まずは動画から
制作行程をブログに投稿していましたが、荒彫りが終わり、衣の衣紋線を出す手前ではあるのですが、先に完成した動画が出来上がりました。
ブログに投稿している寄木造りの記事はまだまだ先が見えませんが、今日は動画の編集で疲れ果てて、この状態でブログの続きを書くと、とんちんかんな事を書いてしましそうなので次にまわします。
寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る
寄木造りの制作行程 11 釈迦如来坐像 YOUTUBEへ投稿
まずは動画から
制作行程をブログに投稿していましたが、荒彫りが終わり、衣の衣紋線を出す手前ではあるのですが、先に完成した動画が出来上がりました。
ブログに投稿している寄木造りの記事はまだまだ先が見えませんが、今日は動画の編集で疲れ果てて、この状態でブログの続きを書くと、とんちんかんな事を書いてしましそうなので次にまわします。
寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る
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前回の衣のラインを彫りだしていきました。
衣のラインを彫りだしていくと、へこませる部分が見えてくるので、その部分をへこませすぎない程度に彫り込んでいきます。
寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る
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あまり細かい衣紋(衣のしわ)は描かずに大まかな衣のラインを描きます。
今回は油性マジックを使いましたが、油性マジックは小口の部分に線を描くと木の奥までしみ込み削っても消えにくいので、使うのであれば荒彫りまでにしておきます。
なれている人ならば、小口面はには線を描かないように加筆していきます。
寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る
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この状態までくると、体のラインを意識して、彫り進めていきます。
肩の位置を決めて、肩から肘の流れを彫り、肘から手首までの流れを彫ります。
他の部分でも同じように体のラインを意識しながら彫り込んでいきます。
次は衣のラインを彫りだしていきます。
寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る
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胴体と両肩の木が膠で接着して固まった状態です。
荒彫りが出来る状態になったので彫刻を開始します。
まずは鋸(のこぎり)で両肩を切り落として彫刻刀で丸めます。
あまり彫り進めず、膝前を三千本膠で接着します。
下の図は膝前木を接着して固まった状態で彫り進めています。
ポイントとして釈迦如来の手の位置が下から一つ目より少し下の位置にあります。
それがイメージできると手の周りは彫り進みやすくなります。
この状態のときに気をつける事は、肩と胸と首回りを落としすぎないという事です。
ひとくくりに首回りという事になるのですが、少し残し気味でちょうど良いと考えた方が良いと思います。
なぜかというと、落としすぎやすい部分だからです。
彫りやすいからだと思うのですが、結構簡単に削り落としてしまいます。
そこをぐっとこらえて、手の周りや膝、側面など、まだ彫刻が進んでいないところを進めていきます。
周辺を削り落とすと、首回りがどんどんと太く感じてきます。
そのときに違和感が出てきたら少し残し気味で削り込んで最後の仕上げで調整していきます。
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本来ならば両肩と膝前の木も三千本膠で接着してから彫りだすのですが、それだと彫りにくくなります。
彫りやすい状態で作業を進めるために両肩を接着する前にお顔を彫り進めていきます。
実はブログを書いている現在、既に寄木造りの釈迦如来像はもうすぐ仕上がる状態にまできています。
参考までに画像を掲載してみます。
彫刻作業では、仕上げの事を考えているのですが、ブログに掲載する内容は今から彫りだす段階です。
タイムマシンに乗って過去に戻って、そのときの様子を実況中継しているような感覚ですね。
最近の私はブログへ投稿するために写真撮影をしながら彫刻する事が多くなりました。
そのおかげで、いろんな行程をいったり来たりしています。
今頃になって、最初の彫りだしの時に、別のアングルで撮影しておけば良かった、あの作業の撮影が抜けていた、などたまに思い返す事がありますが、次回作の時に反省点を改善しようと思います。
さて最初にお顔を彫刻しています。
すでに仏像の細かな寸法が決まっているので、全体のバランスを見ながら作業をするというよりは、決まっている箇所はどんどんすすめます。
額口、鼻の高さ、口の位置など少し余裕を持たせて、まずは上から見て、お顔の角を落として、顎の角度をつけていきます。
鼻の位置は少し下にずらして切り込みを入れています。
目、鼻、口、手、は難しいランキングの上位にしめています。
お顔はその難しいランキングがたくさん詰まっていますので、100体ぐらい練習しないと、なかなか思うようには彫れないです。
この状態まで彫り込めたら、両肩の接着に取りかかります。
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三千本膠というのを初めて耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
世界中で古くから使われてきた接着剤で、主に日本画などの顔料と混ぜ合わせた定着材として使われています。
温度を三千本膠は、牛の皮や骨から抽出されるタンパク質です。
形状は棒状になっていて、作られるときに一貫(3.75kg)がちょうど三千本になることから、この名前で呼ばれております。
寄木造りの原型の制作のなかでこの三千本を使用するのは理由があります。
原型はあくまでも接着して仕上がるとお湯の中に原型をつけて、バラバラにするのにするのですが、その時に三千本膠だと、きれいにはがれてくれます。
まずは、顔の前後の胴体部分の材料をくっつけますがその前の状態です。
下図が三千本膠です。
三千本膠は非常に固く手で折ろうとしても、なかなか折る事が出来ません。
最初の長い状態で半分に折るのだったら、力のある人なら何とか折ることが出来るかもしれませんが、さらに半分、に折る事は不可能に近いです。
非常に強固な接着剤なので、レジ袋にいれてペンチで折ります。
ある程度細かくできたら、鍋に入れてお湯につけてふやかします。
お湯につけた膠は一日この状態で置いておきました。
使用するときには火をつけて熱を加えて沸騰しないようにして液体状になるまでまぜあわせます。
どろっとした液体状になると、下図の用にへらで接着面を塗りこみます。
目盛りを合わせてそっと半日から一日この状態で置いておくと固まります。
それではじめて彫刻が出来る状態になります。
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前回、線を引いた木を今回は組み立ててみます。
組み立てるとお釈迦様がお座りになっている様子が図面と照らし合わせるとなんとなく想像が出来てくるのではないでしょうか。
一通り周回したところで次にお顔の幅を引いていきます。
幅は一つ半、つまり一寸5分です。
まず最初にお顔の幅をのこぎりでカットします。
のこぎりをあまり使った事がない人にはのこぎりを引くという行為もなれない作業なので斜めに切り落としてしまう可能性があります。
前後左右確認しながら直角に切れているかどうかを小刻みに確認してのこぎりを入れる面も前面、後面、上面
と、前面が1センチは入り込んだら次は上面、そして次は後面、と交互にのこぎりを入れていきます。
次回は、彫刻を始める前の状態までのこぎりを使って進めていきたいと思います。
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今回からようやく木に取りかかります。
下図を参考に木を組み立てました。
用意した木に下図の線の部分を書き込んでいきます。
このときに描く道具はボールペンを使用しています。
原型という事で一度、膠という接着剤でくっつけますが、原型が完成するとお湯につけ込んで膠分をふやかして、バラバラにします。
そのときに内側に描いた線がボールペンだと消えにくいという事と、ボールペンのペン先で圧を加えているので、字が消えたとしても描いた痕跡が残っています。
尺定規にあわせて木取りをしています。
胴体部分の材料で、二寸幅ですが、これはちょうど仏様の胸の幅にあたります。
全ての材料には一寸幅のマス目を定規で引いていきます。
下の写真は、膝前の材料です。
足が交差するぶぶんですが、この材料の場合基準線は真ん中になります。
真ん中から一寸幅のマス目を引いていきます。
膝張り(膝の幅)が額口と同じ5寸なのですが、真ん中からマス目を作っているので端っこのマスは半分の5分の幅です。
これで全てマス目をつける事が出来ました。
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釈迦如来坐像の下図が完成いたしました。
下図を描くときに前から見た姿、横から見た姿を完璧に描こうと考えるとものすごく時間をかけて衣紋線であるしわの一本一本まで丁寧に描くと、あまりうまくいきません。
私はあまり細かい所は気にしていないのですが、下から五つ目の額口であったり膝は一つ分の厚み、胸の幅は二つ分、肘の高さ、耳の高さ、鼻先と口元、目の高さ、などポイントを絞ってきっちりと計っています。
そして、それ以外の部分はフリーハンドで描いています。
大蔵経図像部の平安時代からの転写本などの画像などは、仏像の古代の姿が垣間みれて仏像のお姿が生き生きとして描かれています。
その線はのびのびとした墨線ですが、一尊一尊を近くでよく見てみると、丁寧に描かれているというよりはむしろ軽やかに描かれていて、お顔も左右対称ではないのですが、とても良い表情をしています。
私はまだまだデッサンに固さが出てしまいますが、目標は軽やかで、のびのびとした線を表現できればと思っています。
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