寄木造りの制作行程 5 三千本(膠)で接着

syaka rippou-21

三千本膠というのを初めて耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

世界中で古くから使われてきた接着剤で、主に日本画などの顔料と混ぜ合わせた定着材として使われています。

温度を三千本膠は、牛の皮や骨から抽出されるタンパク質です。

形状は棒状になっていて、作られるときに一貫(3.75kg)がちょうど三千本になることから、この名前で呼ばれております。

寄木造りの原型の制作のなかでこの三千本を使用するのは理由があります。

原型はあくまでも接着して仕上がるとお湯の中に原型をつけて、バラバラにするのにするのですが、その時に三千本膠だと、きれいにはがれてくれます。

まずは、顔の前後の胴体部分の材料をくっつけますがその前の状態です。

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下図が三千本膠です。

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三千本膠は非常に固く手で折ろうとしても、なかなか折る事が出来ません。

最初の長い状態で半分に折るのだったら、力のある人なら何とか折ることが出来るかもしれませんが、さらに半分、に折る事は不可能に近いです。

非常に強固な接着剤なので、レジ袋にいれてペンチで折ります。

syaka rippou-30

ある程度細かくできたら、鍋に入れてお湯につけてふやかします。

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お湯につけた膠は一日この状態で置いておきました。

使用するときには火をつけて熱を加えて沸騰しないようにして液体状になるまでまぜあわせます。

どろっとした液体状になると、下図の用にへらで接着面を塗りこみます。

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目盛りを合わせてそっと半日から一日この状態で置いておくと固まります。

それではじめて彫刻が出来る状態になります。

前へ   続く

 
寄木造りの制作行程 1

寄木造りの制作行程 2 釈迦如来座像 下図の完成

寄せ木造りの制作行程 3 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 4 木取りの状態 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 5 三千本(膠)で接着

寄木造りの制作行程 6 彫刻開始

寄木造りの制作行程 7 釈迦如来坐像の全体の荒彫り

寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る

寄木造りの制作行程 9 釈迦如来坐像 衣の線

寄木造りの制作行程 10 釈迦如来坐像 衣の彫刻

寄木造りの制作行程 11 釈迦如来坐像 YOUTUBEへ投稿

寄木造りの制作行程 12 釈迦如来坐像 衣紋線を描く

寄木造りの制作行程 13 釈迦如来坐像 衣紋線を刻む

寄木造りの制作行程 14 釈迦如来坐像

寄木造りの制作行程 15 釈迦如来坐像 トースカンを使う

寄木造りの制作行程 16 釈迦如来坐像 仕上げの段階 (ニコニコ動画の話題の動画に取り上げられました。)

寄木造り制作行程 17 釈迦如来坐像 仕上げ

寄木造りの制作行程 18 釈迦如来坐像 螺髪の下図線。

寄木造りの制作行程 19 釈迦如来坐像 螺髪の彫刻開始

寄木造りの制作行程 20 釈迦如来坐像 完成

寄木造りの制作行程 4 木取りの状態 釈迦如来座像

syaka rippou-1

 

syaka dessan-3

 

 

前回、線を引いた木を今回は組み立ててみます。

組み立てるとお釈迦様がお座りになっている様子が図面と照らし合わせるとなんとなく想像が出来てくるのではないでしょうか。

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syaka dessan-2

 

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一通り周回したところで次にお顔の幅を引いていきます。

幅は一つ半、つまり一寸5分です。

 

 

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syaka dessan-3

 

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まず最初にお顔の幅をのこぎりでカットします。

のこぎりをあまり使った事がない人にはのこぎりを引くという行為もなれない作業なので斜めに切り落としてしまう可能性があります。

前後左右確認しながら直角に切れているかどうかを小刻みに確認してのこぎりを入れる面も前面、後面、上面

と、前面が1センチは入り込んだら次は上面、そして次は後面、と交互にのこぎりを入れていきます。

 

 

 

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次回は、彫刻を始める前の状態までのこぎりを使って進めていきたいと思います。

 

前へ   続く

寄木造りの制作行程 1

寄木造りの制作行程 2 釈迦如来座像 下図の完成

寄せ木造りの制作行程 3 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 4 木取りの状態 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 5 三千本(膠)で接着

寄木造りの制作行程 6 彫刻開始

寄木造りの制作行程 7 釈迦如来坐像の全体の荒彫り

寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る

寄木造りの制作行程 9 釈迦如来坐像 衣の線

寄木造りの制作行程 10 釈迦如来坐像 衣の彫刻

寄木造りの制作行程 11 釈迦如来坐像 YOUTUBEへ投稿

寄木造りの制作行程 12 釈迦如来坐像 衣紋線を描く

寄木造りの制作行程 13 釈迦如来坐像 衣紋線を刻む

寄木造りの制作行程 14 釈迦如来坐像

寄木造りの制作行程 15 釈迦如来坐像 トースカンを使う

寄木造りの制作行程 16 釈迦如来坐像 仕上げの段階 (ニコニコ動画の話題の動画に取り上げられました。)

寄木造り制作行程 17 釈迦如来坐像 仕上げ

寄木造りの制作行程 18 釈迦如来坐像 螺髪の下図線。

寄木造りの制作行程 19 釈迦如来坐像 螺髪の彫刻開始

寄木造りの制作行程 20 釈迦如来坐像 完成

寄せ木造りの制作行程 3 釈迦如来座像

kidori-8

 

今回からようやく木に取りかかります。

下図を参考に木を組み立てました。

 

 

 

kidori-1 kidori-7 kidori-4 kidori-5 kidori-6 kidori-2 kidori-3

用意した木に下図の線の部分を書き込んでいきます。

このときに描く道具はボールペンを使用しています。

原型という事で一度、膠という接着剤でくっつけますが、原型が完成するとお湯につけ込んで膠分をふやかして、バラバラにします。

そのときに内側に描いた線がボールペンだと消えにくいという事と、ボールペンのペン先で圧を加えているので、字が消えたとしても描いた痕跡が残っています。

 

kidori10 kidori12

尺定規にあわせて木取りをしています。

胴体部分の材料で、二寸幅ですが、これはちょうど仏様の胸の幅にあたります。

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全ての材料には一寸幅のマス目を定規で引いていきます。

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下の写真は、膝前の材料です。

足が交差するぶぶんですが、この材料の場合基準線は真ん中になります。

真ん中から一寸幅のマス目を引いていきます。

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膝張り(膝の幅)が額口と同じ5寸なのですが、真ん中からマス目を作っているので端っこのマスは半分の5分の幅です。

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これで全てマス目をつける事が出来ました。

 

kidori18

 

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寄木造りの制作行程 1

寄木造りの制作行程 2 釈迦如来座像 下図の完成

寄せ木造りの制作行程 3 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 4 木取りの状態 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 5 三千本(膠)で接着

寄木造りの制作行程 6 彫刻開始

寄木造りの制作行程 7 釈迦如来坐像の全体の荒彫り

寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る

寄木造りの制作行程 9 釈迦如来坐像 衣の線

寄木造りの制作行程 10 釈迦如来坐像 衣の彫刻

寄木造りの制作行程 11 釈迦如来坐像 YOUTUBEへ投稿

寄木造りの制作行程 12 釈迦如来坐像 衣紋線を描く

寄木造りの制作行程 13 釈迦如来坐像 衣紋線を刻む

寄木造りの制作行程 14 釈迦如来坐像

寄木造りの制作行程 15 釈迦如来坐像 トースカンを使う

寄木造りの制作行程 16 釈迦如来坐像 仕上げの段階 (ニコニコ動画の話題の動画に取り上げられました。)

寄木造り制作行程 17 釈迦如来坐像 仕上げ

寄木造りの制作行程 18 釈迦如来坐像 螺髪の下図線。

寄木造りの制作行程 19 釈迦如来坐像 螺髪の彫刻開始

寄木造りの制作行程 20 釈迦如来坐像 完成
 

寄木造りの制作行程 2 釈迦如来座像 下図の完成

syaka dessan-1

釈迦如来坐像の下図が完成いたしました。

下図を描くときに前から見た姿、横から見た姿を完璧に描こうと考えるとものすごく時間をかけて衣紋線であるしわの一本一本まで丁寧に描くと、あまりうまくいきません。

私はあまり細かい所は気にしていないのですが、下から五つ目の額口であったり膝は一つ分の厚み、胸の幅は二つ分、肘の高さ、耳の高さ、鼻先と口元、目の高さ、などポイントを絞ってきっちりと計っています。

そして、それ以外の部分はフリーハンドで描いています。

大蔵経図像部の平安時代からの転写本などの画像などは、仏像の古代の姿が垣間みれて仏像のお姿が生き生きとして描かれています。

その線はのびのびとした墨線ですが、一尊一尊を近くでよく見てみると、丁寧に描かれているというよりはむしろ軽やかに描かれていて、お顔も左右対称ではないのですが、とても良い表情をしています。

私はまだまだデッサンに固さが出てしまいますが、目標は軽やかで、のびのびとした線を表現できればと思っています。

 

syaka dessan-2 syaka dessan-3

 

kidori-1

 

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目次

寄木造りの制作行程 1

寄木造りの制作行程 2 釈迦如来座像 下図の完成

寄せ木造りの制作行程 3 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 4 木取りの状態 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 5 三千本(膠)で接着

寄木造りの制作行程 6 彫刻開始

寄木造りの制作行程 7 釈迦如来坐像の全体の荒彫り

寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る

寄木造りの制作行程 9 釈迦如来坐像 衣の線

寄木造りの制作行程 10 釈迦如来坐像 衣の彫刻

寄木造りの制作行程 11 釈迦如来坐像 YOUTUBEへ投稿

寄木造りの制作行程 12 釈迦如来坐像 衣紋線を描く

寄木造りの制作行程 13 釈迦如来坐像 衣紋線を刻む

寄木造りの制作行程 14 釈迦如来坐像

寄木造りの制作行程 15 釈迦如来坐像 トースカンを使う

寄木造りの制作行程 16 釈迦如来坐像 仕上げの段階 (ニコニコ動画の話題の動画に取り上げられました。)

寄木造り制作行程 17 釈迦如来坐像 仕上げ

寄木造りの制作行程 18 釈迦如来坐像 螺髪の下図線。

寄木造りの制作行程 19 釈迦如来坐像 螺髪の彫刻開始

寄木造りの制作行程 20 釈迦如来坐像 完成

江戸時代 色絵蕎麦猪口の金継ぎ 2

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この高温多湿時期は漆は比較的早く固まります。

それは、温度も関係がありますが、どちらかというと湿度が高いほうが大きいです。

今回、3日間という短い間でしたが、盛り上げておいた木屎漆が刃物で削れるぐらいまで固まっていました。

上下の写真はその削り終えたあとですが、モニターでは見えづらいのですが、細かな隙間が所々あります。

その隙間に錆漆(さびうるし)を埋めていきます。

錆漆は砥の粉(とのこ)と漆を練り合わせてパテのようにヘラを使ってうめていきます。

今回使用した砥の粉ですが、普通の砥の粉よりも粒子が細かい、鳴滝砥の粉(なるたきとのこ)を使用しました。

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下の写真が、錆び漆で穴埋めした状態です。

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あとは固まるまでしばらく放置しますが、これが冬場の作業になると、何もしなければ固まるのがものすごく遅くなります。

では冬場にはどうするのかというと、器が余裕をもって入る段ボールがあればその中に湿らせた新聞紙などを敷き詰めて、器をいれます。

段ボールを閉めたらさらに段ボールに水スプレーをかけビニール袋で覆いかぶせます。

器が入った段ボールの下には一人用の電気カーペットを敷き段ボールを暖めます。

小さい物なら良いのですが、これが段ポールに入りきらない物になると、色々と工夫をしなければならず、出来るなら梅雨の時期から秋口までの間だけ漆作業をしたいですね。

 

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金剛界 63 日天

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日天(梵天:Aditya アーデイトヤ)

この尊像は日天(にってん)です。

右手を胸前で仰げ、その上に日輪を置きます。

左手は拳にして腰に置きます。

この日天尊像は外金剛部二十天の一つで、南方に位置します。

五類天の中では飛行天の一つ。

『金剛頂経』巻10は甘露軍荼利、『賢劫十六尊』の真言では金剛軍荼利としますが、古来より日天とされて来ました。

そのため種字のア、三形の日輪、印相の日天印はいずれも日天のものです。

合掌

kongoukai 63-1

 

 

寄木造りの制作行程 1 釈迦如来座像 下図

寄木造りの制作行程 釈迦如来坐像

【曲名】 千年の追憶
【サイト名】フリー音楽素材 H/MIX GALLERY
【管理者】 秋山裕和
【アドレス】http://www.hmix.net/
目次

寄木造りの制作行程 1

寄木造りの制作行程 2 釈迦如来座像 下図の完成

寄せ木造りの制作行程 3 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 4 木取りの状態 釈迦如来座像

寄木造りの制作行程 5 三千本(膠)で接着

寄木造りの制作行程 6 彫刻開始

寄木造りの制作行程 7 釈迦如来坐像の全体の荒彫り

寄木造りの制作行程 8 釈迦如来坐像 体のラインを意識して彫る

寄木造りの制作行程 9 釈迦如来坐像 衣の線

寄木造りの制作行程 10 釈迦如来坐像 衣の彫刻

寄木造りの制作行程 11 釈迦如来坐像 YOUTUBEへ投稿

寄木造りの制作行程 12 釈迦如来坐像 衣紋線を描く

寄木造りの制作行程 13 釈迦如来坐像 衣紋線を刻む

寄木造りの制作行程 14 釈迦如来坐像

寄木造りの制作行程 15 釈迦如来坐像 トースカンを使う

寄木造りの制作行程 16 釈迦如来坐像 仕上げの段階 (ニコニコ動画の話題の動画に取り上げられました。)

寄木造り制作行程 17 釈迦如来坐像 仕上げ

寄木造りの制作行程 18 釈迦如来坐像 螺髪の下図線。

寄木造りの制作行程 19 釈迦如来坐像 螺髪の彫刻開始

寄木造りの制作行程 20 釈迦如来坐像 完成

 

 

 

 

yosegi syaka-1

寄木造りと聞いて皆さんはどのような感覚を覚えられるでしょうか。

少し仏像の事を勉強なされた方なら、平安時代後期に定朝さんが完成された仏像制作の技法だと思われると思います。

理系の人間なら、ちょっと図面を見たらその仕組みを一瞬で理解されると思います。

しかし私は非常に飲み込みの悪い人間で、学校の勉強でも成績表を見せたくないような評価でしたが、そんな私が少しずつ、ゆっくりと時間をかけて寄木造りを学ばせてもらいました。

普通の人が10年でマスターするところを、私は15年かけました。

それぐらい飲み込みが悪いのですが、そこで逆転の発想になって考えてみました。

世の中、本を出版する人は賢い人が大半だと思います。

私のような人間にでもわかりやすく教えられるような、テキスト本があったら面白いだろうなあ。

飲み込みの悪い人間が、作るとテキスト本がどのようになるのか少し実験をしてみたいなと思うようになりました。

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寄木造りの第一歩として白紙にセンターラインを引きます。

 

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次に、仏像の底辺を線でひきますが、下からの高さは仏像が収まれば適当でよいです。

 

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この定規は一般的なセンチ(メートル法)の定規ではなくて、日本で昔使われていた、竹で出来た、尺の定規です。

この尺の定規、長さが一尺(いっしゃく)が30.3㎝で、その一尺の10分の1のメモリが一寸(いっすん)です。

続いて、一寸の10分の1が一分(いちぶ)です。

つまり

1尺=10寸

1寸=10分

という計算になります。

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7列、線を引きましたが、一寸幅で統一しています。

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続いて縦の線も7列ほど線を引きましたが、同じく1寸幅で統一しています。

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同じマス目を隣のページにも加筆しました。

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仏像の髪の生え際の位置が下から5列目になります。

髪の生え際を基準に顔の幅と高さと顎の位置を線で囲います。

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続いて、膝の幅が5マス分になるように鉛筆で線を強く引きますが、膝の幅と額口の高さが同じ長さになります。

上図では、膝の幅の位置がマスの半分にあたります。

そして胴体は幅が4マスになるように同じく強く線を引きます。

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続いて隣のページの横の図面に移ります。

仏像の左側からみたずめんですが、胴体が2マス分になり、背面から膝先までが4マス分になるように線を強く引きます。

そして、横顔の寸法は鼻先が中心線から1分半(1.5分)ほど後ろに線を引き鼻先から耳の中心までの幅が1寸になるように線を引きます。

そして鼻先から後頭部までの幅が1寸7分になりますが実際には1寸5分に髪の毛の幅1分プラス余分の1分という感じになります。

yosegi syaka-12

顎の高さは3寸半目盛り、つまり3.5マス目の位置に切り込み線を入れます。

yosegi syaka-13

基準線が決まる、基準の位置を動かさずにフリーハンドで描いていきます。

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今回は、ラフに描いてみましたが、時間を置くと新鮮な気持ちで確認する事が出来るので、しばらく放置しておきます。

忘れた頃に、つまり私には何の縁もゆかりもない全くの他人が描いたと思えるぐらいの感覚になると、客観的に見る事が出来ます。

気持ちが乗った状態で一発で完成させようとしても後から修正するはめになります、その手間を惜しんでここで止めておきます。

続く

江戸時代 色絵蕎麦猪口の金継ぎ 1

edo kintugi-1

今回、修繕する器は江戸後期の色絵の蕎麦猪口です。

依頼された方は、大切な人とお茶を楽しむために使われていましたが、少しかけてしまい直してほしいという事で私の手元で修復させていただく事になりました。

修復箇所は一カ所、ほつれた部分がありますので、その部分を木屎漆(粉末状の木と漆で練り合わせたもの)で埋めてはみ出た部分を彫刻刀で削り落とすのが今回の流れになります。

edo kintugi-2

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陶磁器には、大きく分けて二種類あります。

土が原料の陶器

石が原料の磁器

今回は石が原料の磁器です。

磁器の場合、表面がツルッとして滑らかなため木屎漆だけで固めても後でぺろっと剥がれる場合があります。

そのために、磁器の表面に麦漆(小麦粉と漆を練ったもの)を薄く塗りこみます。

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盛り上げすぎないように薄い膜をつくります。

次に、木屎漆を作ります。

木屎漆の材料は焼き挽粉と漆を練り合わせて作りますが、焼き挽粉は、粉末にした檜(ひのき)を焦がさないようにチョコレート色になるまで丁寧に火であぶったものです。

粉末にした檜を火であぶる事により、水分が飛んで少し体積が小さくなります。

そうする事で収縮を防ぎ、強固になります。

 

 

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木屎漆で埋めた状態です。

 

 

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今回は埋めるところまで、漆が固まるまでしばらく待ちます。

次へ

 

金剛界 61 梵天 

kongoukai 61-2

梵天(梵天:Brahma ブラフマー)

この尊像は梵天(ぼんてん)です。

梵天像のお姿ですが、右手に紅蓮華を持ち、左手は臍前におきます。

外金剛部二十天の一で、東方に位置します。

五類天の中では三界主の一。

十二天のとしては上方の守護を司ります。

密号の寂黙(mauna)は古代インドの修行者の総称の牟尼(muni)に由来しています。

牟尼は宇宙の根本存在である梵(ブラフマン)との一体感を求めて思索し、ひたすら沈黙の生活に徹しました。

釈尊もそのような宗教者の一人で釈迦牟尼と呼ばれています。

ブラフマンは元来ヴェーダ聖典の讃歌などの神秘的なことばを意味していました。

後に宇宙創造の神話が発達すると創造主として、生類の主(ブラージャーパティ)などが現れるに至りました。

根本原理であった梵は神格化され、梵天となりました。

梵天は宇宙の創造を司る最高位を占めます。

しかし、後世のヒンドゥー教の宇宙論では、創造・維持・破壊の中、創造の一部門を司る地位に後退しました。

梵天は仏教においては、釈尊の成道に際し、帝釈天と共に説法を懇願し、また仏教守護の善天として知られています。

仏教の世界観である須弥山世界にあっては、色界の初禅天に位置しています。

合掌

 

kongoukai 61-1

 

金剛界 60 金剛摧天 

kongoukai 60-2

金剛摧天 (梵名:Vajravikirana ヴァジュラヴィキラナ)

この尊像は、金剛摧天(こんごうざいてん)です。

体は人ですが、頭は象です。

右手で傘蓋を持ち、左手を添えます。

毘盧耶迦(びなやか)の一類。

外金剛部二十天で、東方に位置しています。

名前のヴィキラナは粉砕を意味しています。

密号の舜拏はサンスクリット語のシャウンダ(Saunda)が当てられ、酒精、酔いを意味しています。

合掌

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