寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

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お顔の彫刻は最も難しい場所ではあるのですが、彫り方を文章で説明する難しさに直面しています。

一番良いのは何度も何度も彫り、数をこなすと上達します、と言うのが一番簡単なのですが、それでは説明にならないので、この状態で自分ならどうするかという事を思いながら書いてみます。

まずは、一休みします。

何でもそうなのかもしれませんが、なにか好きな事に熱中する事ってあると思います。

私の場合は現段階において弁財天を彫刻している最中は熱中しています。

どんな事でも熱中しているときは冷静な判断が出来ない場合があると思います。

頭が、怒りに満ちている時、悲しい時など、その時は非常に興奮していますが、冷静になると、あの時あんな事するんじゃなかったと後悔することなどあると思います。

熱中しているときも一緒で、非常にデリケートな彫刻の場合、熱中しているときに彫ってしまうと、失敗する事が多かったです。

それは木彫だからかもしれません。

粘土だとあとで、付け足したりするのが可能なのですが、木彫だと継ぎ足す事が出来ませんので、失敗しない事をこころがけるのですが、かといって失敗を恐れて、おそるおそる彫りすすめても、あまり良くありません。

やはり、冷静な心の状態のときに彫る人が最善だと思ったやり方を決めたのなら、失敗を恐れずに思い切って彫るのが一番早い上達方法かと思います。

それでも失敗するときは失敗します。

数で表すと、100体ぐらい顔を彫り込むと自分の 思い描いた顔が出来るのではないかと思います。

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前置きが長くなりましたが、まずは冷静な心の状態のときに顔の位置を見ます。

お顔の高さが上の位置にあるのか下の位置にあるのかちょうど良い高さなのかを見ます。

お顔が高すぎると低くする事は難しいのですが、若干目の位置を低くする事はできます。

しかし鼻の位置を上に高くする事は可能ですが低くする事が出来ません。

目を下げすぎると大人の顔から子供の顔になります。

ですので私は鼻の位置を荒彫りからこの状態までわずかに低く下の位置にしています。

仕上げに近づくにつれ徐々に鼻の高さを上げて微調整します。

 

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鼻の位置が決まると小鼻の位置が決まり鼻の穴のわずかなくぼみが見えてきます。

このわずかなくぼみは、彫り過ぎに注意します。

鼻が決まると目の高さが決まります。

それと同時に口の位置も決まります。

目は左目から少しずつ微調整しながら形を決めて左目に合わせて右目を調整します。

 

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人間の目と同様に目には目玉の膨らみがあります。

しかし目玉の膨らみを気にしすぎると、そればかりが気になってしまうので、目玉の膨らみは心の隅にとどめながら自分なりの仏様の表情を思い描き彫刻をします。

人間の顔が元になって仏像のお顔が出来ているのですが、あまり人間の顔に意識が引っ張られると、人間っぽくなってありがたみがなくなる可能性があります。

仏像のお顔は人間の顔の中に風船をつめて、膨らませたようなほっぺたをしています。

そして赤ちゃんのように肌がぷるんとしています。

あまり、段差をつけすぎずにシンプルな表情ですが、しかし例えば人間のように目の横がわずかにへこんでいます。

このわずかなへこみを、強調しすぎずにわずかに表現するというのが仏像を形作るうえで重要な要素ではないだろうかと思います。

このわずかに人間の痕跡を残す彫刻は手の表現にも当てはまります。

手も赤ちゃんの手のように丸みや弾力を感じられるように彫ります。

手の場合、骨の出っ張りなどはありません。

シンプルすぎて、仏さんらしい手を作るのが非常に難しいです。

仏像の表現の難しさはこのシンプルな姿の中にわずかに人間の痕跡を残すところにあるのではないでしょうか。

しかも見ている人にはわからない程度に。

 

 

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お顔が決まれば、全体を確認してみます。

 

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合掌

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目次

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

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この段階は衣紋線(衣のしわ)などの細かい部分も、うっすらと彫りだしています。

衣紋線が見えてくると、最終的な完成像が見えてきます。。

最後に仕上げで衣紋線をくっきりと彫りだすのですが、この段階でそのことを考えながら、うっすらと彫りだしておいて、はっきりと彫らないように心がけます。

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この段階でまだ顔は奥にいきます。

しかし若干彫る余地を残しています。

お顔を最初に彫ると全体像が見えてきて彫るべき箇所が明確に見えてくるのですが、微調整の分を少し残しておきます。

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合掌

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ

今回は二種類の砥石を使って彫刻刀を研いでみたいと思います。

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左からキングの中砥石 800番 (数字が大きいとよりきめ細かくなり仕上げの砥石に近づきます。)

真中 天然仕上げ砥石 (規格外の砥石です。小さな彫刻刀などはこのぐらいの大きさでも研げます。)

右  印刀の彫刻刀 (刃が斜めについている彫刻刀を印刀と呼びます。)

 

 

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キングの中砥石はキングという商品名で販売されています。

人造の中砥石で今回800番を使っていますが、1000番などもあります。

数字が大きいときめ細かくなりより仕上げの砥石に近づきます。

 

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15分程水に浸しておきます。

よく水を吸う石なので、あらかじめ水を含ませておきます。

そうする事で彫刻刀を研ぐときに滑りが良くなります。

 

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彫刻刀を砥ぐ前の状態です。

 

 

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まずは刃の表側の面をきっちりとつけます。

人差し指か薬指を使って彫刻刀の面がピッタリと付くように指で押さえます。

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慣れてくると片手でも出来るようになりますが、最初のうちは両手で研ぎます。

しかし道具が小さくなると片手の方が、より安定して研ぐ事が出来ます。

 

 

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まだ面が完全に研げていませんので刃先が平らになるように確認しながらさらに研ぎます。

 

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面が平らになりました。

 

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仕上げ砥石です。

この砥石は、鳴滝砥石の黄板という種類です。

天然の仕上げと石の場合、水には浸さず研ぐ直前に軽く水をかけるだけで良いです。

 

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中砥石と同様に研いでいきますが、仕上げ砥石で研ぐ場合軽く力を加えるだけにしておきます。

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裏面も研ぎます。

小さな仕上げ砥石なので、持ち上げて軽く研いでいます。

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完成しました。

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試しに削ってみます。

研ぎ残しがないかチェックします。

筋が入っているともう一度研ぎ直します。

以上、彫刻刀の研ぎ方でした。

 

道具の種類

 

彫刻刀に柄をつける

 

彫刻刀の柄を割って作る

ペンケースに入れる彫刻刀を改良してみる

二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ

彫刻刀の刃先が欠けたら

丸刀の研ぎ方

彫刻刀の柄を削って丸刀の刃先を長くする

彫刻刀の柄の先に糸を巻き付ける

 

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

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下図線を描いた部分をなぞって彫りだしました。

線が彫刻して立体的になると少し見え方も違ってきます。

ですので今回も線はあくまで目安という事で、あまり線にこだわると固いイメージになります

 

 

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下図線を前回同様、マス目をもう一度引きます。

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前回描いた下図線よりもさらに細かく描いていきます。

宝冠なども細かくなってきます。

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合掌

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

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一気に弁財天像が丸まりました。

 

 

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このまま彫り進むとどこを彫刻すれば良いのか見当がつきにくく、目安がない状態で彫刻を進めた場合、誤って本来彫るべき場所ではないところを彫ってしまいますので、中心線を引いていきます。

 

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中心線が引けたら、それを基準にして、一寸(30.3センチ)間隔でマス目を引いていきます

 

 

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今回は横からの線を引くと少しややこしくなるので前と後ろからみた姿のマス目を引きます。

 

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マス目が引き終わると、図面を見ながら仏像の細かな線を描きます。

 

 

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合掌

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

平成27年 年賀状制作 木で未(羊)のレリーフを作る 

未年の年賀状の制作行程です。

材質は木曾桧をつかいます。

羊はとても難しいモチーフで、抽象的な表現でないと年賀状としてデザインするのは難しい。

今回は、版画でもなく浮き彫りで陰の陰影をつけて写真プリントで年賀状を作る事にしました。

まだ頭の中でイメージが出来ていないので、白紙のスケッチブックを用意して、羊の写真をながめていました。

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羊の絵を描いていたのですが・・・

 

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木に描いてみましたが、牛っぽいので変更します。

 

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今度はラフに親と子供で描いてみます。

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これに決めました。

 

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スケッチブックのデッサンを仕上げず直接木に描き仕上げます。

 

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だいたいこのぐらいの彫刻刀を使います。

一番右の印刀はよく使います。

線の立て込みを入れて同じ印刀で切り込みを入れたところを斜めに入れて線のくぼみを鋭角に鋭くします。

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しばらく印刀のみで線をなぞっていきます。

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この辺りから細い丸刀と太い丸刀で羊毛の細かいタッチを表現します。

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目を早い段階で彫刻をしてその目を基準にまぶたの膨らみをつけていきます。

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私は墨絵が好きなのですが、墨絵の様に余白を残したレリーフにしようとおもっていました。

そのため消えている羊の背中の部分の丸みが想像できるように彫刻します。

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余白の背中が想像できるようにシッポを細い線で立て込みを入れます。

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これで全体が彫刻できました。

しかし、抑揚(陰影)が優しすぎるのでもう少し凹凸をつけていきます。

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微小な木屑が少し残っているのでチェックをして取り除きながらしあげていきます。

 

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完成です。

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合唱

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

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この段階まで来てもまだ手をきっちりと決めません。

形式として決まっている仏像では早い段階で手、足などを先に彫り進むと、全体のイメージが見えやすくなるので、

どの辺りを彫刻するべきか明確になります。

今回の彫刻は琵琶を持っている彫刻なので、今の段階で手を彫りだしすぎると、後で違和感がでてきます。

そのため、常に琵琶を持って演奏しているというイメージを頭に思い浮かべながら、全体を彫り進め少しずつ手の位置を決めます。

 

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背面の彫刻は前を先に彫り進めてその流れを考えて背面を彫ります。

しばらくは正面が決まるまで残しておきます。

 

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合掌

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

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仏像を彫刻するときに持物である琵琶の面積が大きいので、仏像本体の形が琵琶に引っ張られる相になります。

一番肝心なのは仏像本体のバランスが取れている事で、琵琶に隠れたおなかの膨らみ、琵琶に隠れた左腕などを意識しながら進めていきます。

琵琶を後で別材で作り本体に後で取り付ける方法もありますが、そうすると、琵琶を持つ雰囲気が合わない可能性があります。

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迷いがあるのか、正面を漠然と決めながら横、後ろ、を順に進めます。

図面の上ではきちっと線が決まっているので、その線に合わせて彫り進めていけば図面通りの仏像が完成します。

しかし、図面をただ単にきっちりと計り寸法通りに彫刻をすると、固い雰囲気になりがちです。

立体にすると遠近感が違うので、図面は目安と考え、彫刻をくるくる回転させながらバランスの良い、顎や肩や肘や膝などの位置を決めていきます。

 

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まだ後頭部はへこめる事が出来ますが前の鼻の位置が決まっていない、最近ではあまり修正をする事はなくなりましたが、お顔の表情が彫り過ぎたりしても今なら多少は修正がききます。

鼻を少しへこませて、全体的に後ろにずらします。

そのため後頭部は厚みを残しています。

 

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寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

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寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

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この段階ではまだ膝前の琵琶と左右の腕の位置がぼんやりとして定まっていません。

今の段階で正確に手の位置を定めてしまうと、全体が仕上がっていくうちに少しずらしたいと思ってしまうことがあります。

しかし一度決めてしまうと修正がききません。

そこで、手の位置を曖昧にして、修正出来るように残しておきます。

 

 

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この段階で意識するところはポイントとなる出っ張りをどこに曖昧に定めるか

出っ張りというのは肘、膝、肩、です。

見方としては、顔を横から見たとき鼻の一番高いところから耳の中央までの長さがだいたい1つです。

1つというのは、膝の幅と額の上の髪の生え際までの高さが同じで5つあります。

その5分の1の長さです。

そういう事で鼻の高さが決まると、横から見たときの耳の位置が決まります。

そうすると今度は横から見たときの肩の位置がだいたい、耳よりも少し後ろにきますがその位置が見えてきます。

撥を持つ右手、と琵琶を支える左手の位置が決まると肘の位置が決まります。

これで、バランスを取るための基準が決まるので、そのときに始めて思い切って彫りだしていきます。

 

 

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基本的に出っ張ったところを早い段階で押さえておくと、バランスを崩さずに、スムーズに彫り進められます。

しかし、早い段階で押さえておくと書いたものの、慣れていないと彫り進めている間に微妙にずれていきます。

そういう事がないように、常に計りながら、思い切って彫刻をするのが早くて的確に彫り上がります。

 

 

 

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真後ろはお尻の位置、肩甲骨の位置、背中の凹凸を意識します。

仏像と人間では人間の体の方がリアルすぎるので、仏像を制作するときは、お尻、肩甲骨の位置、背中の凹凸の意識はしても、丸く角がないように彫ります。

 

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寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

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本来ならば全体的に彫刻しますが、私は顔から目鼻口のオウトツを出していきます。

重要な箇所は最後に彫るのが良いとされているところがありますが、私は顔から先に彫刻をした方が、失敗が少なく

思ったように彫れる事が多いので、顔から彫刻を始めています。

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特に目を早い段階でぼんやりとだしていきます。

これは、どういうことかというと仏像を見られるときに、無意識的に一番最初に見るところが目だからです。

目の場所をある程度決めると鼻の高さが見えてきて、口が出てきます。

すると顎のラインが見えてきて、肩の位置が四角い木の中からイメージする事が出来ます。

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では顔を最後に回すとどのような手順になるのかというと、肩を丸めて顎を出して、鼻を決めて、口を決めて、目を出す。

そういう手順で彫刻をすると、肩が下がり過ぎにみえたり、顎が細くなったり、鼻の位置が高すぎたりします。

なぜそのようになるのかというと、迷いながら彫刻をする事になるからで、基準線は一応ありますが、しかしイメージとして目の基準があるのとないのとでは、彫刻を進める上で彫る事に対する迷いがなくなり、的確に彫るべき部分を掘り進める事が出来ます。

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目を決めるといっても、1ミリも狂わず正確に決めている訳でもなく、若干下気味に彫り進めています。

目が下の位置にあると上に移動する事は出来るので、目だけでなく鼻も最終的なラインよりも若干余裕を残して下気味に切り込みを入れます。

口も同じように若干下気味に彫りだします。

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そうやって目をぼんやりと、遊びを残しながら基準を決めて全体のイメージを考えて、彫り進めながら目の位置を的確に決めます。

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上の画像では右目から始めています。

目の上まぶたの位置が山の頂上になり、その下の面が目の位置の範囲になります。

鼻の位置が切り込んであるので、だいたい目の位置は、決まっていますが、鼻の位置を少しずつ高くしていくにつれ、目の位置も多少、上に移動するようにします。

しかし今の段階ではまだ決めません。

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目の位置を決めるときに、センターラインに近づく程上に寄せていきます。

こうする事で、仏さんらしい雰囲気に近づける事が出来ます。

この荒彫りの時点で決めなくても良いという人もいるかもしれませんが、荒彫りの段階で仏さんの雰囲気を作っておくと、彫るモチベーションも高くなり、最後まで彫刻を楽しく彫り進められます。

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眉、口元を彫りだします。

眉も少し下気味に彫ります。

眉の位置を上に移動する事はいつでも出来るので、今の段階では低い位置にあります。

口元はとても難しい場所ですが、私も口元を彫るのは長い間、苦戦をしていました。

口元の難しさは、下唇の両端のくぼみが深いのですが、上唇の両端は、深く彫りすぎてはいけないので、その抑揚の感覚をとらえるのが非常に難しいです。

ついでに鼻からほっぺたの膨らみまでの凹凸はつけないように、角をつけないようにします。

意外と鼻を山のように角々と、つけてしまいがちですが、この鼻からほっぺたまでの抑揚の付け方もまた何度も挑戦しないとその感覚をつかむのが非常に難しいと思います。

 

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決めすぎない程度に荒彫りを終えましたので胴体の前後2材を三千本膠で接着をして、翌日両肩も接着をして、琵琶がある膝前を残して次回、彫り進めていきます。

 

 

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(三千本膠を接着面に塗る作業)

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目次

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成