寄木造りの制作行程 釈迦如来坐像
【曲名】 千年の追憶
【サイト名】フリー音楽素材 H/MIX GALLERY
【管理者】 秋山裕和
【アドレス】http://www.hmix.net/
目次
寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る
寄木造りの制作行程 11 釈迦如来坐像 YOUTUBEへ投稿
寄木造りの制作行程 16 釈迦如来坐像 仕上げの段階 (ニコニコ動画の話題の動画に取り上げられました。)
寄木造りと聞いて皆さんはどのような感覚を覚えられるでしょうか。
少し仏像の事を勉強なされた方なら、平安時代後期に定朝さんが完成された仏像制作の技法だと思われると思います。
理系の人間なら、ちょっと図面を見たらその仕組みを一瞬で理解されると思います。
しかし私は非常に飲み込みの悪い人間で、学校の勉強でも成績表を見せたくないような評価でしたが、そんな私が少しずつ、ゆっくりと時間をかけて寄木造りを学ばせてもらいました。
普通の人が10年でマスターするところを、私は15年かけました。
それぐらい飲み込みが悪いのですが、そこで逆転の発想になって考えてみました。
世の中、本を出版する人は賢い人が大半だと思います。
私のような人間にでもわかりやすく教えられるような、テキスト本があったら面白いだろうなあ。
飲み込みの悪い人間が、作るとテキスト本がどのようになるのか少し実験をしてみたいなと思うようになりました。
寄木造りの第一歩として白紙にセンターラインを引きます。
次に、仏像の底辺を線でひきますが、下からの高さは仏像が収まれば適当でよいです。
この定規は一般的なセンチ(メートル法)の定規ではなくて、日本で昔使われていた、竹で出来た、尺の定規です。
この尺の定規、長さが一尺(いっしゃく)が30.3㎝で、その一尺の10分の1のメモリが一寸(いっすん)です。
続いて、一寸の10分の1が一分(いちぶ)です。
つまり
1尺=10寸
1寸=10分
という計算になります。
7列、線を引きましたが、一寸幅で統一しています。
続いて縦の線も7列ほど線を引きましたが、同じく1寸幅で統一しています。
同じマス目を隣のページにも加筆しました。
仏像の髪の生え際の位置が下から5列目になります。
髪の生え際を基準に顔の幅と高さと顎の位置を線で囲います。
続いて、膝の幅が5マス分になるように鉛筆で線を強く引きますが、膝の幅と額口の高さが同じ長さになります。
上図では、膝の幅の位置がマスの半分にあたります。
そして胴体は幅が4マスになるように同じく強く線を引きます。
続いて隣のページの横の図面に移ります。
仏像の左側からみたずめんですが、胴体が2マス分になり、背面から膝先までが4マス分になるように線を強く引きます。
そして、横顔の寸法は鼻先が中心線から1分半(1.5分)ほど後ろに線を引き鼻先から耳の中心までの幅が1寸になるように線を引きます。
そして鼻先から後頭部までの幅が1寸7分になりますが実際には1寸5分に髪の毛の幅1分プラス余分の1分という感じになります。
顎の高さは3寸半目盛り、つまり3.5マス目の位置に切り込み線を入れます。
基準線が決まる、基準の位置を動かさずにフリーハンドで描いていきます。
今回は、ラフに描いてみましたが、時間を置くと新鮮な気持ちで確認する事が出来るので、しばらく放置しておきます。
忘れた頃に、つまり私には何の縁もゆかりもない全くの他人が描いたと思えるぐらいの感覚になると、客観的に見る事が出来ます。
気持ちが乗った状態で一発で完成させようとしても後から修正するはめになります、その手間を惜しんでここで止めておきます。