彫刻刀の柄を細く削り落として複数の彫刻刀をペンケースに収められるようにする。 その4 6ミリ幅の丸刀の調整

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2分(6ミリ)の丸刀をペンケースに入るサイズに調整する。

前回同様に、ペンケースに入る長さに切り落とします。

 

 

 

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今回は、ドリルで穴を開けずに彫刻刀で差し込み穴を作ってみます。

 

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このままでは彫刻刀で溝を彫る事が出来ないので、まずは差し込み蓋を幅が広い平たい彫刻刀で半分に割ります。

 

 

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これで丸刀の溝を彫りだす準備が整いました。

 

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まずは線を引いて同じ丸刀か、もしくは少し細めの丸刀で調整彫りします。

 

 

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少しきつめで調整します。

 

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接着剤を入れてセロテープで固定して接着剤が固まるまで待ちます。

 

 

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前回同様に彫刻刀の柄をペンケースに入るサイズに調整彫りします。

 

 

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彫刻刀の柄に合わせて差し込み蓋も削り合わせます。

 

 

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下の画像は別の道具で説明しています。

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差し込み蓋と柄の隙間を埋めていきます。

 

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彫刻刀を仕上げながら細めます。

サンドペーパーで仕上げますが、この鉋の作業でほぼ仕上げます。

サンドペーパーは軽くかける程度で済むようにします。

 

 

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使い心地をチェックします。

自分がよく使う道具がちゃんと入るかどうか確かめてみます。

 

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ちゃんと丸まりました。

これで完成です。

曲名】 moment オルゴール
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【管理者】 秋山裕和
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その3へ(3ミリの丸刀)   その1 最初へ   

釈迦三尊像を作り直す1 普賢菩薩像について 

 

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釈迦三尊像を新しく彫り直す

私が釈迦三尊像を彫刻しようと思ったのは、中村元先生の仏陀のことばという本を拝読させていただいた事がきっかけだったと思います。

下記に中村元先生の動画を載せておきます。

中村元「ブッダ最後の旅」

中村元先生のその他の動画集

 

中村元先生の穏やかな語り口で釈尊を語るととても落ち着きます。

お釈迦様がおなくなりになられて500年ほど経過した紀元後1世紀頃にガンダーラ、マトゥラーで同時期に石に彫刻したお釈迦様の姿が出現しました。

お釈迦様のお姿が日本まで伝わるのに時間はかかりましたが、現在でも禅宗を中心にお釈迦様の像が奉られています。

仏教の根本であり開祖でもあられるお釈迦様を彫りたいと思ったのは自然の流れだったのかもしれませんが、

実は当初、普賢菩薩を彫刻したのがきっかけでした。

私の生まれ年の守り本尊さんでもあり、自分の普賢菩薩を香合佛として彫刻などもしていました。

また大蔵集古館蔵の象に乗られる平安時代の普賢菩薩像の優美なお姿を見たときに、私も彫刻をしてみたいと心に秘めていました。

写真の向かって左側の両手を合掌している姿が普賢菩薩像ですが、この像を制作する前に実は二体、普賢菩薩を挑戦していました。

それが今から11年前になります。

 

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一体目の時も、大倉集古館の普賢菩薩をモデルにしましたが、彫っている最中それ以外の普賢菩薩像も気になり同時代の像、鎌倉時代の像など色々と見すぎたのも良くなかったのだと思いますが、それぞれに良さがあって、全ての良さを一つに集約したいと思ってしていたのですが、あっちもこっちも手を出すものだから、だんだんと細くなり、最後には修正が効かない状態までなってしまいました。

それから二体目に挑戦したのですが、二体目は一体目に彫りすぎた箇所を把握して二体目ではその箇所を残し気味で彫刻を進めていきました。

私の中で完璧な普賢菩薩像を今回は作り出せると考えていたのですが、平安時代の仏像は鎌倉時代と比べると華奢で猫背になっています。

胸の厚みも薄くそれが平安の優美さにつながっていると思います。

 

続く

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次へ

 

仏像を彫るとは

最近、私の同級生でこれからの生き方に悩んでいる人がたくさんいる事に驚く事がたくさんありました。

そして短期間に3人も身近で自殺未遂をした方と会う機会がありました。

私がまだ20代前半の頃、周りの同級生が普通に大学に行き就職して少しうらやましいなあと感じたり自分も普通の生き方をした方が良かったのではないだろうかと少し悩んだ時期がありました。
それから10年が過ぎさらに10年が過ぎようとしているこのタイミングで、仕事をやめていく人を何人か見ました。

受験勉強をこなして厳しい就職活動を乗り越えて、そこまでしてがんばったにもかかわらず、この年齢になって自分は何のために生きているのか、まるでロボットのように生きてきたようだと感じていたようです。
そういう人が私のように好きな仏像を彫っていることに、うらやましい感情を抱いていたようでしたが私は逆に安定した人生を歩んでいるということで安定していて羨ましいと感じていました。

しかし40近くなると人生に半分にさしかかります。
すると残りの半分の時間も予想がつくし寿命が80歳だと仮定すれば自分がどのように生き、どのように最後を迎えるのかも何となく想像がつきます。
かといって今更ながら生き甲斐を見つけるのも難しいと思います。

私は思うのですが、高校卒業したら一年間、何もせずにぼーとする時間が必要ではないだろうか。

もちろん大学もいかない仕事もしないことが条件で、心行くまでぼーと過ごす。

そんなことをしたらどうなるだろうか、親が心配する、近所の目が気になる、いわゆる世間体というものでしょうか、取り残される。

なぜ私たちは、こんなに人に認めてもらわなければいけないのだろうか、自分らしく生きるとは人から煙たがられる、気違いだと思われる、仲間はずれにあされる、孤独になることなのだろうか。

しかし人から認められようとすると日本では自分を偽らなければいけない事が多い事は事実です。

私は、一部の人が幸福になるような社会システムは不完全だと思っています。

多くの人が、自分という個と真剣に向き合い、同じように相手の個も大切にできるような、自立ある共生が必要なのではないだろうかと感じています。

今まで私は、平安時代、鎌倉時代の仏像を追い求めそれに近づこうとそればかり考えていました。

もちろんこれからも追い求めていくのは同じですが、釈尊は、個々の人たちの悩みを聞いて個々に合わせた解決方法を与えていたと聞きます。

それ故に釈尊の言葉は統一されていないところもありますが、しかし個々の人たちに幸せになってほしいという共通の認識があったのだと思います。

私は、人に幸せを与えられるような解決方法を雄弁に語る才能はありませんが、今友人のために香合佛を彫らせてもらっています。

途中段階ですが友人は香合佛を見た瞬間少し顔が和らぎました。

もし私の刻んだものが人の心を癒すためのお役にたてるものならば、これからも仏像を彫り続けたい。

彫刻刀の柄を細く削り落として複数の彫刻刀をペンケースに収められるようにする。 その3 3ミリ幅の丸刀の穴をあける別の方法

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今回の彫刻刀は刃先が丸い丸刀です。

幅が一分(3ミリ)という細い道具なので、今回は別の方法で穴をあけてみたいと思います。

 

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まずは前回同様に短くしてペンケースに入るようにします。

前回は彫刻刀の柄を張り合わせて作っていましたが、細い丸刀の場合ドリルの刃先で穴をあけてそこに突っ込んで固定をします。

今回はドリルを使用していますが、前回同様にあらかじめ半分にした板に彫刻刀の形状に合わせて彫刻刀で削り合わせる方がよりフィットします。

 

 

 

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まずはドリルで穴を開ける前に槍であらかじめ小さな穴を作っておきます。

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あらかじめ彫刻刀の柄を細くしておきます。

 

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さらに細くして穴に差し込みます。

 

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差し込み蓋のほうも同様に細くします。

 

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この後の写真は別の彫刻刀で説明しています。

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前回同様に彫刻刀の柄と差し込み蓋の接地する所の隙間を少しずつ確かめながら削り合わせます。

 

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表面を仕上げながら細めていきます。

この時にほぼ完成に近い形まで鉋で仕上げ、この後のペーパー仕上げは軽くこするだけにしておきます。

 

 

 

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椿油を塗りこんで完成です。

 

写真は前回と同じ道具を使用していますが、やり方は同じです。

その2へ(9ミリ幅の印刀の調整)      その4へ(6ミリ幅の丸刀の調整)

 

 

 

 

彫刻刀の柄を細く削り落として複数の彫刻刀をペンケースに収められるようにする。 その2 9ミリ幅の印刀

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幅9ミリの印刀を修正する。

この印刀の幅は9ミリ(三分)特に使う頻度が高い道具です。

 

 

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実は彫刻刀の刃だけ取り出す事が出来ます。

今回の場合彫刻刀の柄の接着が弱ってきたので柄の方も割ってみます。

 

 

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刃物を裏返すと制作者の名前が刻印されています。

この刻印された所まで切れる鋼が入っていて彫刻刀として使える長さです。

それ以上超えるといくら研いでも切れません。

しかし、刻印のところまで使うとなると相当な年数使い込まないといけませんが。

 

 

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今回はペンケースに入れるという事でケースに入る長さにします。

 

 

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切り落とした柄の後ろの部分を前の差し込み蓋で使います。

 

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彫刻刀はあらかじめ接着剤を入れて接着し直します。

接着剤は、ボンド、エポキシ樹脂、カゼイン、膠(にかわ)、米糊、などあります。

ボンドを使う場合は、ボンドが固まらない状態で刃物に付着すると錆の原因になります。

エポキシ樹脂、や米糊などが適していると思いますが、ボンドでも付着しないように接着すれば使えます。

 

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本体の柄の部分が接着出来ると刃先の差し込み蓋を作ります。

差し込み蓋は二枚の板の片方を印刀の形状に合わせて削りだし、両方の板を合わせて入るかどうか確かめます。

少しきつめに入るぐらいがちょうど良いです。

そうすると使っているうちになじんできます。

 

 

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接着剤は入るとセロハンテープで二カ所止めます。

 

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接着が出来ると細く削りだしていきます。

 

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本体の彫刻刀がある程度、削れると差し込み蓋をして蓋も削りだします。

 

 

 

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見た目は細くなっていますが、それからさらに仕上げながら削り込みます。

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細い平刀で差し込み蓋と彫刻刀の柄の隙間を調整します。

調整するときに平刀の刃先が出来るだけ金属部分に当たらないようにします。

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鉋を使うかどうかはそれぞれの好みです。

彫刻刀の削り跡を残して仕上げても良いです。私の場合、普段使っている彫刻刀は手に馴染む厚みで鉋で仕上げず彫り跡が残った状態で使っています。

私の場合、普段使っている彫刻刀は手に馴染む厚みで鉋で仕上げず彫り跡が残った状態で使っています。

彫刻刀を仕上げている時間がないというのもありますが。

今回の携帯用の彫刻刀は、極限まで細くしたいので鉋で仕上げています。

そして今回はサンドペーパーで磨きます。

普段の彫刻刀はそこまで仕上げないのですが、今回はペンケースに洒落た感じで入れたいという私の願望もあって奇麗に磨いています。

後で椿油を塗るので、今の状態が奇麗でも油を塗ると粗が見えやすくなりますので、その事も頭に入れておいてペーパーをかけています。

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では、椿油を塗ってみたいと思います。

今でも使用している人がいますが、昔は美容で椿油を髪に馴染ませることが一般的でした。

その椿油は今でも薬局ならどこでも購入する事が出来ます。

椿油を数滴たらして、手で伸ばします。

油なので刃物も一緒に奇麗に拭いていきます。

 

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刃先を研いで完成です。

最初に            その3へ(3ミリの丸刀のサイズ調整)

 

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彫刻刀に柄をつける 上の画像 

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彫刻刀の柄を割って作る 上の画像

 

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ペンケースに入れる彫刻刀を改良してみる 上の画像

 

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二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ 上の画像

 

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丸刀の研ぎ方 上の画像

 

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彫刻刀の柄を削って丸刀の刃先を長くする 上の画像

 

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彫刻刀の柄の先に糸を巻き付ける 上の画像

 

彫刻刀の柄を細く削り落として複数の彫刻刀をペンケースに収められるようにする。 その1

曲名】 moment オルゴール
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複数の彫刻刀を自宅に持ち帰る時、画像の皮のケースに入れて巻いて鞄に入れていました。

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このケースが大きくてそのため大きめのバッグに入れて持ち歩いていました。

紐も最近ちぎれて代用でピニール紐でしばる有様です。

それと最近、持ち歩く頻度が多くなったのもあるのですが、知人の自宅でちょっと修正するために身近に彫刻刀が複数必要だなあと感じる事があります。

そんな時、以前から使っていた巻くタイプのペンケースをしばらく見ていました。

漠然と、このペンケースに彫刻刀を入れられたら楽に持ち運べるだろうなあと思っていました。

漠然と思ったら最後、すでに彫刻刀を削るための準備に入っていました。

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ペンケースなので刃物を直接入れると破れてしまいます。

そこで、刃先に差し込み蓋を作りました。

さらに極限まで細く削り出して、途中段階でケースに入れて確かめながら仕上げていきます。

 

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次回は一本ずつ作り方を紹介してみたいと思います。

9ミリの彫刻刀を細く削る

 

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彫刻刀の柄を割って作る 上の画像

ペンケースに入れる彫刻刀を改良してみる

 

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二種類の砥石を使って彫刻刀を砥ぐ 上の画像

 

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丸刀の研ぎ方 上の画像

 

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彫刻刀の柄を削って丸刀の刃先を長くする 上の画像

 

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彫刻刀の柄の先に糸を巻き付ける 上の画像

 

金剛界 10 金剛喜菩薩尊像

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金剛喜菩薩・こんごうき(梵名:Vajrasadhu ヴァジュラサードゥ)

身色 肌色

手の形 二手を拳にして胸に当てる

尊名の(sadhu) とはあ、インドでは師が弟子の言動に対して賛成や讃歎を表現するときに使われる語である。

教典では仏が弟子の説法を是認し讃えるときに「よきかな、よきかな」とこの語を発する。

『金剛頂経』では、金剛薩埵の菩提心が大悲を起こす三昧の歓喜の境地からこの尊が現れでるとされています。

そしてこの尊は妄想分別を離れた仏・菩薩たちに歓喜してもらう讃歎を述べます。

このようにして、金剛薩埵の菩提心が大悲の行となって一切衆生に振り向けられるようになります。

それがゆえに、この尊像の讃歎の境地は、一切の衆生に等しく喜び分かち、安楽と満足が得られるとされます。

合掌

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金剛界 80 触金剛菩薩尊像

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触金剛菩薩・そくこんごう(梵名:Kelikilavajra ケーリキラヴァジュラ)

身色 白肉色

手  金剛拳にした両手を交差させ三鈷杵(五鈷杵)を抱く。

姿  冠を戴き、瓔珞を着る。

尊名のうち触とは、五官(眼・耳・鼻・舌・身)を通して悦楽の対象に触れようとする欲望を意味します。

梵名のケーリキラとは、愛の戯れの絶頂の歓喜を意味します。

漢訳ではそれを感覚的な悦楽を求める欲望と解して触とした。

それゆえに、別名を金剛喜悦ともいいます。

慾金剛菩薩の愛欲をそそる働きを受けて、この尊は愛欲が感覚的な欲望として対象に触れている悦楽を表します。

合掌

 

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金剛界 9 金剛愛菩薩尊像

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金剛愛菩薩−こんごうあい(梵名:Vajraragaヴァジュララーガ)

身色 肌色

手  二手に煎(矢)を矯めた姿で坐る。

尊名の愛(raga)とは、仏教では一般に貪欲を意味し、善根を積む妨げとなる三種の煩悩、すなわち三毒の一つとされています。

この貪欲は菩提を得る際の障害であり、釈尊の成道の際にも誘惑者となって現れた。

それゆえ仏教ではこの貪欲を悪魔と見て、魔羅(mara)ともいう。

このようないわれの愛を名とする尊であるから、また魔羅菩薩とも称します。

密教はそれまでの仏教では否定すべきとされたさまざまな煩悩を抑制するよりも、その心の働きをより一層菩提のために活かすことを追求するので、この貪欲にも新たな意味を見いだし、尊格化しました。

すなわち、衆生が具える愛著や貪欲は、その欲求の本源においては、金剛薩埵が菩提へ向かう欲求と同じであるとされる。

このように、愛著や貪欲という一見否定すべきように思われる心も、その本源を洞察してみれば、金剛薩埵の清浄な菩提心の三昧の境地と同じです。

この立場を煩悩即菩提といいます。

この煩悩即菩薩という考えは、大乗仏教において教理的に確立されたが、それはまた、大乗仏教以前に展開した小乗仏教の煩悩否定の教理を乗り越えた大乗仏教のこの教理が、密教に受け継がれ展開しました。

合掌

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寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成

寄木造りの原型の仕上がりです。

表面の仕上げは全て彫刻刀で仕上げています。

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YouTubeです。

仕上がっていく様子を動画で見る事が出来ます。

合掌

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寄木造りの制作行程 釈迦如来坐像 第一回目

 
目次

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 1 四角い木から線を引く

寄木造りの原型の琵琶を持つ弁財天を彫刻 2  御顔の荒彫りと膠接着

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻3 御顔の荒彫りと全体の荒彫り開始

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻4 漠然とした全体のフォルム

寄木造りの原型 琵琶を持つ弁財天を彫刻 5  荒彫りの続き

寄木造りの制作行程 6 目安の線を引く

寄木造りの制作行程 7 目安線を彫刻 彫り進め過ぎずに彫刻する

寄木造りの原型 制作行程 8 弁財天の彫刻 手足をぼんやりと彫り進めて全体を進める

寄木造りの原型の制作行程 9 弁財天の荒彫りに目安線を描く

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 10 下図線を基準に彫刻をすすめる

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 11 衣紋線などの細かな表現

寄木造りの原型の制作行程 12 弁財天の彫刻 お顔の彫刻 

寄木造りの制作行程 弁財天の彫刻 13 琵琶などの持物や細かな部分の彫刻

寄木造りの原型の制作行程 弁財天の彫刻 14 完成