金剛界 59 倶摩羅天

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倶摩羅天(梵名:Kumara クマーラ)

この尊像は倶摩羅天(くまらてん)です。

青緑色で童子のお姿をしていて、左手は拳にして腰に当てます。

右手は胸前で鈴を執ります。

外金剛部二十天の一で、東方に位置しています。

古いインドの名前、梵名のクマーラは少年や童子という意味のようで『金剛頂経』巻10では童子天と呼ばれています。

サンスクリットでは、この尊像の名前をサナトクマーラ(永遠の青年)としています。

サナトクマーラは梵天の息子とも軍神スカンダともいわれています。

そして、倶摩羅天は大自在天の子とされており、その理由から『大日経疏』では混乱が見られ、スカンダを童子天と呼んでいます。

合掌

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金剛界 27 金剛鬘菩薩尊像

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金剛鬘菩薩尊像(梵名:Vajramala ヴァジュラマーラー)

この菩薩さまは金剛鬘菩薩(こんごうまんぼさつ)です。

天女のお姿で、両手は華鬘を持っています。

内の四供養の一尊で、成身会などの諸会の西南の月輪に位置します。

この菩薩さまは大日如来が南方の宝生如来を供養するために出生しました。

『金剛頂経』によれば宝鬘をもって供養する、とあります。

ここでは手に持つ華鬘は宝生如来の福智の二徳を讃えたもので、大日如来は金剛鬘菩薩を出生することをもって供養の意を表します。

合掌

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金剛界 24 金剛牙菩薩尊像

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金剛牙菩薩尊像(梵名:Vajrayaksa ヴァジュラヤクシャ)

この菩薩さまは金剛牙菩薩(こんごうげぼさつ)です。

お姿は、二手を金剛拳にして、外に向け、胸に当てます。

不空成就如来の四親近のうちの一尊で、不空成就如来の東(図では下)に佇んでいます。

梵名のヴァジュラヤクシャは金剛薬叉(ヤクシャ)という意味です。

薬叉は、インドのヴェーダ以前に遡って、古くから信じられた霊的な存在です。

初期の仏教では仏法の守護神として説話や仏塔彫刻などに端正な表情をした姿で登場します。

次第に羅刹と並んで猛々しいものと見なされ、人を食べる悪鬼と信じられました。

しかし、インドの神話では怪奇ではあるけれど、悪人のみを食べ、善人を守るとも信じられ、仏教の神話に取り入れられたようです。

『金剛頂経』には、口に金剛牙を持つ尊です。

この牙で一切の魔を摧伏するので摧一切魔菩薩ともいわれ、『理趣経』などにも登場します。

合掌

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金剛界 23 金剛護菩薩尊像

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金剛護菩薩尊像(梵名:Vajraraksa ヴァジュララクシャ)

この菩薩さまは金剛護菩薩(こんごうごぼさつ)です。

二本の手を胸前で金剛拳にして人差し指を伸ばし、端を相い対します。

不空成就如来の四親近のうちの一尊像です。

不空成就如来の西(画像では上)に位置します。

尊名の金剛護の「護」というのは、身を保護するものを意味します。

『金剛頂経』では、衆生界を救護し、また一切如来が金剛堅固な身を得ることであるとされています。

大乗仏教の菩薩行の理想では、菩薩は勇敢に衆生の救済に努めるのでありますが、そのためには菩薩の身を堅固に護らねばならない。

その場合に菩薩を護るのは菩薩行に努める精進であるとされました。

これが六波羅蜜のうちの精進波羅蜜です。

この尊像の密号を精進金剛としているのもそのためです。

武士が戦場で身を護るのに喩えて、甲冑で表しますが密教でも、この思想を取り入れ修法のはじめには身口意の三業を浄めて、菩薩の境地になって、甲冑を着る思いをして印契(いんけい)を結び、真言を唱えることを必ず行います。

甲冑を着て、制服し難いものに果敢に立ち向かうから、密号を難敵金剛とも呼ばれています。

また、この甲冑は菩薩行の基礎になる慈愛の心でもあるとされています。

合唱

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金剛界 22 金剛業菩薩尊像

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金剛業菩薩尊像(梵名:Vajrakarma ヴァジュラカルマ)

この菩薩さまは金剛業菩薩(こんごうごうぼさつ)です。

左手は金剛拳にして腰におき、右手は羯磨杵を掌に載せ胸前におきます。

不空成就如来の四親近のうちの一尊像です。

副成就如来の南(画像では左)に位置します。

『金剛頂経』では、毘盧遮那如来がヴィシュバカルマンという菩薩の誓願によって、仏の働きを加持して金剛堅固にする三摩地に入って、仏のあらゆる衆生救済の働きを可能にするとされる。

ヴィシュバカルマンとは『金剛頂経』では、四波羅蜜のうち羯磨波羅蜜菩薩となった毘盧遮那如来の属性としても説明されます。

元来インドでは、ヴェーダの時代にはブラフマンと同体とされ、宇宙の建立の働きをするとされ尊崇された尊格のです。

この遍満する働きを仏の働きに認めたのが『金剛頂経』といえます。

合掌

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動画の道具、回転台

 

 

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すでに20本近くの動画をアップしているにもかかわらず特にビデオ撮影では、まだまだ思っているように撮影できていません。

写真などの画像を使った動画は比較的きれいに仕上がるのですが、ビデオカメラからの映像は動きがぎこちなさがでてきます。

最近ではモチーフを回転させて撮影していますが、その回転台を手に入れるのに少し苦労しました。

以前100円ショップで回転台が販売していましたが、とくに使う用途がなかったのでその時は手に入れる事がありませんでした。

しかし、動画を撮影するのに回転台があれば便利だと思い、早速100円ショップに行ってみました。

どこにも見当たらないので店員さんに聞いてみると販売していないという事で、しょうがないので別のお店で、もう少し販売フロアの広い100円ショップに行けばあるだろうと思い、行ってみましたがそちらにもありませんでした。

ホームセンターにはあるだろうと思ったのですがありませんでした。

ロフトにも高島屋にもなく、京都に新しくできた東急ハンズにも興味があったので見に行くついでに確認してみるとそこにもありませんでした。

わたしはすぐに見つかると高をくくっていたのと、今すぐ欲しかったので、ネットを利用する事は考えていませんでした。

しかたがなくネットで手に入れました。

じつはネットでは盆栽を鑑賞する為の回転台として販売されていました。

届いてから早速使ってみました。

回転は紐で引っ張って撮影する事に届く前から決めていましたが、簡単に回転することができませんでした。

紐を回転台の軸にぐるぐると何重にも巻き付けてから引っ張ると簡単に回ってくれると思っていたのですが、紐が絡まって上手に回転させることができませんでした。

そこで回転台に改良を加えました。

 

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改造した部分に、紐が入っていき、軸に絡まる事もなく、中心軸からは離れているので、回転もスムーズで4回転ぐらいは楽にかいてんさせることができます。

盆栽用の回転台をこんな風に使うなんて送った人は全く想像していないでしょう。

盆栽の説明用紙はわたしに読まれる事はなく、すでにどこかにいってしまいました。

 

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木彫りの初音ミク 完成

 

長くて短い10日間でした。

ようやく木彫りの初音ミクの着物姿をお披露目することができます。

材料は木曽檜で彫刻刀だけで仕上げていきました。

話は変わりますが、六本木ヒルズや高級スポーツカー、最先端を走っている人や物、建物などとは反対に、その真逆を仏師なり伝統工芸といわれる工芸技術者がいます。

1000年以上前から守り伝えられた伝統工芸は、どちらかというと新しさと真逆のようなところもあります。

私はフェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニなど、乗りたいと思いますが、実際には手に入れる事はないでしょう。

しかし不思議に思うのですが、仏師や伝統工芸士といわれている人がスポーツカーに乗ると決して良くは思われない。

なぜ良く思われないのかというのはみなさんも感覚的によく分かっていらっしゃると思います。

特に伝統的色の強く、研鑽をつんでいるようなイメージのある技術などは、知らず知らずのうちに遊び心をセーブしているのではないだろうか、と感じることがあります。

私の初音ミクデビューは、遊び心を解き放つ、その第一歩になればと思います。

日本には欄間があります。

日本建築の内装の木彫装飾としてふすまなどの上によく見られますが、日本建築だけでなく、六本木ヒルズの内装に合う現代的で、技巧的で、デザインセンスのある欄間が、ITベンチャー企業のワンマン社長の独断と偏見で六本木ヒルズの内装に造られたら面白いだろうなあと、勝手ながら想像していました。

予算は1億円で、一流のデザイナーに作図してもらい、贅沢な材料で、最高の技術を使って、作り上げられたらどれだけ面白いだろうか。

見るだけで、わくわくします。

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目次

初音ミクの全身像の彫刻 1(着物)

木彫りの初音ミクの途中段階 2

初音ミクの全身像の仕上げ前の段階 3

初音ミクのお顔の修正 4

木彫りの初音ミク 5 完成

金剛界 17 金剛法菩薩尊像

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金剛法菩薩尊像(梵名:Vajradharma ヴァジュラダルマ)

この菩薩さまは金剛法菩薩(こんごうほうぼさつ)です。

左手で胸前で蓮華を持ち、右手でその一弁を開いている姿を表しています。

無量寿如来の四親近のうちの一尊で、無量寿如来の東(図では下)に坐っています。

胎蔵界曼荼羅では観自在菩薩です。

観自在菩薩は煩悩に汚れた凡夫の世界を、本性は蓮華のごとくに清らかであると観察し、言葉にいい表せない正しい教えを説法して衆生を救済するので、このように尊名を金剛法菩薩とも称されています。

持っている蓮華は清らかな菩提心を象徴している。

凡夫の説法によって菩提心が発されずにいますが、この尊の正法の説法によって菩提心が発されます。

その有様を、この尊が左手に持つ蓮華の花弁を右手で開くことで象徴します。

合掌

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初音ミクのお顔の修正 

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連日、お顔の修正に取り組んでいました。

細目の平刀、丸刀、極浅丸刀、など細かい彫刻刀を駆使して微妙な顔の面を小刻みに修正していました。

仏像のお顔では、あご回りは風船を膨らませたかのように丸く膨らんでいます。

しかし初音ミクのフィギュアなどは、あごが尖がっています。

私は、仏像のお顔を沢山彫っているせいか、仏像のお顔の膨らみを作るのには慣れているために尖らすのに躊躇していました。

いつもの彫癖を打破すべく、思い切ってとは言わず、恐る恐るあごを尖らせたり、鼻を極度に小さくしたり、目を大きくしたり、と不安を抱えながら彫り進めていきました。

何とか今日、仕上げの一歩手前まで進むことができました。

 

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目次

初音ミクの全身像の彫刻 1(着物)

木彫りの初音ミクの途中段階 2

初音ミクの全身像の仕上げ前の段階 3

初音ミクのお顔の修正 4

木彫りの初音ミク 5 完成

初音ミクの全身像の仕上げ前の段階

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今回の彫刻で一気に仕上げようと思っていたのですが、お顔の表情がなかなか決まらず、表情の微調整をもう少し詰めていけば、後は仕上げる段階に移りたいと思います。

しかし、これ以上触ると、表情が崩れていきそうなので一時休みます。

今までに私は、仏さまのお顔は当然のこととして、人間の顔も挑戦したことがありましたが、人間でもない仏さまでもない、キャラクターのお顔はまさに未知の領域だったと彫進めながら漠然と思っていました。

彫る前の私はアニメの顔は簡単なのではないだろうかという勝手な思い込みがあったのだと思います。

しかし、目が普通ではありえないぐらい大きな目をしていたり、全体のデフォルメのやり方など、かなり難しいと感じていました。

芸子さんをモデルにしているので、楽しい表情、真剣な表情、崇高な自尊心、美しいしぐさ、などが表情に織り込まなければいけないのだと思いますが、目が大きいのでそれがかえって表情を作るうえで難しくしています。

あと少しで仕上げだとはいえ、実際に彫り始めるとあっという間に4時間ほど経過していたという事にもなりかねません。

着物姿をどこまで細く見せるのか、それも気を使っています。

あまり細すぎても、力が抜けたような雰囲気にもなるし、初音ミクの細さと着物の厚み等を考え、ちょうど良いバランスの細さにしていきたいと思います。

 

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目次

初音ミクの全身像の彫刻 1(着物)

木彫りの初音ミクの途中段階 2

初音ミクの全身像の仕上げ前の段階 3

初音ミクのお顔の修正 4

木彫りの初音ミク 5 完成