三千本膠というのを初めて耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
世界中で古くから使われてきた接着剤で、主に日本画などの顔料と混ぜ合わせた定着材として使われています。
温度を三千本膠は、牛の皮や骨から抽出されるタンパク質です。
形状は棒状になっていて、作られるときに一貫(3.75kg)がちょうど三千本になることから、この名前で呼ばれております。
寄木造りの原型の制作のなかでこの三千本を使用するのは理由があります。
原型はあくまでも接着して仕上がるとお湯の中に原型をつけて、バラバラにするのにするのですが、その時に三千本膠だと、きれいにはがれてくれます。
まずは、顔の前後の胴体部分の材料をくっつけますがその前の状態です。
下図が三千本膠です。
三千本膠は非常に固く手で折ろうとしても、なかなか折る事が出来ません。
最初の長い状態で半分に折るのだったら、力のある人なら何とか折ることが出来るかもしれませんが、さらに半分、に折る事は不可能に近いです。
非常に強固な接着剤なので、レジ袋にいれてペンチで折ります。
ある程度細かくできたら、鍋に入れてお湯につけてふやかします。
お湯につけた膠は一日この状態で置いておきました。
使用するときには火をつけて熱を加えて沸騰しないようにして液体状になるまでまぜあわせます。
どろっとした液体状になると、下図の用にへらで接着面を塗りこみます。
目盛りを合わせてそっと半日から一日この状態で置いておくと固まります。
それではじめて彫刻が出来る状態になります。
寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る
寄木造りの制作行程 11 釈迦如来坐像 YOUTUBEへ投稿
寄木造りの制作行程 16 釈迦如来坐像 仕上げの段階 (ニコニコ動画の話題の動画に取り上げられました。)