半分のサイズで能面を彫刻する 小面 7 表面の仕上げ

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裏面を徐々に薄くしていきますが、まだ厚みに余裕のある段階で光りをあてて厚みを確認します。

その時に薄くなっていないか光を通して確認して、もし余裕があると思っていた箇所が実はぎりぎり皮一枚だったという事もあります。

そういう時はその部分に、これ以上彫らないよう印をしておきます。

 

 

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表面の彫刻刀による仕上げは完了しました。

仏像彫刻では仕上がりにサンドペーパーを使用しないのですが、能面の場合彩色を施しますので、表面をなめらかにするためにサンドペーパーを当てます。

本来ならば、この後、裏面には漆をかけて、表面には胡粉という白い色を塗り表面をきれいに白く整えて、肌の色を塗って、髪の毛、目、唇などに彩色を施しますが、今回は能面制作に触れる最初の段階として、木地の状態で仕上げたいと思います。

ですので、表面の仕上げはサンドペーパーで当てるのですが、サンドペーパーの粗さを徐々に細かくして行きます。

 

 

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裏面はこの後、皮一枚、丸刀で削る事を想定して残しています。

 

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半分のサイズで能面を彫刻する 小面 6  目鼻口の穴をあける

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裏面がある程度、彫りだせたら前の目鼻口の穴をあける箇所をきっちりと決めるために、下書きしながら微調整をしていきます。

 

 

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髪の毛の線を入れる事によって、全体のバランスの確認ができます。

そして眉毛もいれて、全体を見ながら目のラインを徐々に決めます。

そして鼻の穴や口の穴も目と同様に微調整しながら決めます。

 

 

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裏面と表面、同時に確認しながら錐を使って基準の小さな穴をまずは目からあけます。

 

 

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そして鼻の穴も錐であけます。

口は下唇の上を幅の細い鋸を使って少しずつ刻みを入れます。

 

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鋸を入れたところは裏面を徐々に彫り込むと鋸で引いたところが見えてきます。

それを基準に裏と表から下唇の膨らみを彫りだします。

目も錐で穴が貫通しているので裏から彫りだして徐々に穴を広げていきます。

そして目の穴は四角にします。

四角くする事で若さを表現します。

少し年を重ねてくると、目の穴を丸くします。

今回は若い女性の表情なので目を四角くしています。

 

 

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半分のサイズで能面を彫刻する 小面 5 裏面を彫りだす

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今回は目と口に穴をあけるための、段階として裏面を彫ります。

面の彫刻は皮一枚残した仕上がっていない状態です。

そして裏面にも穴をあけるので、全体の表面の厚みは最初の段階では薄くしすぎずに大きく残しながら彫ります。

 

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まず最初に横から見た時のラインを彫刻で彫り出していきます。

 

 

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次に大まかに窪みを出していきますが、この段階では大雑把に彫りだします。

 

 

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このぐらいまで彫りだせれば徐々に慎重に彫りだします。

 

 

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表の目鼻口を意識して裏の窪みをつけていきます。

 

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半分のサイズで能面を彫刻する 小面 4

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今回の彫刻は仕上げの2歩手前までを彫刻していきます。

 

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型紙に当てながらも彫刻はしていますが、型紙をきっちりと当てて彫っても彫る人によって表情ががらっと変わります。

大まかには型に当てはまっているのですが、ほんのわずかな凹凸の違いや眼、鼻、口の極々わずかな違いが大きな表情の違いとして出てきます。

 

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この段階ではほぼ型紙通りですが、ここからの微調整が重要になってきます。

室町時代の見本となった能面、実物があれば一番良いのですが、そういうわけにはいかないので、沢山の画像を確認しながら、鉛筆などの筆記用具を使って目元、髪の毛のラインを描き込んで仕上がりを予想しながら微調整を繰り返します。

 

 

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半分のサイズで能面を彫刻する 小面 3

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実際には上の写真のように型紙を沢山載せる事がありませんが、このように各箇所を型紙を使って合うようにきっちりと合わせながら彫りすぎないように少しずつ修正彫りします。

 

 

 

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初めて型紙を使って彫り合わせると、型紙を信じていても本当にここまで彫っても良いんだろうかという疑問が出てきます。

例えば小鼻の幅こんなに狭くても良いのだろうか、唇の両端がここまでへこんでもよいのだろうかと思う事があります。

そんな時は、別の箇所を彫るようにします。

一カ所にこだわりすぎずに全体を合わせながら彫り進めると間違いが少ないように思います。

 

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横からみて輪郭線を鉛筆でなぞっています。

また彫刻を進めていくと消えてしまいますが、どこまでがお面の輪郭線なのかわかっておくと、彫るところのイメージがつきやすくなります。

 

 

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半分のサイズで能面を彫刻する 小面 2

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能面の荒堀開始です。

 

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まずは外側から彫りだします。

 

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次に鼻下に切り込みを入れて口を奥にして鼻を出します。

 

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この一連の彫刻の作業の合間に型紙をあてがって彫っています。

鼻が一番高いので、鼻を出すために口を奥に削りだしています。

そしてある程度外側が削れたら、目鼻の位置が型紙に書いてあるので見本にして鉛筆で目鼻のラインを書き込んで目鼻の雰囲気を出していきます。

 

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追加画像:型紙を使った合わせ方の画像を二枚掲載します。

 

 

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型紙を使って彫刻しているのですが、型紙を使っているところを写真に納めていなかったのでわかりずらいと思います。

型紙をあてがっているところなどの写真も、撮影して後ほど挿入できたらと思います。

 

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半分のサイズで能面を彫刻する 小面 1 

まずは動画から

荒彫りから仕上げまでそのほとんどを2時間半収録しました。

 

 

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今回は、能面の彫刻をします。

能面といっても、半分のサイズです。

なぜ半分のサイズにするのかというと、私自身能面を彫刻したことがあるのですが、製作した能面が実際に能楽で使われるものであれば、サイズをきっちりと合わせて制作します。

しかし実際にはお面を見て鑑賞することだけになります。

私個人的には小さいサイズの能面が好きなんだと思いますが、家に飾っていても洒落た雰囲気で楽しめます。

作るという観点においてもサイズを合わせて、木曽ヒノキの柾目にこだわるよりも、どこにでも手に入る材料で小さいサイズから始めたほうが最初の彫るというスタートを切りやすいからです。

何度か小さい能面を彫ってみて、サイズや材質をこだわりたいという気持ちが高まってきたら、その時に初めて能面を作る本なども出ているのでアマゾンで購入して、しっかりと独学して面打ちを楽しむことをお勧めします。

そしてさらに学びたいと思えば、能面の教室もあります。

ネットで検索するとたくさんヒットすると思います。

私がこれから能面の彫り方を紹介するのは最初のは入り口だと思ってください。

 

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まず最初に能面(小面)の型紙を作ります。

あらかじめ半分のサイズにプリントアウトした能面の断面を型紙に糊で貼り付けます。

 

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すべて貼り付けらえれたら、カッターナイフでカットします。

 

 

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カットできました。

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次に木に合わせて鉛筆で輪郭線をひきます。

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輪郭線にそって木を削りました。

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型紙の中に目鼻口の情報が載っています。

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三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 17  蝶番の古色付け

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今回は三尊像の厨子の金具を取り上げてみたいと思います。

厨子の金具として一番小さな蝶番を手に入れましたが、きらっと光りすぎているので、光を押さえるのに漆とまこもを使って少し落ち着かせたいと思います。

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まずは、蝶番を厨子に合わせてみます。

 

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まこもは多年草のイネ科の植物です。

古い仏像の修復に古色としても用いられます。

 

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最初に漆を蝶番に薄くまんべんなく伸ばします。

 

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釘の頭にも漆をかけます。

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まこもを筆を使って振りかけていきます。

そして小さな釘の頭にも、まこもをふりかけます。

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かけっぱなしですが、この状態で固まるまで置いておきます。

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化仏の入った印籠型の香合佛の彫刻 5

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次にはみ出した化仏の底の部分を筒状の入れ物に合わせて鋸で切り取ります。

 

 

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上の穴は組紐が通る穴です。

 

 

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表面仕上げはサンドペーパーで磨き上げました。

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椿オイルを塗り完成です。

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組紐と化仏を合わせます。

 

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あらかじめ筒に通しておいて、化仏の穴に差し込みます。

化仏の穴の中に接着剤を入れてあります。

 

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最後に化仏を組紐で引っぱり中に挿入したら完成です。

 

 

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