も彫る事を経験したら、全身像も試してみてはいかがでしょうか。

また、全身像だけでなくクラシックカーの詳細な木彫(個人的に小学校からの夢)などを試しても意外な程、楽に彫刻をする事が出来ると思います。

それは最後の最も難しい、手と顔の微妙な表現を彫刻しているからです。

3Dプリンターがさらに性能が上がると、おそらく多くの人はそちらに流れるでしょう。

私も試したいと思っているぐらいです。

しかし、3Dプリンターが一般に普通に普及してくると、今度はアナログへの憧れがどんどんと強くなってきます。

復古主義のように、常にそのようなことは繰り返しています。

今このブログで彫刻のやり方を沢山ご紹介していますが、実は10年後、20年後の人々に見ていただきたいという気持ちもあります。

心身ともに私の最も彫刻が乗っているこの健康的な状態で豊富な画像や動画を残しておく事が今必要なのかと思いました。

後もう少しお待ちくださいませ。

フウタロウ

花菱の彫刻

 

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今日は花菱の彫刻をしました。

この花菱という彫刻は、薄い板に幾何学紋の花をレリーフで彫ります。

仏像彫刻を初めて彫る方がこの花菱を彫ります。

花菱は、手に持つ板ということで手板と呼んだりします。

 

hanabisinotyoukoku-38初めて彫る人が彫刻するのだから、簡単な彫刻と侮ってはいけません。

あの明治の巨匠、木彫家、高村光雲が常に花菱を彫刻していたことは有名な話です。

花菱は、彫り慣れてくると見た目も華やかに見えるので上手く彫れているように錯覚することがあります。

深く彫るのは以外と簡単なのですが、薄く彫るのは結構難しい。

ですので、初めて彫られる方は薄く彫る事はとりあえず考えずに何度も挑戦して、こなれてきたら奇麗に彫れるようにして、次に薄く彫る事を意識すると良いのではないかと思います。

 

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ライブラリー 制作

遠い国からのメッセージ  ― 一本の彫刻刀で仏像彫刻 あとがきに添えて

遠い国からのメッセージ

昨日、彫刻刀一本を使った四体の仏像彫刻の制作工程をご紹介しました。
私がなぜ一本だけにこだわった仏像彫刻のページを設けようと考えたのかというと、以前カッターナイフ
を使った仏像彫刻をご紹介したことがありますが、そのカッターナイフで仏像彫刻の記事を読んだ方から
メッセージをいただきました。
その方は、その記事を見ながら試行錯誤を繰り返してその国で手に入るナイフを使って仏像彫刻をチャレンジして、自分で彫られた仏像を家族にプレゼントをされたそうです。

ご家族ともども大変幸せな気持ちになられたようで、私は心の底からウェブサイトを設けてよかったと思いました。

それから何度も遠い国に住む日本人の方とメッセージのりとりをしているうちに、もう少しバリエーションを増やしていきたいという気持ちになりました。

しかしカッターナイフだけでは難しいので、理想をいえば私が普段使っているような彫刻刀を使うほうがもっと楽に、早く、
綺麗に仕上げることができます。

しかしながら、本職が使う道具を沢山手に入れて制作できるぐらいの経済力がある人なら問題がない
のですが、一般的には、そして私が思い描いている苦学生などはなかなか難しいように思います。

しかし、一本だけなら手に入れるのは可能ではないだろうかと思いました。
実は、私自身今まで彫刻刀一本だけを使って彫刻をしたことがなくて、本当にできるのだろうか、と内心不安でもありました。
しかし考えていても、何も始まらないのでとりあえず、材料を手に入れて彫進めながら写真を撮りためていきました。
面相などの顔の表情は慣れていないとかなり難しいところもありましたが、なんとか彫りあげることができて、最初に試した
記録写真をブログで使い、あとから同じ形の仏像制作を動画撮影してYouTubeにアップしました。

最初に大量に撮影して撮りためていたので、後半は画像の配置とタイピングに時間を使いました。
なんとか昨日、一本の彫刻刀で造る仏像彫刻のシリーズが完成して今一息ついたところです。

勇気をだしてメッセージを送っていただいた遠い国に住む日本の方には大変感謝をしています。
そしてこのウェブサイトに訪れた多くの方々に私にできる小さな幸せを届けられたら
それが私の何よりの願いです。

合掌

造佛記 フウタロウ

 

 

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 完成 4 

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前回、衣紋線の下図を描き込みましたが下図線にそって刻みを入れていきます。

刻みを入れて、小さな木屑を取り除くと完成ですが、刻みを入れた時にイメージが変わる事もあります。

自分の思っているイメージに合わなければ何度も何度も彫り直して修正します。

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これで本体のお地蔵さんの完成です。

次回はこのお地蔵さんの乗る蓮台を彫りだしていきます。

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目次

 

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 木取り 1

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 彫刻開始 全体を丸める 2

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 仕上げの一歩手前まで 3

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 完成 4

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 台座を彫刻して完成 5

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 仕上げの一歩手前まで 3

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前回は、大まかな輪郭線の荒彫りをしましたが今回は、衣の線を彫りだします。

鉛筆で両手を隠した衣、宝珠、袈裟(お坊さんが着る服)の大まかなラインを鉛筆で描きます。

描くときに隠れている肘の出っ張り、腕のラインを意識します。

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刻みを入れると下描き線で確認するよりも、雰囲気が出てきますが、このときにはまだうっすらと刻みをつけているだけでこれから先の行程で変更する事を考えて、今は雰囲気を見ながら線をずらしていきます。

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衣の線を刻むと、お顔も彫り進めます。

お顔は、お顔の彫刻で彫刻の行程を確認ください。

 

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さらに下図線を引きます。

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この辺りから少しずつ細かい線を描き足して、さらに刻みを加えていきます。

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両足先も少しずつ、彫り進めますが、実際に彫ってみると、「こんなに」と思うぐらい薄くしていきます。

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このお地蔵さんの彫刻では後ろの面は何も彫りません。

次回の如来形の彫り方の時に後面も衣の線を彫りだしていきます。

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この大きさの仏像で耳を彫るのは難しいですが、まずは耳の真ん中を縦に通る中心線を描きます。

縦の線は鼻先から奥に一つ入ったところになります。

この場合は一つが1.1センチなので鼻先から1.1センチになります。

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全体の雰囲気を見て彫り残しがあるところがあるかどうか、全体のフォルムのバランスを見て確認します。

彫り残しがあれば、さらに彫りだしますが、わからない場合は衣紋線(衣のシワ)を描いてみると、彫り残しがあるかどうか見えてきます。

さらに削り、線を描き足すという事を繰り返しながらここだと思ったところで次回は衣紋線を刻んでいきます。

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目次

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 木取り 1

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 彫刻開始 全体を丸める 2

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 仕上げの一歩手前まで 3

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 完成 4

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 台座を彫刻して完成 5

 

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 彫刻開始 全体を丸める 2

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彫刻を始めていきます。

まずは顔を丸めていきますが、丸めるというよりも、上から見ると八角形の面をだします。

彫刻の行程にあわせて最初は四角、それから荒彫り八角、中彫り十六角、という感じで進めていきます。

しかし実際にはそんな単純な事ではありませんが、イメージとしてはそのように持っていると良いかと思います。

 

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前と横から見た姿のだいたいの輪郭線を削り落とします。

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上の画像の時のように四角い状態でこれから荒彫りをする面でも肘の膨らみと両手で宝珠を持っている腕のラインを意識しながら荒彫りをすると大胆に削れます。

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全体の雰囲気も面でを残しながらけずります。

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彫刻が進むにつれ、一つ一つの削り面の大きさが小さくなります。

いきなり仕上げ彫りのように、面をもっと細かくすると荒彫りの雰囲気が出てきませんので、仕上げ彫りになりそうになったら、まだ彫れていない部分を彫るようにします。

どうしても、彫りやすい箇所の彫刻が進んでしまいます。

その場合は少し時間がかかりますが、別の木で難しい箇所ばかりを徹底的に彫り込むと早く上達します。

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面相を出していきます。

鼻の位置を少し下めに刻みます。

鼻の位置は下げる事は出来ませんが上げるのは簡単です。

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目も鼻と同様余裕を持たせます。

面の刻み面は広く取っていますが、この削り面の中で微妙に目を移動しながら目の位置を決めていきます。

今はまだ決めずに、全体を彫りながら決めていきます。

しかしながら、全体と言っても大きくバランスの善し悪しを決めるのが肩の高さと顔の位置関係です。

肩は少し上がった状態、顔は少し下がった状態でこの位置関係を少しずつ離しながら、ちょうど良い位置関係を徐々に決めます。

肩が下がっていると、華奢なイメージを受けますが、肩が上がっていると、鎌倉時代のように力強いイメージがでてきます。

平安時代後期のような、優美で繊細なラインが好みの方は肩を少し下げて、なで肩にして繊細なイメージにします。

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顔の後ろの削り面は、耳の出っ張りを頂点として、上から見ると八角に見えるようにしますが正八角ではありません。

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最後に左右の足先を分けて次回に進みたいと思います。

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目次

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 木取り 1

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 彫刻開始 全体を丸める 2

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 仕上げの一歩手前まで 3

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 完成 4

彫刻刀(印刀)一本で仏像彫刻 宝珠を持ったお地蔵様を彫る 台座を彫刻して完成 5