短くなった墨を磨るれるようにしてみました。2

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前回のブログ記事で終わりにしたかったのですが、改めて使ってみると墨を固定させる面積を狭めすぎたために少し力を入れて磨るとすぐに墨と挟み込んだ板がグラッとして取れてしまいました。

意識を集中して、外れない様に磨いだら大丈夫だと思いますが、それもストレスになるので、ギリギリ短くするのはやめて余裕をもたせました。

墨を持つ先の段差を上の画像に比べて面積を増やしました。

寸法は最後に定規を当てていますので長さが確認できると思いますが、墨にも形状の違いがありますので今回ご紹介した寸法にこだわるよりは各々が持っている墨に合わせて寸法を決めていくのが痛い版だと思います。

 

 

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短くなった墨を磨るれるようにしてみました。

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上の画像の左上から

長さ6.5cm  幅3cm   厚み4mm

長さ6cm   幅 3cm   厚み2mm

長さ6.2cm  幅2.6cm   厚み2mm

 

日常的に墨を磨って字を書く機会がある人は非常に少ないと思います。

墨汁は使ったことがあるけど磨ったことがないという人もいるかと思います。

今からご紹介するのは、私が作った短くなった墨を磨るための補助的な板です。

墨は磨り続けると短くなってきます。

短くなった時に墨をするのは難しくなりますが、その時に使う墨を挟み込む板というのも販売していますが、今回はそれよりもさらにシンプルに極限まで厚みを減らして手になじむように制作してみました。

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墨が圧着するところは三種類作ってみました。

まずは内側に段をつけて墨を挟み実際に墨を磨った時に奥に入り込まないようにしています。

 

 

 

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次に内側を斜めに削り落としています。

 

 

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こちらは反対に外側を斜めに削り落としています。

そして、ゴムが引っかかるところに溝を彫ってみました。

 

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ゴムで引っかけたところに溝を薄く彫り込んでおくとずれませんが、溝がなくても問題ありませんでした。

 

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試し磨りです。

墨の用途にあわせて、使い分けていきます。

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京都嵯峨 厭離庵で開催された地歌の会に行ってきました。

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嵯峨の秋風 虫の声

静寂の中で

第二回、厭離庵 地歌の会が本日平成27年10月25日(日)午後2時に開演しました。

約2時間、厭離庵での地歌(尺八、唄、三味線、琴)と休憩時間にお庭の散策、とても優雅なひと時を味わってきました。

厭離庵の場所は京都の嵯峨の清涼寺の近くにあるお庭の美しい山荘の旧跡で当時は藤原定家が住んでいたところでもあります。

そして、小倉百人一首を編さんした処でもあります。

そこを冷泉家が修復し霊元法王より、「厭離庵」の寺号を賜り、安永(1772年)より臨済宗天龍寺派となりました。

再び荒れたこともありましたが、明治43年仏堂と庫裡を建立し、山岡鉄斎の娘、素心尼が住職につき、それより后尼寺となりました。

厭離庵への入り口はとても狭く、どんどん入っていくとさらに狭く暗くなってきて、大丈夫だろうかと思いながらも、しばらく歩き続けると、門が見えてきました。
門をくぐると、不思議と光が差してきて、美しいお庭が姿を現しました。

非公開の場所ということもあり、嵐山の観光客の人混みから離れ、静かな空間でお庭を眺めていました。

厭離庵(えんりあん)の厭という字は飽き飽きしたりもううんざりして、見るのもいやな状態を指す言葉だそうですが、その厭から離れられるようなそんな気分にさせていただけます。

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三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 22 三尊像の完成

三尊像を製作し始めたのが4月30日になります。

あれから半年弱ほどの製作になりましたが、来月そうそうには旅立ちます。

それまでもう少し彫り足りないところなどをもう少し詰めていこうと思いますが、概ね完成しました。

香佛舎 三尊像のギャラリー

 

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三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 21 三尊像の組み立て

今回は蝶番の貼り付けをして扉の開け閉めをできるようにしていきます。

 

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まずは仮組みをします。

 

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前々回、漆とマコモをつかって蝶番の古色作業をしたのが固まった状態が上の画像です。

固まったとはいえ表面をこすると取れてしまうので丁寧に貼り付けます。

 

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まずはテープで固定して所定の位置を確認して、接着剤でとめます。

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備え付けの細い釘を使う前に細いドリルの刃先を手でゆっくりと回しながら穴をあけます。

備え付けの細い釘は長すぎるので長さを3分の1ほどの長さにしました。

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次に扉の真ん中に取り付ける細い板を作ります。

向かって右側の扉の角に取り付けるのですが、まずは毛引きをつかって二箇所切り込みを入れます。

 

 

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真ん中を残して平刀で削り落とします。

 

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毘沙門天側の扉の角に取り付けます。

 

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細い釘もゆっくりと差し込んで完成です。

 

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京都博物館で京都墨彩画壇展とレオナルド・ダビンチと「アンギアーリの戦い」展を観に行きました。

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私のお茶の先生でもあり、日本画家のあき先生が京都文化博物館で墨彩画檀展に作品を出品しています。
デジタルの画像を通してではわからない、線の繊細さや柔らかい筆のタッチ、墨の濃淡の微妙なにじみ具合など実際には見ないと良さが伝わらないと思いますが、お花も生き生きと描かれていてとても上品雰囲気を醸し出していました。
あき先生は、普段の立ち居振る舞いや言葉使いがとても上品で、私はお茶だけでなく色々なことを学ばせてもらっているはずなのですが、なかなか普段の生活では生かされていなくていつも呆れられています。

 

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また同館内ではレオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い展」が開催中でした。
ダヴィンチの絵はとても好きなのですが、ダヴィンチの絵はおそらくないだろうと思っていてあまり興味が無かったのですが、よく見るとダヴィンチの素描が展示されているということを知って大変興味を持ちました。
私は完成していない下書きの絵や未完成の状態の木彫などは特に好きで、以前よりダヴィンチの素描は実物を見てみたいと思っていましたが偶然にも同じ館内でしかも素描は日本初公開ということもありたった2枚の実物のスケッチを見るためにチケットを購入し観に行きました。
本などの印刷物では何度も何度も同じものを見ていたのですが実物を目の当たりにすると、何気なく描いた線一本一本がとても生き生きとしていて本物を見た興奮と相まって素敵なひと時でした。

また文化博内で有喜屋という蕎麦屋さんや前田珈琲が同じ館内にあり、いろんなお店を転々と文化博内で1日ゆっくりと過ごすことができました。

 

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三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 20 中尊の仕上げ

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今回は中尊の仕上げと厨子の台と屋根を取り付けて行きます。

まずは千手観音像の頭の上に一体の化仏と十の面を刻みます。

しかし実際には真後ろに大笑面があるので、その面は見えません。

 

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お面の表情は真ん中の一番上の面が如来形です。

その前に立っている像は化仏です。

化仏の正面の両隣に菩薩面。

それ以外の向って右側の面は忿怒相です。

その反対の向って左側は狗牙上出面(くげじょうしゅつめん)です。

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面の彫刻ですが今回は髪型を菩薩の頭と、如来の頭というおおまかな違いだけで差別化しました。

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次に持物をしっかりと刻みました。

右手で持つのは錫杖。

左手で持っているのは三叉戟です。

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光背の幅が大きいのでその真ん中を刻んで日本の線が放射状に広がっているのを表現してみました。

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額の真ん中にある白毫もあまり目立たないように刻みました。

そして細かい彫り残しを小さく彫り刻んで仕上げていきます。

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三尊並べてみました。

次に厨子の屋根を台を取り付けていきます。

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あともう少しです。

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三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 19 毘沙門天像の仕上げと宝塔の制作

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今回は毘沙門天像の左手に宝塔を彫刻して持たせていきます。

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その前に右手に持たせた三叉戟、光背の向って左側の火炎の彫刻をしてスッキリとさせます。

 

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三叉戟は細くて折れやすいので壁に接して彫りだしています。

 

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顔の表情も細かくなりすぎずに徐々に彫りだしています。

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宝塔の木も前回の飯綱権現像の宝剣の作り方と同じで、細い木の先に彫りだして完成してから切り離します。

 

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完成しました。

 

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丸い穴を左手にあけているのでその穴に合わせて少し眺めに切り取っています。

 

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宝塔を差し込んでみました。

それと全体的にささくれたったところや奥まったところを仕上げて完成とします。

また三尊並べた時に雰囲気を見ながらもう少し仕上げるところが出てくると思います。

 

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三尊像の彫刻 千手観音坐像 飯綱権現立像 毘沙門天像 18 飯綱権現の仕上げと宝刀の彫刻

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三尊像の仕上げをしているのですが、仕上げの段階になると荒彫りの時のような大きな違いがでてこないので、撮影の間隔も仕上げに近づくにつれ長くなってきます。

今回は飯綱権現像の宝剣を彫刻と仕上げにとりかかります。

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現状の写真です。

 

 

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宝剣は、上の写真のように、小さな彫刻なので長めの木の先に宝剣を彫刻して行きます。

 

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宝剣の形が整ったら、この段階で初めて彫刻刀で切り込みを入れて宝剣を切り離すのですが、宝剣を持たす右手に丸い穴をあけて、差し込むので差し込む分の木を余分めに計算に入れて少し長めにしておきます。

 

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右手に宝剣を持たせます。

この段階で違和感が出てくることがあれば微調整をして彫りながら大きさを決めます。

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そして顔の表情の調整や木のささくれを削り取って、仕上げとします。

あとは三尊並べた時にもう一度仕上げ削りをしていきます。

 

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