二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ

今回は二種類の砥石を使って彫刻刀を研いでみたいと思います。

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左からキングの中砥石 800番 (数字が大きいとよりきめ細かくなり仕上げの砥石に近づきます。)

真中 天然仕上げ砥石 (規格外の砥石です。小さな彫刻刀などはこのぐらいの大きさでも研げます。)

右  印刀の彫刻刀 (刃が斜めについている彫刻刀を印刀と呼びます。)

 

 

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キングの中砥石はキングという商品名で販売されています。

人造の中砥石で今回800番を使っていますが、1000番などもあります。

数字が大きいときめ細かくなりより仕上げの砥石に近づきます。

 

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15分程水に浸しておきます。

よく水を吸う石なので、あらかじめ水を含ませておきます。

そうする事で彫刻刀を研ぐときに滑りが良くなります。

 

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彫刻刀を砥ぐ前の状態です。

 

 

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まずは刃の表側の面をきっちりとつけます。

人差し指か薬指を使って彫刻刀の面がピッタリと付くように指で押さえます。

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慣れてくると片手でも出来るようになりますが、最初のうちは両手で研ぎます。

しかし道具が小さくなると片手の方が、より安定して研ぐ事が出来ます。

 

 

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まだ面が完全に研げていませんので刃先が平らになるように確認しながらさらに研ぎます。

 

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面が平らになりました。

 

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仕上げ砥石です。

この砥石は、鳴滝砥石の黄板という種類です。

天然の仕上げと石の場合、水には浸さず研ぐ直前に軽く水をかけるだけで良いです。

 

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中砥石と同様に研いでいきますが、仕上げ砥石で研ぐ場合軽く力を加えるだけにしておきます。

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裏面も研ぎます。

小さな仕上げ砥石なので、持ち上げて軽く研いでいます。

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完成しました。

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試しに削ってみます。

研ぎ残しがないかチェックします。

筋が入っているともう一度研ぎ直します。

以上、彫刻刀の研ぎ方でした。

 

道具の種類

 

彫刻刀に柄をつける

 

彫刻刀の柄を割って作る

ペンケースに入れる彫刻刀を改良してみる

二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ

彫刻刀の刃先が欠けたら

丸刀の研ぎ方

彫刻刀の柄を削って丸刀の刃先を長くする

彫刻刀の柄の先に糸を巻き付ける

 

比例コンパスを使って原型を元にして仏像を彫刻

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15年前には、大きめの文房具店に行けば比例コンパスが置いていたのですが、今ではどこも姿を消していました。

比例コンパスが壊れたので、新しく買い足そうと思い軽い気持ちでお店を回っていたのですが、店頭で購入するのはあきらめてネットで購入する事にしました。

最近では拡大縮小を比例コンパスというアナログを使う機会が減少しているのでしょうか、少し寂しくも感じますが、寄木造りで比例コンパスはなくてはならない大切な道具です。

 

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比例コンパスには目盛りがついているので、倍率が決まればそ目盛りを合わせていきますが、目盛りだけをたよりに決めると、少し誤差がでてきます。

その誤差を修正するために片方を定規の目盛り一尺に合わせて3倍ならもう片方が3尺になるように調整していきます。

下の木で作った比例コンパスは、コンパスが届くまで即席で作ったコンパスで、コンパスの先を微調整して削りながら決められた倍率に合わせて作りました。

軸が少し緩くなったので、この軸の部分がしっかりと固定が出来たら使い勝手はさらに良くなると思います。

きっちりと作る前に比例コンパスが届いたので木のコンパスは完成が延期になりました。

 

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江戸時代 色絵蕎麦猪口の金継ぎ 1

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今回、修繕する器は江戸後期の色絵の蕎麦猪口です。

依頼された方は、大切な人とお茶を楽しむために使われていましたが、少しかけてしまい直してほしいという事で私の手元で修復させていただく事になりました。

修復箇所は一カ所、ほつれた部分がありますので、その部分を木屎漆(粉末状の木と漆で練り合わせたもの)で埋めてはみ出た部分を彫刻刀で削り落とすのが今回の流れになります。

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陶磁器には、大きく分けて二種類あります。

土が原料の陶器

石が原料の磁器

今回は石が原料の磁器です。

磁器の場合、表面がツルッとして滑らかなため木屎漆だけで固めても後でぺろっと剥がれる場合があります。

そのために、磁器の表面に麦漆(小麦粉と漆を練ったもの)を薄く塗りこみます。

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盛り上げすぎないように薄い膜をつくります。

次に、木屎漆を作ります。

木屎漆の材料は焼き挽粉と漆を練り合わせて作りますが、焼き挽粉は、粉末にした檜(ひのき)を焦がさないようにチョコレート色になるまで丁寧に火であぶったものです。

粉末にした檜を火であぶる事により、水分が飛んで少し体積が小さくなります。

そうする事で収縮を防ぎ、強固になります。

 

 

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木屎漆で埋めた状態です。

 

 

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今回は埋めるところまで、漆が固まるまでしばらく待ちます。

次へ

 

彫刻刀の手入れ

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彫刻刀の手入れというのは刃先が常に鋭利な状態に保つために、定期的に研ぐことです。

研ぎ方としては二通りあります。

砥石で研ぐ方法と研磨機で研ぐ方法です。

研磨機は、円盤状の砥石を電動で回転させて刃先を当てて研ぎます。

円盤状の砥石は荒砥石、中砥石、仕上げ用の柔らかい円盤の三種類があり、それらすべて回転しています。

研磨機で研ぐと早く砥ぐことができますが、やはり砥石で研いだ方が鋭い刃がつきます。

私はブログと香佛舎のウェブサイトを早く形にさせたかったので、最近はほとんど研磨機で研いでいました。

研磨機でも仕事に差し障るという事はないのですが、今日ようやくウェブサイトが一段落ついたので、改めて道具を砥石で研いでいました。

研ぐという行為は、気持ちが良いものだなあと、久しぶりにその快感に浸ることができました。

私は座禅をマスターしているわけではないので、偉そうな事を言えませんが、座禅では考えないようにしなければいけないのですが、それってものすごく難しいことで、考えないようにと思えば思うほど考えていることになります。

5秒ぐらいは考えていない状態は続いていたのかもしれませんが10秒は持ちません。

しかし砥石を研いでいるときは、今から思うと何も考えない状態が続いていたのかもしれません、研ぐという事に集中しているので、あまり他のことを考えなくてすみます。

少しでも角度が変わると良くないので角度を変えずに一定のリズムで押しては引き押しては引きの繰り返しです。

厳密には考えているのかもしれませんが、私は懐古主義にはあまりなりたくないのですが、しかし昔の人は今の人以上にたくさんの手間が日常生活に組み込まれていたと思います。

よく骨董市で見かける古い道具を見ると何気なく細工を施してあったり、ちょっとした遊び心を感じる瞬間があります。

もしかしたら、手間を楽しんでいたのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美しい天然砥石

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木彫、大工、宮大工などが使う鑿(のみ)や彫刻刀のような刃物には砥石は必需品です。

すでに私が生まれる前に特殊研磨機が登場し、また天然砥石の代わりに人造の砥石も登場した

りして、天然砥石の出番が少しずつ少なくなってはいるものの、それでも天然砥石には人々を

惹きつける何かがあります。

京都高雄周辺で採掘されている天然砥石はもともと放散虫という極微細な化石が海底でゆっくり

と体積して2億年ほどの歳月をかけて、今の砥石の形になりました。

極微細な放散虫ですが、拡大していくと重力の関係で下のほうが重く大きくなるので、必然的

に鋭いほうが上に向きます。

すると、その鋭く尖ったほうがすべて上を向いている状態の面ができます。

人造砥石のように人の手で作られた砥石は陶磁器のように焼しめて作られますので天然砥石の

ように粒子のとがった部分が上に向いていないという違いがあります。

しかしながら人造砥石も研究に研究が重ねられ天然砥石の欠点を補う形で、粒子の大きさを指

定したり、材質の均一化であったり人造も大変重宝されています。

天然砥石は長切れするといわれていますが、天然砥石で研ぐと放散虫の鋭利な部分の面でで研ぐ

ことになります。

鋭利な部分で研ぐという事は非常に細かいぎざぎざが刃先に残り、それがのこぎりのような役割

を果たしているとも言われています。

もちろん目視することができない超微細な世界の話です。

しかしながら私が天然砥石に魅せられたのは使っていて心地が良いからですが、それは道具とし

美しいという事があります。

どんな道具にも言えることだと思いますが、実用的で美しい道具は使いやすさだけでなく、作業

のモチベーションを上げてくれます。

モチベーションが上がると良いものを作りたいという気持ちになり、結果として良い循環がおこ

ります。

天然砥石の美しさに魅せられて手に入れるとき、その動機づけとして、研究結果などを持ちだし

て納得して手に入れるという、私みたいな人も中にはいるのではないでしょうか。

 

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上の写真は私の使っている砥石の一部です。

すべて京都高雄周辺で採掘された砥石で、左から鳴滝砥石、素板、からす、内曇り、

黄板、一番右の小さい砥石は上が、黄板、下が素板です。

 

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この砥石はよく使います。

このように形が不揃いの砥石というのは質が良くても比較的安く入手することが可能

です。

固定できるように台をつけて使っています。

小さな彫刻刀などを研ぐときには重宝します。

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拡大

 

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黄板

 

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素板

見た目からして堅く見えますが、意外と柔らかい砥石です。

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からす

石自体が硬いので初めて砥石を使われる人には向いていないです。

しかし、研ぎあげるととても良い刃をつけてくれます。

 

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水を数滴たらし、彫刻刀を研いでいる最中です。

そうすると研ぎ汁が出てきます。

この研ぎ汁も水で流し捨てずに、そのまま研いでいきます。

汁も重要な役目を果たしています。

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漆のヘラ

 

漆のヘラ

 

漆塗りと聞いて筆などを使ったペイントをイメージされる方も多いかと思いますが、下地を作り何層も重ねて最後の段階で地の色(黒や朱色など)を筆(漆刷毛)で塗り、また上絵を筆で塗ります。

筆といっても、本職の方などは漆刷毛という人の髪の毛でできた刷毛を使います。

現在では、人毛でないものも出てきています。

話がそれましたが、漆を塗る作業の前の下地を作る作業も重要な工程の一つで、初めて塗られる方、慣れていない方などが漆を塗ると凹凸ができたり、小さな異物が混入したりしてなかなか思うように仕上がらないと思います。

それらの問題の多くは下地の面がきちんと仕上げられていないことがあります。

下地の面の凹凸や小さな穴も完全にふさぎ平らにすることにより、塗り終えた後の仕上がりは美しくなります。

本職のように完璧にはいきませんが、下地を改善することにより、見違えるような出来栄えになると思います。

そして下地にはヘラを使います。

本職で漆をされる方の塗師刀(ヌシガタナ)という直刀ですが短刀のような刃物を使って木のヘラを作られます。

私は、塗師刀を持っていませんので代用で少し小さめの鉋(かんな)と彫刻刀を併用して作ります。

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ヘラを削る前の状態です。

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今まで使っていたヘラです。

参考にしながら複数本作ります。

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鉋(かんな)で表面、裏面、両サイド面を削ります。

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本職の方は塗師刀をつかいますが、私は彫刻刀を使い角度をつけます。

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彫刻刀で角度をつけた面を鉋で仕上げます。

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完成です。

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右側3本のヘラは柔らかくて薄い金属でできています。

とても使いやすいので木のヘラと併用して使っています。

 

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仏像彫刻の道具について

仏像彫刻の道具

 

上の写真は、私の愛用の道具の一部です。

 

数えた事はないですが100本以上あるのではないかと思います。

仏像を本格的に彫る場合は彫刻刀が沢山必要になります。

仏師さんがテレビや雑誌、ネットなどで仏像を紹介している場面がありますが、その片隅にある道具に興味をもたれたりする方もおられます。

同業者ならなおさら、どんな道具だろうかと気になる所だと思います。

そんなたくさんの道具をどのように使うのか、どのような気持ちで接しているのかという事を少し掲載してみたいと思います。

 

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他にも、彫刻刀以外に仏像を造る道具は沢山の道具があります。

掲載した画像は一部ですが、まずは沢山ある彫刻刀の中でも特に、頻繁に使う道具として印刀という下の写真のような道具があります。

使用頻度が高く、さらにその下の画像の平刀という道具も印刀に続けてよく使います。

この印刀や平刀は刃の部分に少しアールがある刃と真っすぐな刃があります。

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そしてもう一つ代表的な彫刻刀として、すぐ上の画像の彫刻刀ですが、丸刀があります。

丸刀と書いてマルトウと普通は呼びますが、私たちはガントウと読んで使います。

丸刀は、彫り始めの粗彫りの段階では極力使わないようにしています。

丸刀を粗彫り段階で使用すると、木を彫りすぎてしまう恐れがあるのと、もう一つ粗彫り段階で丸刀を使いすぎると、木彫が慣れてない人のように見えてしまう場合があります。

つまり、初心者の段階では丸刀や三角刀などを粗彫り段階で使用すると、とても使いやすくて多用してしまいます。

そうすると、木彫の全体のバランスがうまくとれない事が多いのです。

かといって初めて彫る人にいきなり印刀や平刀を使って高度な彫刻を粗彫りでかっこ良く彫ってもらうのは技術的にもできない事なので、私は、楽しんで彫るぶんには何を使ってもよいと思います。

現に私も、昔は丸刀や三角刀を早い段階で使用して、彫りすぎて失敗したりしたり、どこを彫れば良いのかわからなくなってしまう経験は数えられないぐらいあります。

だれでも、沢山彫刻刀を握り、数をこなす事で手が慣れてきて粗彫りをかっこ良く見せたいという意識を持ち続けたら、いずれ粗彫りの段階でもかっこ良く彫れるようになります。

かといって全く丸刀を使わずに粗彫りをしてはいけないということはなくて、彫る対象の形状や、隙間など丸刀をつかわなければどうしようもないときもあります、そんな時は丸刀と粗彫りで使いますが、彫り始めのときは外側から内側へ彫りすすめます。

ではどうして外側から内側かというと、まず外側のアウトラインを粗彫りで彫ります、そして頭、肩、胴体、足先、と外側のアウトラインから内側に向かって彫り進めると、修正がしやすいのですが、例えば早い段階で衣を作ると、その段差がずっと残り、後で少し広げたいと考えても狭まったものは広くできないので、全体の体のバランスが決まってから、次の段階で衣のラインを考えます。

粗彫りがすんだ後、この丸刀が非常に役に立ちます。

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丸刀の使い方ですが、このように小さな丸刀は仕上げの場面でよく使います。

例えば、光背の炎のへこみであったり、仏像の衣のへこみ部分や、仕上げでは沢山の種類を小刻みに変えながら使用します。

そのため、丸刀の幅は細いものから、太いものまであります。

そして同じ幅の丸刀でも、浅い丸から深い丸まであります。

中には極浅いきわめて平刀に近い丸刀を極浅丸と読んだり、また極々浅丸、などと呼ばれたりする丸刀もあります。

この平刀に近い極浅い丸刀は粗彫りにも使えます。

また丸刀だけではなく、平刀にも幅のものすごく狭い極めて細い彫刻刀もあります。

一般的に5里(1.5㍉)が細いのですが、中には3里とか、別注でさらに細い道具を手に入れる仏師さんもいます。

この極細い道具をでは、よく使う場所が髪の毛の線をいれたりします。

私は3里まではもっていますが、特に小さな仏像を彫られる仏師さんは、非常に細い道具を沢山使いこなします。

丸刀を彫るときは削るときに、少しひねりを加えます。

そうすると、彫り跡がきれいに残ります。

これは刺身を包丁で切るとき、刃の長さを利用して引きながら刺身を切るのに似ているような気がします。

 

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他にも、特殊な彫刻刀として曲がりの彫刻刀などがあります。

 

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同じ浅丸刀の彫刻刀ですが、左のように、刃の幅は広いのに、首は細くなっていたり、右のように一般的に良く見かける丸刀もあります。

この首が細くなっている道具が小道具と呼ばれています。

仏像の道具については、下記にリンクを張っておきます。

仏像彫刻の道具